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ポルシェが新型911 GT3 R(レーシングカー)を発表!「速く走る」だけでなく「いかに速く走り続けるか」にこだわり、シートベルトの改良で「ドライバー交代を1秒速くできる」

ポルシェが新型911 GT3 R(レーシングカー)を発表!「速く走る」だけでなく「いかに速く走り続けるか」にこだわり、シートベルトの改良で「ドライバー交代を1秒速くできる」

| ポルシェはレーシングカーのみではなく、レース全体を見て車両を開発している |

たしかに勝つためには「生き残る」ことがもっとも重要

さて、ポルシェが2023年モデルの新型911 GT3 R(レーシングカー)を公開。

最新の992世代の911をベースにしており、565PSを発生する新型エンジン、安定したエアロダイナミクス性能、最適化された車両バランスが大きな特徴だとアナウンスされています。

もちろんGT3クラスのレギュレーションにマッチしており、2023年開幕戦から使用できるそうですが、911Rはもともとプロフェッショナルはもちろん、いわゆるジェントルマンドライバーのためのドライバビリティをさらに向上させ、異なるバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)クラスのためにより大きな性能を引き出すことに優先的に取り組まれ、ランニングコストを削減することにも重点が置かれています。

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ポルシェ911 GT3Rはこれまでにも輝かしい戦績をあげている

そしてポルシェ モータースポーツのセールスディレクター、マイケル・ドライサー氏によれば「新しい911 GT3 Rには大きな使命があります。先代911Rは、2019年からの4シーズン、GT3シーンにおいて勝てるものはほとんどすべて勝っています。その際立った成功には、ニュルブルクリンクの24時間レースでの総合優勝や、スパ・フランコルシャンでの優勝が含まれます」。

Porsche-911-GT3R

先代が成功を収めたからこそ新型の開発ハードルは高かったといい、ポルシェが新型911GT3Rにおいて心がけたのは「新しい911GT3Rを単に速くするよりも、”長く”速く走らせることができるようにすること」であり、そのためにはドライバビリティの向上に重点を置くことになりますが、4.2リッターエンジン(4リッターから排気量が増加している)のパワーバンドを広く取り、より安定した一定の空力特性、リアタイヤへの低負荷ついて重点的に改良が施されることに。

ちなみにエンジンは自然吸気、リアマウントを維持しており、トラクションとブレーキング性能を向上させますが、このエンジンは5.5度前方に傾けられることでアンダーボディディフューザーのためのスペースが確保されています。

オルタネーターやエアコン・コンプレッサーなどの補助ユニットは、エンジンとギアボックスの前方へと1メートルほど移動し、さらに下方に配置されることで重量バランスを最適化した、とのこと。

Porsche-911-GT3R-1

そのほか、「フロントアクスルのセンターピボットポイントの位置を最適化によってリアディフューザーへの空気の流れを最適化」「ホイールベースを2,459mmから2,507mmに延長することでリアタイヤへの負荷を軽減」「AP製ブレーキシステムに第5世代レーシングABSを採用」「ショックアブソーバーにKW製を採用し、シムを使用することで容易に調整が可能」といった改良ポイントが挙げられています。※ボディサイズは全長4,619ミリ、全幅2,039ミリ(フロントアクスル)/ 2,050ミリ(リアアクスル)

2023-Porsche-911-GT3-R-1

ポルシェの場合、市販車とレーシングカーとが非常に近い位置にある

この新型911GT3Rは、ポルシェ モータースポーツによる(現行の992世代911をベースにした)レーシングカーとしては、911GT3Cupに次いで2台目となりますが、911GT3Cup同様、ボディについては市販モデルを踏襲しており、基本骨格はアルミニウムとスチールの複合設計、しかしフロントとリアのリッド(フード)、ドア、サイドパネル、リアウィング、ルーフ等ほぼすべてのボディコンポーネントには軽量なカーボン製が使用され、ホイールアーチにはアラミド繊維が使用されています。

ポルシェの場合、市販車をレース用へと転用したとしても(もちろんレギュレーションの関係もありますが)市販モデルからの変更点が少なく、そのために車両価格も比較的抑え気味で、消耗品のパーツ単価も低いと言われ、ここがカスタマーとくにジェントルマンドライバーから大きく支持を集める理由なのかもしれませんね(レースをするならポルシェが最も安価に、そして速く走れるとも言われる)。

2023-Porsche-911-GT3-R-8

そしてポルシェは比較的早い段階からレーシングカーにエアコンを装着しており、現在この動きは他の自動車メーカーにも拡大しているほか、「整備性」「安定した走行性能の発揮」という点においても他自動車メーカーのレース用車両がポルシェを目指すところだと思います。

もちろん安全面・操作性においても妥協はない

もちろん新型ポルシェ911Rは安全性・操作性の面においても妥協はなく、シートは車体中央に近い位置に移動し、これによって「より人間工学に基づいた」シートポジションを確保でき、さらには新型ロールケージと新開発のFIA側面衝突保護装置も導入。

先代同様にステアリングホイールとペダルはドライバーに合わせて調整することが可能で、6点式セーフティハーネスを見直すことで着脱が容易となり、ドライバーチェンジのためのピットストップを約1秒短縮した、とのこと(ポルシェはかつてのル・マン方式のスタート〜ドライバーがレーシングカーに走り寄ってスタートさせる〜に対応するためにキーシリンダーをシフトノブと反対側に装着し、エンジン始動とシフトチェンジを”左右の手で”ほぼ同時に行えるようにすることで素早いスタートを可能としている)。

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そのほかステアリングホイールのデザインも先代からさらに改良され、最新世代の911GT3Cupや911RSRのレースカーにて実証された要素が取り入れられており、10.3インチのディスプレイは911GT3カップから、マルチスイッチのコンセプトはル・マン24時間レースのクラスの優勝車からフィードバックを受けたものだと紹介されています。

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参照:Porsche

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