もちろん専用に加工してみた
さて、ぼくがけっこうこだわっている「キーホルダー」。
なかなか満足の行くものがなく、いつも自作することになりますが、今回はランボルギーニ・ウラカン用のキーホルダーとしてエルメス(HERMES)の製品を使用してみようと思います。
エルメスというと、以前にポルシェ718ケイマン用のキーホルダーとして「スカーフリング」を使用していますが、今回紹介するのはスカーフリングではなく「しおり(ブックマーク)。
その名はカルメンチータ
ただ、エルメスの場合は製品一つ一つに小難しい名前がついているのが特徴で(それだけ製品に情熱を注いでいるのだと思う)、この製品の名称は「カルメンチータ」。※カルメンという名のキーホルダーも別にある
長さは二種類(短いのと長いのと)あり、カラーはぼくの知る限りだとライトブルー、イエロー、ピンク、レッド、ブラック、ブラウン。
価格は長いほうだと14000円くらい、短いほうだと13000円くらい。
今回購入したのはライトブルーで、長さは短いほう(レッドが欲しかったのだけれど、在庫がなかった)。
製品は丸めて箱に入れられていますが、その箱の内側にある印刷(文字)も丸くなっていて、これがなんともお茶目ですね。
エルメスというと「異常に高価な」ことで知られ、詰まりは格式が高いことで知られるものの、ウエブサイトしかり、こういったボックスしかり、意外に「ユルい」ところがあります。
エルメスの製品を惜しげもなく分解してみよう
カルメンチータの端の方はこんな感じでフックが取り付け済み。
ただ、今回これは使用しないので、本体レザー部分の「折り返して」いるところをほどいてフックを取り外すことに。
そしてループを作ってこんな感じでもう一度縫い付けます。
もちろん使用する糸はカルメンチータと同じ色。
そして出来上がった「カルメンチータ改」をウラカンのキーに取り付けるとこう。
なお、ぼくが今回カルメンチータを使用したいと考えたのはその「素材の柔らかさ」。
ウラカンのキーの金属部分はけっこう「柔らかくて」、金属製のキーホルダーを装着すると容易にキートップが凹んだり傷ついたりするため、レザーなど攻撃性の低い素材で、できるだけ柔らかいものを探していたわけですね。
ぼくはウラカンのキーにはワンオフ制作した(イタリアントリコローレの)カバーを装着していますが、カバーのない状態だとこう。
ちなみにキーを入れているケースは「ペリカンケース」を加工したもの。
エルメスの製品、そして職人は他のブランドとはまったく次元が違う
今回カルメンチータを加工していて思ったのは「エルメスの職人すごいな・・・」ということ。
加工(もう一回ループを作り直す)の際には、もともと縫われていた「糸を通した穴」を再利用するのですが、その穴と穴の間隔が狭いこと、そしてこの柔らかさの革をこの間隔で正確に縫ってゆくのは並大抵のことではなく、相当な技術を要する作業で、今回のぼくのように「すでに穴がある」ところを通すならまだしも(それでもけっこう難しい)、なにもないところをこの形状に縫うというのはそうとうに困難な作業だと言えそうです。
エルメスはとにかくそのレザー製品が高価(金属製品や腕時計はそんなに高くない)なことで知られますが、一旦分解してみて再加工してみたからこそこういった事実に気づいたわけで、いうなればぼくはエルメスの職人の追体験をしたわけですね(以前にルイ・ヴィトンの職人にバッグの作り方を教えてもらったことを思い出した)。
ただ、これまでにもボッテガ・ヴェネタやフェンディなど数々の製品を加工してきたものの、やっぱりエルメスの使用する素材、そしてそれを製造する技術はそれらとは全く異なる次元のものであり、今回改めてその価格の高さに納得させられることに(ステッチの細かさ、正確さだと、ぼくの知る範囲ではグッチとジルサンダーがエルメスの次くらい)。
なお、今回購入した「カルメンチータ」について、エルメスのウエブサイトには掲載されていなくて、エルメスの店頭にも出ていないことが多いようです(本来はこれ単体で使用するものではなく”手帳の一部”で、クルマで言えば補修用部品のようなもの)。
よって購入するにはエルメスの店頭に行って「カルメンチータある?」と聞く必要があるわけですが、その場合は「愛用しているエルメスの手帳に使用しているカルメンチータが傷んできたのでそろそろ新調しようかな」という雰囲気を出すといいのかもしれません。