| 「戦車」は一度は運転してみたい乗り物のひとつ |
さて、アメリカでは個人にて戦車を所有することが合法だそうですが(日本ではどうなのかわからない)、実際にときおり中古車売買サイトに登場したりするようですね。
今回は個人間中古車売買サイト「Bring a Trailer」へとオークション形式で登場したM4A1”グリズリー”巡航戦車が話題となっていますが、ここでその内容を紹介したいと思います。
ベースはM4A1シャーマン中戦車
このM4A1グリズリーのベースはアメリカで製造されたシャーマン中戦車で、これは1942年から量産が開始されています(グリズリーは1943年から)。
車体前部左には操縦席、そして右には副操縦席と機銃座という構造。
なお、砲塔内には車長、砲手、装填手の3名が登場する仕様です。
このM4A1グリズリーは、カナダのモントリオール・ロコモティブ社によって生産されており、M4A1シャーマンとの最大の相違は履帯(キャタピラー)がシングルピン式となっていることで、これによって大幅な軽量化が果たされ、機動性が向上しているとされています。
なお、アメリカでのM4A1シャーマンの生産台数がかなりの数に上っていたことから、このカナダ産M4A1グリズリーの生産はさほど進まず(188両)、早々に生産を終了したと言われるので、ある意味では結構なレアカー。※現存するのは20両以下だと言われる
ちなみにM4A1グリズリーが実戦に投入される機会はなかった、とのこと。
主砲は75ミリ戦車砲M3、エンジンはコンチネンタル製R975(4ストローク星型9気筒空冷、オイル交換済み)、トランスミッションは5速マニュアル、最高速度は38.6km/hという記録が残ります。
M4A1グリズリー巡航戦車の内部はこうなっている
そしてこちらはM4A1グリズリーの車内。
こちらは操縦席です。
こちらは砲塔内。
この狭い空間に3人というのはかなりキツそう。
窓はないので、これで前方を確認するようですね。
M4戦車というとやはりブラッド・ピット主演の映画「フューリー」を思い出しますが、いまだにあれほどリアルに戦車を描いた映画はなかったな、と考えています。
とくにティーガー戦車との一騎打ちにて、その機動性を生かして後方に回り込み、装甲の薄い後部を狙おうとしたところなどは非常にリアル。
そしてリアルさというと「人の死にっぷり」も同じで、一般的な戦争映画のように大きな声を上げず、静かに死んでゆくさまも印象的だったと思います。
幸いにしてM4A1グリズリーは実戦に投入されておらず、よってこの中で人が亡くなったということはなさそうで、コレクションとしてはいい物件かもしれませんね。
価格については8日を残して35万ドルまで上昇しています。
このM4M1グリズリー巡航戦車の動画はこちら
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