| このリコール内容は非常に珍しく、これまでに他で聞いた記憶がない |
トヨタにとってはダイハツ問題含め「厳しい状況が」続きそう
さて、ダイハツ問題で揺れるトヨタではありますが、追い打ちをかけるように全世界で112万台(そのうち100万台超は北米)規模のリコールを実施するとの報道。
内容としては「エアバッグ」に関するもので、しかし「タカタ」ではなくエアバッグの展開をコントロールするセンサーに問題があるという報告がなされています。
いったいセンサーの何に問題があったのか
今回NHTSAに届け出られた資料によれば、2020年~2022年に製造されたトヨタ・アバロン、カムリ、カローラ、RAV4、ハイランダー、シエナ ハイブリッド、そしてやはり2020年から2022年モデルのレクサス ES250、ES300H、RX350が対象となっており、これらの車両について「助手席の乗員の体の大きさを不正確に評価する可能性があり、エアバッグが意図したとおりに展開しない可能性がある」とのこと。
もともとエアバッグには、乗員の体格に応じて展開するサイズを変更し、(体の大きな乗員に対してはエアバッグの展開容積を減らすことで)無用な怪我をしないための安全システムが搭載されているのですが、これは乗員分類システム(OCS)センサーによって(かかる荷重に基づき)乗員の体格を判断するというロジックを持っています。
そして今回問題となっているのが”シートの内部コンポーネントの干渉”であり、これによってOCSセンサーの動作が妨げられ、乗員の体格が不正確に評価される可能性があるのだそう。
この不具合は主に「8ウェイ調整が可能な」電動シートを装備する車両に顕著だといい、「シートフレームのストッパーが原因で、OCSがシート上の乗員荷重を誤って検出する」と報告されています。
対策としては「クルマを預かり、検査を行い、必要に応じてセンサーを取り替える」こととなるそうですが、なかなかに珍しいリコールなのかもしれません(他にはあまり聞いたことがない)。
トヨタは日本市場にてプリウス他にリコール届け出
加えてトヨタは今月(12月6日)にも日本市場で別件のリコールを届け出ており、これは事故の際の緊急通話装置に問題があるというもので、社内からの情報にて問題が発覚し、ユーザーからのクレームはゼロ、これに起因する事故もゼロ。
対象となるのは令和4年11月~令和5年9月に製造されたプリウス、そして令和2年10月~令和5年9月に製造されたミライの二車種で、影響を受けるのは合計で74,436台。
対策としては「検査を行い、必要に応じて部品交換を行う」ことを挙げており、不具合の内容については以下の通りに報告がなされています。
車両工場の完成検査において、緊急通報装置の音声通話機能に係る検査が不適切なため、道路運送車両の保安基準にかかる当該装置の適合性の検査が適切に行われていなかった。
国土交通省
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