| 通常、中国ではこういったたぐいのクルマは好まれない |
大きく豪華で快適、そしてハイパワーなEVが一般的に現地で好まれる
さて、昨年10月には中国のSSC(スモール・スポーツ・カー=小跑车=XiaoPaoChe)なる新興EVメーカーがSC-01というコンパクトなスポーツカーの計画を発表していますが、1年の時を経てその生産モデルが公開されることに。
テスラ・ロードスターとランチア・ストラトスとをかけあわせたかのようなルックスは変わらず、「2023年に発売し、2023年第4四半期から生産を開始する」という予定も当時のまま(新興EVメーカーがちゃんと予定を守るのは世界的に見ても珍しい)。
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SSC SC-01はこんなクルマ
このSSCの背景について触れてみると、創業者であるFeng Xiaotong氏はもともとチャイナ・カー・カスタムというチューニング会社を運営しており、そこへシャオミが投資することでスモール・スポーツ・カー(SSC)が誕生しています。※シャオミ創業者はSSCの取締役の一人である
そしてこのSSC SC-01は435馬力を発生するエレクトリックモーターを2基搭載したピュアEVで、その重量はわずか1,370kg、ボディサイズは全長4,105ミリ、全幅1,830ミリ、全高1,160ミリ、ホイールベースは2,500ミリ。
「大きな車」「ハイパワーEV」が大好きな中国には珍しく「コンパクトで、ほどほどの馬力に抑えられているEV」ということになりますが、0−100km/h加速3.5秒というまずまずのスペックを掲げることに。
ちなみにバッテリー容量は容量は60kWh(割と大きい)、一回の満充電あたり航続距離は520km、バッテリー容量の30%から80%までを25分で充電できるとされています。
ポルシェ911と並ぶといっそうそのコンパクトさが際立ちますね。
そしてチューニングカンパニーが手掛けるクルマだけあって「本気」の構造を持っていて、車体構造はなんと「鋼管スペースフレーム」。
EVではあるものの「スケートボード型」シャシーではなく、バッテリーはシート後方に積まれる「チェスト型」を採用し、つまりミドシップカーのようなバランスを持つということに。
フロントアクスルに6ピストン、リアアクスルに4ピストンのブレーキキャリパーと350mmのディスクとを組み合わせており、サスペンションはレーシングカーよろしくプッシュロッド。※SSCいわく、このブレーキシステムはポルシェ911GT3よりも優れているとのこと
SScSC-01のインテリアは大型LCDインストルメントクラスターとフラットボトム型3スポークステアリングホイールを備え、非常に簡素という印象です(このあたりはアルファロメオ4Cっぽい)。
エアコン、フロントワイパー等を操作するスイッチは「ルーフ」内張りにマウントさているといい、なかなかにユニークなレイアウトを持っていると言っていいのかも。
シートはカーボンファイバー製の「レーシングバケット」が装備され、あらゆる面で「高級、豪華、快適」が好まれる内装とは異なり、かなり面白いクルマだと思います。
ちなみに価格は(昨年の時点で)30万元(日本円だと600万円くらい)を目指すとコメントされていますが、実際には昨今のインフレによってもう少し高くなるのかもしれませんね。
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