| アルファロメオSZは「いつかは欲しい車」のリストには入っているが |
現在では価格が著しく高騰し、入手が非常に難しくなった
さて、FCAクラシケ(フィアット・クライスラー車のレストア部門)がアルファロメオSZをレストアし、その美しい姿を公開。
このアルファロメオSZはバロッコのテストサーキットで使用された元ワークスカーで、このクルマの初期のオフィシャルフォト撮影にも使用されたものだといい、ウッド製ステアリングホイールや、ブラックからホワイトにダイヤルが変更されたメーターなど、市販モデルとはいくつかの違いがある、とのこと。
アルファロメオSZはこんなクルマ
アルファロメオSZは1989年のジュネーブ・モーターショーにて発表され、その後1989-1991年の間に1,036台が製造されています。
その特異なルックスから「イル・モストロ(怪物)」というニックネームでも親しまれますが、そもそも「SZ」は「Sprint Zagato」の略で、当時は「もっともパワフルなアルファロメオ」でもあり、さらには「重量配分前後50:50」、「コーナリングは1.2Gまで耐えることができる」「トランスアクスル」など数々のセールスポイントを持っていた車でもありますね。
搭載されるエンジンはアルファロメオ75にも積まれていた3000ccですが、20馬力ほど出力が向上して210馬力を発生し、トランスミッションは5速マニュアルのみ。
リアブレーキに特徴があって、ドライブシャフトにブレーキローターが取り付けられ、それをキャリパーによって挟み込んで制動力を発揮させる形式である、とものの本で読んだ記憶があります(つまりブレーキキャリパーはホイールの中ではなく、車体側にある)。
日本では「僕らがポルシェを愛する理由」の著者である山川健一氏がポルシェの後に選んだ車両としても有名でもありますね。
この特徴的なデザインはカロッツェリアやコーチビルダーによるものではなく、アルファロメオのチェントロ・スティーレ(スタイルセンター)にてロバート・オプロン氏が完成させたインハウス製であり、当時としては珍しくCAD/CAMによるモデリングを採用して設計されたと言われ、一見するとブロックのようなデザインではありますが、そのルックスとは裏腹に、当時としては極めて低い空気抵抗係数を実現していることでも知られます。
ちなみに1,036台すべてがロッソ・アルファ130(レッド)のボディにグリジオ・スクーロ633(ブラック)のルーフを持っており、オープン版の「RZ」が別途278台製造されています(RZはイエローの個体を見たことがある)。
アルファロメオSZのレストアに際しては完全に分解
そしてFCAクラシケはアルファロメオSZのレストアに際して完全に車体を分解しており、内外装を完全にリフレッシュ。
トリノにあるFCAクラシケは2015年にその業務を開始しており、アルファロメオ、フィアット、ランチア、アバルトといったFCA傘下にある各ブランドのクラシックモデルの完全なレストアと認証を手掛けています。
つい先ごろまでコロナウイルスのパンデミックによって一時休止していたそうですが、それも一段落した今、再びカスタマーカーやヘリテージカーをよみがえらせる作業に取り掛かっているようですね。
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参照:FCA Heritage