アストンマーティン・ヴァルキリーAMR Proの「顧客向け第一号」が納車！オーダーしたのはレーシングチーム、ボディ色は「チームカラー」に

2022/05/19 2022/12/20

｜　アストンマーティンはヴァルキリーのようなハイパーカープロジェクトを再び実現する気は無いようだ　｜

この記事のコンテンツ

ヴァルキリーは自動車史的に見ても”非常に稀有な”クルマとして今後語られることになるのかも

さて、アストンマーティンは開発に膨大な時間をかけたハイパーカー「ヴァルキリー」をようやくデリバリーし始めたところですが、今回早くもそのサーキット走行専用バージョン「ヴァルキリーAMR Pro」の顧客スペック第一号が納車されたと報じられています（となると、ロードゴーイングバージョンのヴァルキリーの生産を終えた後にヴァルキリーAMR Proを製造するのではなく、両方を並行して作っているようだ）。

そしてこのヴァルキリーAMR Proのシャシーナンバーは「14」、そしてレーシングチームである「The Heart of Racing」が実際にレースで使用しているアストンマーティンと同じ「サテン・ミン・ブルー」にペイント済み。

アストンマーティンはヴァルキリーAMR Proにて世界各地のサーキットに挑戦するというが

なお、アストンマーティンはこのAMR Proにて世界各地の主要サーキットを攻略するともコメントしており、今後は世界各地で「コースレコードを更新」という声が聞こえるかもしれません。

ただ、公道走行ができないサーキット走行専用モデルなので「市販車最速」を謳うことはできず、しかしアストンマーティンはヴァルキリーAMR Proのラップタイムについて「F1マシンや、ル・マン用LPM1レーサーよりも速い」とも公言しているので、そのタイムがいかほどなのかは非常に興味のあるところ。

フロントそしてリアのウイングは非常に特殊な形状を持っていて、よくほかの「サーキット走行専用ハイパーカー」にて見られる、「公道仕様にコンバート」というような芸当はちょっと無理かもしれません。

こうやって見るとオープンホイールのレーシングカーに「カウルを取り付けた」という印象。

コクピットは開口部とともに非常に狭く、しかしアストンマーティンによると、「成人の約90％の体型をカバーする」とのこと。

アストンマーティン・ヴァルキリーのようなクルマはもうできない

ちなみにアストンマーティンCEOは7月末にトビアス・ムアーズ氏から（フェラーリ出身の）アメデオ・フェリーザ氏へと交代することがアナウンスされていますが、現在のアストンマーティンのオーナー、ローレンス・ストロール氏によると「ヴァルキリーのような、お金と時間がかかるプロジェクトは今後ないだろう」。

なお、ヴァルキリーは前CEOであるアンディ・パーマー氏がスタートさせたもので、開発に多大な時間と費用を要したことから大きくアストンマーティンの収益を圧迫したとも言われますが、こういった状況を鑑みるに、ヴァルキリーは「アストンマーティンの歴史上、非常に珍しく、また類を見ないクルマということになりそうですね。

: メルセデスAMGからやってきたアストンマーティンCEOがわずか2年で退任の憂き目に。どうやら再建計画の遅れの責任を問われたようだ・・・新CEOはフェラーリから

｜欧米企業はとにかく業績にシビアであり、わずかなミスも許してくれない｜そのぶん報酬も巨額にのぼりハイリスクハイリターンといったところかアストンマーティンが、「2年の間CEOを努めたトビアス・ム ...

続きを見る