| おそらくはアルピーヌ側のほうが得るものが多いと思われる |
さて、ルノーは先日大きな改革を行うと発表したところですが、その中で挙げられていたのが「アルピーヌブランドの再構築」。
すでにルノーはF1チームの名称を「ルノー」から「アルピーヌ」へと変更していることでもわかるとおり、アルピーヌをより「スポーツカー」「モータースポーツ」というイメージへと寄せてゆくという意向を持っていて、今回はその一環として「ロータスとの提携をを行う」と発表しています。
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アルピーヌとルノーとは相性がいい
なお、この提携はいささか衝撃的ではあるものの「考えてみれば当然」とも言えるもので、というのも両者とも”軽量”を標榜したブランドだから。
新生アルピーヌはその軽量性を実現するために車体はもちろん、シートやブレーキシステム、サスペンション、ホイール、タイヤに至るまで新しく設計しており、その意気込みたるや「(台数がそこまで出ないのに、わざわざ新設計して)大丈夫か・・・」と思うほど。
一方のロータスも軽量性には定評があるブランドで、「一つのパーツに2つ以上の機能を持たせる」ことでパーツ点数を減らす等の努力を行っています。
両者のターゲットは「ピュアエレクトリックスポーツカー」
今回の提携内容については「ピュアエレクトリックスポーツカーの開発」に集中するとしており、つまりは両者にて共同開発したエレクトリックスポーツが数年後には登場する可能性も(もしくはそれぞれが技術を持ち帰り、別々のクルマを開発するのかも)。
現時点ではなんら確実な情報はないものの、両者の目指す部分は多くで一致しており、アルピーヌ側はロータスが「エヴァイヤ」で培ったエレクトリック技術、そしてロータスの「ハンドリングセットアップ技術」を入手できる、ということに。
反面、ロータスが得るものは何だろうなと考えたりしますが、もちろんロータスもアルピーヌ、そしてその親会社であるルノーの持つ「何か」に魅力を感じているということになりますね(現在、ロータスは豊富な資金を持つ吉利汽車傘下にあるので、開発資金を要しているわけではないものと思われる)。
アルピーヌは「2025年までに利益の出るブランド」へ
なお、アルピーヌは鳴り物入りでデビューしたものの、なかなか販売が思うように進まず、一度は廃止も囁かれたほど。
ただしそのクルマの出来は高く評価されており、ゴードン・マレーも「アルピーヌA110がベンチマーク」と語ったくらいです。
ちなみに「あまり売れていない」のは販売拠点が少ないからなんじゃないかと考えていて、日本においてももっと拠点を増やし、ルノーディーラーの中に「インハウス」形式であってもアルピーヌの販売拠点を増やしてゆけば事情が変わるのかもしれません。
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それはさておきですが、ルノーはアルピーヌを「廃止」ではなく「利益の出るブランドへ」変更しようと考えたのは喜ばしい限りで、まずはF1はじめモータースポーツにて勝利を量産し、その結果として市販車の販売を有利に進めようというビジネスモデルを考えている模様。
名付けて「ミニ・フェラーリ」作戦とも言われていますが、このためにもロータスの持つ技術は大きく貢献するのかもしれませんね。
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