| ホンダはたしかに「失った」ものも大きかったが、信念を貫くことで得たものもそれ以上にあるはずだ |
それにしてもホンダの安全に対する意識の高さには驚かされる
さて、映画「トップガン」はハリウッド映画における金字塔とも言える作品ですが、そこには「ポルシェ」「カワサキのバイク」「IWCの腕時計」といったアイコニックなプロダクト、そしてそれらを使用した印象的なシーンが展開されています。
そして今回、ホンダが北米にて自社の博物館「アメリカン・ホンダ・コレクションホール」を開設した際に自ら語ったのが「トップガンの制作陣からバイクの提供をオファーされたが、ある理由にて断った」という事実。
ホンダはなぜ「トップガン」へのバイク提供を断ったのか?
まず、最初の「トップガン」は1986年に公開されており、そこでピート”マーヴェリック”ミッチェル(トム・クルーズ)がケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」に合わせて戦闘機と並走するシーンで使用されたのがこのカワサキGPZ900R。
今回の逸話は、「このシーンに使用されるバイクは、カワサキではなくホンダになるはずだった」というものです。
そして次作となるトップガン マーヴェリックに登場したのが「ニンジャH2(もちろん前作とのシンクロニシティを考慮しての選択である)」。
なお、トップガン マーヴェリックでは前作へのオマージュが多数盛り込まれており、よってトム・クルーズの着用するジャケット、そしてポルシェ911、カワサキGPZ900Rといったおなじみのモノたちも登場しているわけですね。
-
【動画】ポルシェと「トップガン マーヴェリック」とのコラボムービーが公開!ポルシェのスポーツモデルが総出でトム・クルーズを応援
| このところ、ポルシェは「映画づいている」ようだ | そしてまた、トム・クルーズとポルシェとの相性も非常にいい さて、2022年5月27日に日米同時に公開される映画「トップガン マーヴェリック」。こ ...
続きを見る
そこで今回ホンダが語ったのが「安全性への配慮から、トップガンへの製品供給を断っていた」ということ。
まずトップガン制作陣が選定したバイクはカワサキではなくホンダであったといい、よってホンダへと「映画の中で魅力的なプロダクト・プレースメントを提供する」ことを見返りとして示すとともにバイクの提供を依頼したのだそう。
当初ホンダはこの提案に対して前向きであったようですが、話が進んで「映画の中ではヘルメットを装着しない」ということが明らかになると同時にホンダはトップガンへのバイクの提供に対して懸念を示し、結果的に「辞退」することとなっています。
なお、当時のカリフォルニア州ではバイクのヘルメット着用に関する法律が定められておらず、よってこのシーンは完全に合法だったものの、それでもホンダは「利益や合法性よりも安全性を重視した」ということになりそうです。
参考までに、一方のカワサキは映画「エリジウム」にて登場した強化外骨格の製造元という設定でもあったので、けっこう映画への協賛に対しては前向きな会社であるのかもしれません(事前に発表されたビジュアルでは”Kawasaki”のロゴが強化外骨格に確認できたが、実際の劇中では確認できなかった)。
-
参考【動画】トム・クルーズが「トップガン」公開の年に購入したポルシェ911タルガが競売に登場!まず購入しておいて間違い無しの資産だと言えそうだ
Photo:Bring A Trailer | ただしトム・クルーズがこのポルシェ911を所有していたのは8ヶ月のみ | 現在エアコンは不動だが、パワートレインはリビルト済み、内外装もレストア済み さ ...
続きを見る
ホンダは常に安全性を重視している
なお、ホンダは「バイクと人が一緒に写っている公式画像(バイクに乗っているか、もしくはバイクの横に立っている状態)」においては必ずヘルメットとバイクを一緒に収めているのだそう。※ホンダ公式コンテンツを見る限り、1960年代はじめのホンダの広告ではヘルメットを被っていないが、1966年の広告ではすでにヘルメットを装着している様子が確認できる
もちろん現代のオフィシャルフォトでは走行中にヘルメットを被るのはもちろん・・・。
バイクから降りた状態であってもヘルメットがバイクと一緒に写っていますね。
そしてホンダが提供するサブコンテンツ「原付きクラブ」内の”ネコダ日誌”においても、やはり降車時にヘルメットを持っています。
まさかここまでホンダが安全装備を重視しているとは・・・。
そして鳥獣戯画風のキャクターを使用して展開する原付二種に関するコンテンツでも(人間でなくとも)ヘルメットを着用。
ホンダの安全に対するこだわり、そして制作するコンテンツに対する監査体制がしっかりしていることを伺わせます。
「トップガン」への協賛を断ったことで失ったものは大きかったのかもしれませんが、一方でホンダが信念にもとづいて行動してきた結果、これまでに得た名声、そして信頼はそれを補ってあまりあるものだと認識しており、ますますホンダへの想いが強まるエピソードだと思います。
合わせて読みたい、ホンダ関連投稿
-
【動画】なんか生きる勇気が湧いてくる。ホンダがボクらに「いかに挑戦が大きな意味を持つか、いかに夢が大切か」を教えてくれるCMを公開
| 思えば、ホンダはどこにも属さず、自分たちの信念を貫いてきた | そしてホンダの歴史とは、チャレンジの連続とその結果でもある さて、ホンダが米国にて新しいブランドマーケティングキャンペーン「Orig ...
続きを見る
-
シビックは今月でちょうど50周年、ホンダが記念映像を公開!ホンダの動画はいつも見ていて勇気づけられるものばかりだな・・・
| ホンダほどその想いが魂に訴えかけてくる自動車メーカーは他にない | ただし近年はあまりに不幸続きなところがちょっと残念 さて、ホンダがシビック50周年を記念し1本の動画を公開。初代シビックは197 ...
続きを見る
-
【動画】ホンダがNSXファンの想いを込めたメモリアル動画を公開!初代NSXが欲しくてたまらなかったボクが「NSXとはどんなクルマだったのか」を語ってみる
| これまでにも「名車」といえるべき日本車がたくさん登場したが、やはりホンダNSXは格別だ | ホンダNSXほどエンジニアの情熱、ホンダのチャレンジ精神が詰まったクルマも他にない さて、NSXは最終限 ...
続きを見る