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ロレックスはなぜ「在庫がたくさんある」のに値上がりが続くのか?デイトナやサブマリーナの価格が上昇する理由を考えてみよう

2019/03/27

| ロレックスは「在庫が足りずに」値上がりしているわけではない |

さて、高価なこと、そして値上がりが継続することで知られるロレックス。
今回は「なぜ」値上がりするのか、その構造について考えてみたいと思います。

現在、ロレックスで値上がりが大きなモデルとしては「デイトナ」「サブマリーナ」があり、最近では「エクスプローラーⅡ」「GMTマスターⅡ」もその仲間入り。

エクスプローラーⅡだと、去年くらいまではなんとか70万円台で探せたような記憶があるものの、もうじき「100万円台」に突入しそう。※ただしエクスプローラーⅡは他モデルに比較すると値上がりが鈍い

かつ、正規販売店でも少し前までは定価で買える個体を見つけることが出来ましたが、今ではもうお目にかかることすら難しいという状況ですね。

日本におけるロレックスの在庫量は「世界一」

なお、日本のロレックス在庫量は世界一と言われ(香港のブローカーから聞いた)、たしかに在庫はかなり豊富。
しかしながらその在庫は「プレミア付き」という但し書きがつくことになります。

ロレックスの販売については「正規店」と「その他」に分かれますが、まず正規店だとこちら(日本ロレックスのサイトへ)。

ロレックス正規販売店でロレックスのスポーツモデルを入手するのは難しい

正規販売店はロレックスの新品を「定価以上」で販売することはできず、よって店頭に「定価で」出すことになりますが、そうなると当然「あっという間に売り切れる」もしくは「店頭に出す前に有力顧客の手に渡る」。

いずれにせよ、ロレックス正規販売店においてロレックスのスポーツモデルはじめ人気モデルを定価で入手するのはまず不可能ということになりますが、入手できる方法があるとすれば「お得意様になる」というのが手っ取り早いかもしれません。

「ブラックカードの加入」はロレックスのスポーツモデル入手を可能とする一つの手段

あとは裏技ですが、「ブラックカードに加入する」。
各信販会社はクレジットカードの最上位としてブラックカードを用意していて、これに加入すると、加入者の言うことを「ほぼなんでも」聞いてくれるのが強みでもあり、たとえば「大阪のロレックス正規店全部に電話をかけて、デイトナ、サブマリーナ、GMTマスターII、エクスプローラーIIの在庫を聞いてちょうだい」とお願いすると、実際にそれを行ってくれるわけですね。

そして在庫があればその正規店に買いに行く、という行動が可能に。

なおブラックカードの年会費は相当な額ですが、ロレックスのプレミア分よりはずっと安く、仮に「自分の分と、売却用の二本を」ゲットできれば、あっというまに売却益で年会費がペイできます。

ロレックスの「非正規」販売店でロレックスのスポーツモデルを入手するのは簡単だ

一方で、ロレックスの正規店以外でロレックスのスポーツモデル(デイトナなど)を入手するのは非常に簡単。
というのもプレミアさえ払えば在庫はいくらでもあり「選び放題」という状況だから。

つまり「正規店には在庫はないものの、非正規店にはいくらでも在庫がある」というのがロレックスで、ここが「日本のロレックス在庫は世界一」というところですね。

ここで疑問が生じるのが、「ロレックスの腕時計は、生産数が少なくて価格が上昇しているわけではない」ということ。
市場に在庫がなく、需要と供給とのバランスに不均衡が生じて価格が上がっているわけではないということで、「在庫自体はいくらでもある」のがロレックス。

なぜロレックスの価格が上がるのか

じゃあ「なんで在庫がなんぼでもあるのに価格が上がるのか」ということですが、これは「組織的に価格を吊り上げているから」で、簡単に記すとこんな感じ。

1.ロレックスが腕時計を作る

2.流通段階(工場出荷もしくは店頭に入荷したとき)で組織が買い占める

3.正規店の在庫がなくなる

4.正規価格のちょっとだけ上で、非正規店に流出させる

5.欲しい人が「定価のちょっと増し」で買う

6.今度はさらに上の価格で非正規店に流出させる

7.ロレックスが値上がりしているという認識が市場に生まれる

8.値上がり前に押さえておこうという人が買いに走る

9.さらに上の値段で流通させる

10.ロレックスは継続して価格が上がり、儲かるという認識が発生する

11.一般の投機筋がロレックスを投機商品として扱い出す

12.高値相場が形成される

という感じで、株式が値上がりするときの構造によく似ているということになります。
そしてロレックスが「投機商品」として安定的な動きを見せると、「まずはデイトナ」にはじまり、「次はサブマリーナ」「サブマリーナの価格も高くなってきたから次はエクスプローラーIIの価格でも吊り上げるか」「GMTマスターIIもいっとく?」という感じで、次々と”価格吊り上げ”ターゲットが増加してゆくわけですね。

ロレックスの値上がり構造を知っていると「買いにくい」

こういった流れでロレックスの価格が「上がり続ける」ことになりますが、つまり値段が上がる理由は「製品(機械)としての高い評価」「生産数が少ない」というものではなく、人工的に作られた相場であって、”人気が人気を呼ぶ”という側面が強いということになります。※もちろんロレックスは腕時計として高い性能を誇る

ただ、ぼくはロレックスについて非常に(製品としての)価値が高い腕時計だと考えていて、常に購入の検討対象に上がりますし、現在のところ8本を所有(すでに売ったものを数えると、けっこうな本数になる)。

rolex daytona watch

まだまだ欲しいモデルはいくつかありますが(ヨットマスター40/16655、同じくヨットマスター116622など)、ロレックスを購入するときには必ず「将来の値上がりを期待」して買う自分がいたりして、自分のことながら「不順な動機で購入している」ということにはちょっと後ろめたさを覚えます。

逆にウブロの場合は「売るときにはかなり下がるんだろうな」と認識しつつも、欲しいという気持ちを優先して大枚をはたくといったことになり、しかしロレックスの場合はやはり”純粋な気持ちで腕時計として見ることが出来ず”、よこしまな気持ちが少なからず入っているのは間違いありません。

加えて、ロレックスのレアモデルを身に着けていると、「コイツはプレミア払って購入したんだろうな」「人気や評判に流されやがって」と周囲から思われていたりするんだろうなというのも、ちょっと気になるところですね(ぼくはプレミアを払ってモノを購入するのには抵抗がある)。

ロレックスの各モデルはこれくらい値上がりしている

そこでロレックスの主なモデルがどれくらい値上がりしているのかをここで見てみましょう(いずれも1年ターム、グラフは価格.comから)。

まずは代表格でもある「デイトナ(116500LN)」。
定価は1,274,400円、現在の平均価格は250万円くらい。

そしてサブマリーナ(116610LV/グリーンサブ)。
定価は928,800円、現在の相場は160万円くらい。

そしてGMTマスターⅡ(116710BLNR/ブルーブラック)。
定価は918,000円、現在の相場は170万円くらい。

そして最近大きく値を上げているエクスプローラーⅡ(216570)。
定価は831,000円、現在の相場は97万円くらい。※他モデルに比べるとあまり上がっていない

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