| 場合によっては修理するよりも新しいシャシーへとパーツを移植したほうが安く上がるようだ |
ヒストリックカーのイベントやレースでのクラッシュは損害額が大きくなりがち
さて、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、ポルシェ962Cがバリアに激突する映像がYoutubeにて公開。
幸い、ドライバーに大きな怪我はなかったと報じられるものの、車両のほうは大きくダメージを受けています。
アップロードされた動画の説明文では、この車はシュタインマン・モータースポーツのウェブサイトで紹介されていた車と同じ個体だと説明されており、同サイトによると、この車は、当時チーム・ポルシェのチーフメカニックを務めていたクレーマーのギュンター・ティーレ氏の助けを借りて製作されたもので、アメリカ製の新しいシャシーに、ドイツ中から調達した部品を組み込んでいる、とのこと。
事故はこうやって起こった
事故は、スタート・フィニッシュ・ストレートに向かう最後のシケインの後に起こっていますが、このタイトなシケインでは、スパ・フランコルシャンで最も有名な(そして危険な)コーナーであるオー・ルージュよりもかなり低い速度で走行することになるため、ここでの事故はまだ「幸い」だったのかもしれません。
クラッシュの状況はフェンス越しに撮影されており、シケインをうまく回れずバリアに激突する様子が収められています。
そしてバリアに弾かれ・・・。
バリアの反対側へと弾かれます。
フロントが見事に吹っ飛んでいますが、コクピットはしっかりと形状を留めていて、さすがに高い安全性を持つこともわかりますね。
その後は飛散したパーツとともに運ばれることに。
デンプシー・モータースポーツのウェイン・R・デンプシーと名乗る人物による(動画への)コメントだと、このポルシェ962Cの修理代は "20万〜25万米ドル、あるいはそれ以上 "にもなると指摘しており、つまり修理代のみでスーパーカーが一台買えそうだということになりますが、場合によっては全部分解して細部までチェックせねばもとの性能を発揮できない場合もあるといい、となると「新しいシャシーを作ったほうが割安」とも。
この個体については、レース参戦や入賞の履歴が残っていないためにその価値を算出するのは難しいものの、動画のタイトルにある「120万ドル(約1億4000万円)」は(履歴がないことを考慮しても)妥当な範囲だといわれ、非常に残念な事故ということになりますね。
ポルシェ962Cは1985年に実戦投入されたレーシングカーで、フラットシックス・ツインターボエンジンを車体ミッドにマウント。
ワークス用として14台、カスタマー向けに60台が製造されたという記録が残り、ル・マン24時間レースで活躍したほか、バブル期の日本では「シュパンポルシェ(正式名称はポルシェ シュパン962C)」が企画されたこともよく知られていますね。
ポルシェ962Cがクラッシュを喫する動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=-dXUB8vVVVo合わせて読みたい、ポルシェ962C関連投稿
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