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【内紛抗争】ホンダ三部社長に対し元最高経営陣が「辞任」を迫っていた事実が明らかに。70年で初の赤字転落と2.5兆円のEV大誤算で揺れる名門の未来

ホンダ車のエンブレム(N-BOX)
Life in the FAST LANE.

| 表舞台の「EV戦略見直し」の裏で進行していた、緊迫のリーダーシップ危機 |

「赤字」の裏で揺れに揺れるホンダ

自動車業界が100年に1度の大変革期を迎える中、日本を代表する名門・ホンダ(Honda)の社内で、かつてない規模の激震が走っていたことが明らかに。

2021年の就任以来、「2040年までに世界販売する新車を100%EV(電気自動車)またはFCV(燃料電池車)にする」という大胆な公約を掲げ、業界のトップランナーとして急進的な電動化を牽引してきた三部敏宏社長。

しかし世界的なEV需要の急減速や、米国の政権交代に伴うEV補助金撤廃などの荒波を受け、ホンダは2025年から2026年にかけ、これまで進めていた複数のEV計画の凍結や中止を相次いで発表することとなったのは御存知の通り。

実は、この「EV路線の大修正」という表舞台のニュースの裏側で、ホンダの元経営トップたちによる「三部社長降ろし」のクーデターとも言える極秘の動きが進行していたことがロイター通信等の調査報道によって明らかになっており、一歩間違えれば社長交代に発展していたホンダ経営陣の緊迫した内紛劇について、そして気になる今後のホンダの行方について考えてみましょう。

ホンダ プレリュードのホイール(ブラック)とエンブレム
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ホンダ プレリュードのフロントとエンブレム
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この記事の要点

  • OBによる退陣要求: ロイター等の報道により、ホンダ(本田技研工業)の元CEOら有力OBグループが、現職の三部敏宏社長に対し極秘裏に辞任を迫っていた事実が発覚
  • 70年ぶりの歴史的赤字: 急進的なEVシフトに伴う北米プロジェクトの中止・撤退、中国市場でのシェア急落が響き、ホンダは上場以来約70年ぶりとなる初の自動車部門年間赤字を記録
  • 総額2.5兆円の巨額損失: ソニーとの共同EV「アフィーラ」の進捗停止や、ホンダ「0シリーズ」の一部開発凍結などで計2兆5000億円規模の減損や補償が発生
  • 取締役会は三部氏を支持: 4月に元CEOの川本信彦氏が本社を訪れ直接辞任を迫るも三部氏は拒否。社外取締役を中心とする指名委員会が三部社長の続投を支持し、30%の役員報酬返上で一旦は決着
  • 今後の商品計画への影響: アコードのスポーツ路線への大刷新やV6次世代ハイブリッドの開発が進む一方、オデッセイやHR-V(ヴェゼル)の現行型が2030年頃まで延命されるなど、車種展開に大きな変化

元CEO川本氏が本社に乗り込み「直談判」した内幕と、OBたちの不

報道によると、ことの始まりは昨年末。ホンダの退職した元エグゼクティブたちが私的に集まり、スマートフォンのメッセージ機能や会合を重ねながら、現経営陣に対する強い不満と「告発文」をまとめ始めたといい、彼らが最も問題視したのは以下の3点です。

  • 「現場(ゲンバ)主義」の喪失と中国市場での大失速:かつてホンダが世界をリードできた原動力である「現場に足を運び、顧客の声を聞く」という創業の精神(オヤジの教え)が軽視されていると批判。特に最大市場である中国において、経営陣が現地を視察せず、現地の変化への対応に遅れた結果、2020年に約8%あった市場シェアが直近では3%未満にまで急落してしまう
  • EV一辺倒の「大誤算」による巨額損失:自前での開発にこだわりすぎた結果、EV需要の冷え込みに対応できず、北米向けに開発中だった新型EV「0シリーズ」の一部や、ソニーと共同開発していた「Afeela(アフィーラ)」の計画変更を余儀なくされ、部品サプライヤーへの補償などを含め2年分で総額2兆5000億円規模の損失を招いたこと。これにより、ホンダは上場以来約70年ぶりとなる歴史的な自動車部門の通期赤字へ転落する
  • プライオリティの履き違え:本業が危機に瀕しているにもかかわらず、社長が女子プロゴルファーのスポンサーシップといったスポーツ支援活動に熱心であるなど、優先順位が間違っているのではないかという不満
ホンダの中国販売が「48%減」、かつて人気のフィットやZR-V、アコードの生産を終了し在庫整理へ。工場閉鎖に生産縮小、中国市場での存亡の危機に立たされる

| ホンダが中国で直面する「存亡の機」:主力車種が続々と姿を消す理由 | 現在、ホンダは「ワールドワイド」にて苦しい状況が伝えられるが ホンダが中国市場において、かつてない規模の構造改革を余儀なくされ ...

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ホンダのキー
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そして2026年4月、ついにしびれを切らした1990年代のホンダを率いた元CEO・川本信彦氏(※ホンダの危機にこれまでも影響力を行使してきた重鎮)が、東京・八重洲のホンダ本社を直々に訪れ、三部社長に対して「責任を取って辞任すべきだ」と引導を渡したとのこと。

しかし、三部社長はこれを拒否。現代のコーポレートガバナンスにおいて、かつてのような「OB(相談役・顧問)による院政」の影響力は低下しており、4人の社外取締役を交えたホンダの取締役会・指名委員会が三部氏の経営手腕と軌道修正プランを支持したため、最終的に三部社長が3ヶ月間の役員報酬30%を自主返上することでこの退陣要求を切り抜けたのだ、と報じられています。

参考までに、ホンダが自動車部門で赤字を出した一方、実は二輪(バイク)部門は過去最高となる約46億ドルの利益を叩き出しており、「バイクの利益でクルマの赤字を補填している」という社内的な歪みが緊張を生んでいたことも今回の「退任要求劇」の背後にあったのでは、と言われているようですね。

ホンダの次世代ハイブリッドコンセプトカー「Honda Hybrid Sedan Prototype」
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ホンダの今後の戦略・車種展開スペック、およびライバルとの位置付け

この未曾有の経営危機と内紛を経て、ホンダは生き残りをかけた「現実的な商品ポートフォリオの再構築」へと大きく舵を切っているというのが現状で、急激なEVシフトのブレーキに伴い、ぼくらがよく知る既存モデルの寿命やデザインにも大きな変化が訪れます。

ホンダ プレリュードのホイール(ブラック)とエンブレム
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判明している今後の車種展開・パワートレイン計画

車種・技術名今後の計画・アップデート内容
オデッセイ(Odyssey)当初の生産終了計画を撤回し、次世代モデルが登場する2030年3月まで現行型の生産を継続(延命)。
HR-V(日本名:ヴェゼル)貴重な収益源として、現行プラットフォームを想定よりさらに長く維持し、販売を継続。
アコード(Accord)近年のコンサバ(保守的)なセダンスタイルを一新し、よりスポーティでアグレッシブなデザインへと大規模マイナーチェンジを敢行。2030年までに「ハイブリッド(e:HEV)専用車」となる見込み。
新開発 V6 ハイブリッド【注目技術】 次世代の大型車・SUV向けに、高出力と高い牽引能力(タフネス)を両立した新型V6エンジンをベースとするハイブリッドシステムを開発中。
技術目標パワー向上を抑えつつ、現行比で「燃費効率30%向上」を目指す。
ホンダ N-BOXのステアリングホイール
ホンダが原点回帰。数年前に実施した組織統合を撤回、1960年代の組織を再現し「独立独歩」で中国BYDのスピードへと挑む。「ボクらの愛したホンダ」に戻るのか

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過度なEV投資からの「ハイブリッド回帰」という現実路線

市場におけるホンダの立ち位置は、競合であるトヨタが早くから提唱していた「マルチパスウェイ(全方位戦略=ハイブリッドやプラグインを重視する姿勢)」の正しさを追認せざるを得ない形となっていて、しかしアメリカや欧州のフォード、GM、日産なども同様にEVの投資で行き詰まり、数千億円〜兆円単位の損失を出しているため、ホンダだけが特別に失策したわけではない、ということもまた事実。

むしろ、早期に損切り(減損処理)を行い、収益性の高い「e:HEV(ハイブリッド)」と定評のあるV6エンジン技術の刷新へリソースを戻したことは、市場からは「現実的で賢明なリセット」とポジティブに受け止められつつあります。

ホンダN-BOXカスタムのエンブレム(フロント)
日本を代表する自動車メーカー「トヨタとホンダ」。トヨタは一族を重職に置く一方、ホンダは「一族を会社に入れない」。もし逆だったら今はどうなっていただろう

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なぜ「技術のホンダ」で内紛が起きたのか?組織構造の変化がもたらした光と影

最新のビジネストレンド分析において、今回のホンダの動揺は、単なる市場の予測見誤りだけでなく、「ホンダの組織文化の過渡期」に根ざしていると指摘されていて・・・。

① 「本田技術研究所」の独立性解体というジレンマ

ホンダには元々、本社とは別に「本田技術研究所」という独立した研究開発の子会社があり、経営やマーケティングの都合に左右されず、技術者が自由に尖ったクルマを作る「聖域」として機能しています。

シビック・タイプR
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しかし、スピード感を持ったEV開発やコスト管理を行うため、数年前にこの研究所の四輪部門がホンダ本体へと統合され、これによって効率化が進んだ一方、元OB陣や現場からは「マーケティング主導になり、ホンダらしい自由で独創的なエンジニアの魂(現場の力)が失われ、サプライヤーへの丸投げ(アウトソーシング)による開発力低下を招いた」という批判が噴出していたのだそう。

実は三部社長もこの危機感を共有しており、2026年2月には車開発のエンジニアを再びR&D(研究開発)専門部門へと戻す組織改編を行い、「技術のホンダ」の復権と内製化の強化に乗り出しています。

トヨタのエンブレム(GRヤリス)
世の中何が起きるかわからない。EVに関して「カメ」とされたトヨタ。一方「ウサギ」であったホンダ・VWが苦境に立たされトヨタが逆転勝利するという現実

| あの頃、(ボクを含めて)誰もが「トヨタは出遅れた」と考えたものであったが | 現時点、「最後に笑っている」のはトヨタであった 自動車業界がいま激震に見舞われており、「EV化の波に乗り遅れている」と ...

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② ソニー・ホンダモビリティの行方

多くの人が注目していたソニーとの共同プロジェクト、「Afeela(アフィーラ)」のEVが開発・販売停止に追い込まれたことは日本の産業界全体に大きな衝撃を与えることに。

「走るスマートフォン」を目指した革新的な試みではあったものの、ベースとなるホンダのEV専用プラットフォーム(0シリーズ)の計画変更の煽りを受ける形となってしまい、今後はこれまで培ったソフトウェア技術やAI、エンタメ要素を、今回新開発が発表された「次世代V6ハイブリッド」や、その他の実用的な量産車へどのように移植・還元していくかが次の焦点となります。

ホンダN-BOXカスタムの内装(エンジンスターター)
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結論:70年ぶりの赤字は、次なる「飛躍」のための授業料となるか

「失敗を恐れて何もしないことを恐れよ」

これは、創業者・本田宗一郎氏が残したあまりにも有名な言葉です。今回の三部社長に対する元経営陣のクーデター劇は、一見すると名門の泥沼の内紛に見えますが、視点を変えれば、それだけ「ホンダという会社を本気で愛し、その行く末を憂う熱い血」が、いまもOBや現役を問わず組織の中に流れている証拠なのかもしれません。

ホンダ・シビック・タイプRのホイール
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誰も正解が分からなかったEVシフトの荒波の中で総額2.5兆円という莫大な授業料を支払うことになったホンダ。

しかし、取締役会の支持を得て踏みとどまった三部社長の指揮のもと、ホンダはすでに「お利口なEVメーカー」を目指すのをやめ、得意のハイブリッド技術とV6エンジン、そしてアグレッシブな走りのデザイン(新型アコード等)という、本来の得意分野へと牙を研ぎ直しています。

伝統の「現場主義」を取り戻し、この手痛い挫折をどう次の名車たちへと昇華させていくのか。「Power of Dreams」の看板が再び輝きを取り戻す瞬間を、期待を込めて見守りたいと思います。

ホンダのキー
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参照:Reuters

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