ポルシェ718ケイマンGT4 RS「クラブスポーツ」発表！先代比で75馬力アップ、GT4選手権を席巻しそうなハイパフォーマーがここに誕生

｜　718このケイマンGT4RSクラブスポーツよりも高いポテンシャルを持つGT4マシンはそうそうないだろう　｜

出力は先代718ケイマンGT4から75馬力アップ

さて、ポルシェが718ケイマンGT4 RSのレーシングバージョン、「718ケイマンGT4 RSクラブスポーツ」を発表。

718ケイマンGT4/GT4クラブスポーツ発表の際とは異なって「同時」での発表となりますが、この718ケイマンGT4RSクラブスポーツはIMSAミシュランパイロットチャレンジやSROレーシングシリーズなど、世界中のGT4選手権に参戦することが可能です。

なお、718ケイマンGT4から718ケイマンGT4RSへのパフォーマンスアップを見るに、レーシングバージョンである718ケイマンGT4RSクラブスポーツについても、718ケイマンGT4クラブスポーツとは比較にならないほどの戦闘力を持つと考えるのが妥当かもしれませんね。

7ケイマンGT4クラブスポーツはこれまでに500台を販売

なお、今回発表された718ケイマンGT4 RSクラブスポーツは、2016年に登場し500台を販売したケイマンGT4クラブスポーツ、2019年に発売が開始された718ケイマンGT4クラブスポーツの後継モデルという位置づけとなり、先代同様に多くのコンポーネントをロードバージョンの718ケイマンGT4 RSから受け継いでいます。

外観自体も（素材の変更や、競技規定に沿った変更があるものの）718ケイマンGT4 RSに準じており、しかしフロントスプリッター、リアウイング、リアクォーターウインドウ上のインテーク等に若干の差異があるもよう。

そのほか、夜間のレースに対応したヘッドライトへの変更、競技規定に沿った給油口の設置、騒音規制の厳しいサーキットに対応するため2種類のエキゾーストシステムを用意しているほか、ルーフ上のエスケープハッチといった装備も追加されています。

レーシングカーといえどもエコな時代

そしてボディワーク（ドア、リアウイング、フロントリッド、フェンダー、エアロパーツ）とステアリングホイールのほとんどに、カーボンファイバーに代わるサステイナブルな素材である軽量天然繊維複合材（亜麻系繊維）を使用しており、こちらは先代ケイマンGT4クラブスポーツに比較してぐっと使用範囲が拡大しているようですね。

ポルシェは現在、この素材をモータースポーツでのみ使用していますが、将来の市販車に使用する可能性についても触れており、近いうちにロードバージョンの「RSモデル」に採用されたりするのかもしれません。

ミッドマウントされる自然吸気4.0リッターフラットシックスは、911 GT3カップから拝借したもので、最高出力500ps（373kW / 507PS）、最大トルク343lb-ft（465Nm）を発揮し、最高回転数は9,000rpmにも達します。

これは、3.8リッターユニットを搭載する先代とモデルと比較して、75馬力（56kW / 76PS）と30lbft（41Nm）の向上となり、トランスミッションについては、従来の6速に代わり、ギア比を短縮した7速デュアルクラッチPDKが採用され、リミテッドスリップディファレンシャルを経て後輪にパワーを送ります。

サスペンションについては、ハンドリングを向上させるため「（ポルシェいわく）広範囲に渡って強化」されており、ロードバージョンの718ケイマンGT4RSと大きく異なっており、718ケイマンGT4 RSクラブスポーツでは、新しいダンパー技術とバルブ特性を改善した2ウェイ・レーシング・アジャスタブル・ショックアブソーバー、両軸で3段階のレート変更ができるスプリング、調整可能なダブルブレード・アンチロールバーを装備し、さらには車高、キャンバー、トーの調整が可能です。

ブレーキシステムには、ベント＆スロット加工が施された380mmディスクが装備され、専用にプログラムされたABSとポルシェ・スタビリティ・マネージメント・システム（トラクション・コントロール・スイッチ付き）が搭載されています。

安全装備としては、車体に直接溶接されたロールケージ、6点式ハーネスを備えるレカロ製レーシングシート、消火器システム、内蔵型エアジャッキシステム、115リットル（30.4ガロン）のFT3燃料電池などがあるそうですが、これらはすべてFIAの基準に準拠しているといい、さらにSROレーシングシリーズで要求されるドライバー側の追加フォームも装備されています。

ポルシェ718ケイマンGT4 RSクラブスポーツの発表中継動画はこちら

参照：Porsche