イーロン・マスクがテスラ品質チームに宛てた社内メールがリーク。「サイバートラックの公差はミクロン単位で調整されるべきだ。レゴや缶飲料を見習うといい」

｜　実際の製品がどうであるかは別として、イーロン・マスクCEOは完璧主義者でもある　｜

このメールを見たテスラの品質チームは「眠れない日々」を過ごしたことだろう

さて、最近になって急速にそのプロトタイプがあちこちで目撃されるようになったテスラ・サイバートラック。

発表から4年近くが経過してようやく発売に至るといったところですが、ほか自動車メーカーのEVであっても「4年」はザラといった感じなので、いかに予定から遅れたといえども「4年で全く新しいクルマを発売することができた」のはまだいいほうなのかもしれません。

そしてイーロン・マスクCEOはつい1日前、サイバートラックの"生産候補車 "を運転してきたところだと自身のX（旧ツイッター）へとアップしており、かつサイバートラックを同社の "史上最高の製品 "と表現しています。

Just drove the production candidate Cybertruck at Tesla Giga Texas! pic.twitter.com/S0kCyGUBFD

— Elon Musk (@elonmusk) August 23, 2023

イーロン・マスクCEOはサイバートラックの生産に関し「非常に高い精度」を求める

そして今回、サイバートラック専門掲示板「Cybertruck Owners Club」にて、「サイバートラックの製造公差に関しイーロン・マスクCEOが従業員に宛てたメール」が公開されていますが、その内容としては「パネルの調整は10ミクロン以下の精度で行わねばならない」「サイバートラックのフィットと仕上げに細心の注意を払い、高水準の品質を確保するよう製造チームに要求する」というものですが、およそ全文は以下の通り。

「サイバートラックはその性質上、ほとんどがストレートエッジのブライトメタルでできているため、寸法のばらつきが目立つ。

この車両のすべての部品は、内部で製造された部品であろうとサプライヤーからの部品であろうと、10ミクロン以下の精度で設計・製造される必要があります。

つまり、部品の寸法はすべてミリメートルの小数点以下第3位まで、公差は1桁ミクロン単位で指定する必要がある。非常に低コストのLEGOやソーダ缶でこれができるのなら、私たちにもできるはずだ。

精密さは完璧主義を意味する。

イーロン

なお、サイバートラックのボディパネルはステンレスにて出来ており、これは錆びにくく頑丈という性質を持つ反面、製造という観点から見ると「自動車用としては非常に不向き」。

なぜかというと復元力が高くきれいに折り曲げること、そして折り曲げた後にその形状を維持することが極度に難しく、予期した形状に加工したり、その状態を保つことが困難な素材です。

そういった素材を使用するにもかかわらず、「ミクロン単位の精度を維持しろ」というのは無理難題にも程があるという印象ではありますが、実際にこのステンレスボディをまとって発売に至るということは「テスラの技術チームは、イーロン・マスクCEOからOKをもらえた」ということなのかもしれません。

ただ、昨日公開されたサイバートラック「生産候補車」の画像を見るに、その公差は小さいとは言えず、ボンネットとフロントフェンダー、フロントフェンダーとフロントパネル、ドア上部と下部の隙間の差などを見るに「チリが合ってない」という印象も。

このあたり、テスラがどう乗り越えてくるのかは興味のあるところですが、刻々と迫る納車イベント、そしてそこでお披露目される「市販モデル」には期待がかかるところです。

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参照：Cybertruck Owners Club