Image:Cybertruck Owners Club
| テスラ・サイバートラック(サイバービースト)の車体重量は3,500kg、出力は845馬力である |
この重量とパワーを受け止めることができるタイヤはそう多くない
さて、EVのタイヤの摩耗が早いことはよく知られていますが、その理由は「EVが重いから」「EVは(エレクトリックモーターの発生させる)トルクが大きくタイヤに負担がかかるから」。
そして今回、テスラ・サイバートラックのオーナーが「わずか6,251マイル(約10,060km)しか走行していないのにタイヤがとんでもなく摩耗しているのを発見した」とオーナーズフォーラムへと書き込んで大きな話題に。
EVにおける「パフォーマンス」と「タイヤ」とは二律背反する存在である
このオーナーは自身のサイバートラックをテスラ指定のサービスセンターへと持ち込み最初の(テスラの指定する距離に達したので)ローテーションを依頼していますが、そこで「タイヤがほとんど死んでいる」と指摘されることに。
装着されるタイヤはテスラ純正のグッドイヤー・テリトリー・オールテレーンで、後輪だと残量が6.4%、前輪だと残量8%にまで減っており、さらにトレッド表面は「ズタズタ」になっている様子を見て取れます。
-
最新のタイヤに関する調査では「ガソリン車オーナーよりもEVオーナーの方がタイヤに対する不満が高い」。早すぎる摩耗について「事前に知らされていない」という声も
| そのほか高額な保険や修理費についても十分な説明がなされないままにEVが販売されている可能性が高い | ちなみに最も満足度が高いのはミシュランであり、21年連続で満足度ナンバーワン さて、調査会社で ...
続きを見る
実際のところトレッド面の端にも「裂け」が見られ、これ以上このタイヤを使用することは控えたほうが良いものと思われますが、おそらくこのタイヤセットは「安いものではなく」、オーナーとしては手痛い出費を請求されることになるのかも。
なお、サイバートラックの車体重量は約3,500キロ、そしてこのオーナーの個体は最上位のサイバービースト(845馬力)なのでタイヤに掛かる負担は「推して知るべし」ではありますが、同様の問題はリビアン(R1T / R1S)でも報告されており、今後はGMCハマーEV、フォードF-150ライトニングなどの大型EVでも顕著になってくるのかもしれませんね。※下の画像はほぼ未走行時のタイヤ
現在EVの「タイヤの減り」については一部で問題化していますが、タイヤメーカーとてこの現象を無視するわけにはゆかず、様々なコンパウンドを用いて研究開発が進められているといい、「減りにくいEV用タイヤ」が出揃うのが待たれるところです。
あわせて読みたい、関連投稿
-
アストンマーティンが「初のBEVにはピレリのサイバータイヤを採用」と発表。タイヤからグリップ、負荷、路面状況等の情報を受け取って車両の機能を調整可能に
| なかなかに有用なシステムであるように思われ、すでにマクラーレン・アルトゥーラはこれを採用済み | 安全性を考慮するに、おそらく将来のクルマはいずれこのシステムを採用することになるだろう さて、アス ...
続きを見る
-
ピレリがハイパフォーマンスEV向けタイヤとして「PゼロE」を発表。製造方法が環境に優しいだけではなくダストも少なく高効率な万能タイヤ
| ピレリはスーパーカー向けのPゼロR、ハイパーカー向けのPゼロ トロフェオRも発表済 | ユーロ7では「タイヤダスト」も規制の対象に さて、多数の画期的な新製品を発表しているピレリですが、今回は「パ ...
続きを見る
-
「摩耗スピードはガソリン車の倍」。タイヤメーカー各社ともEV専用の「減りにくい」タイヤを開発しているが、ガソリン車用タイヤと比較してどう違うのか
| ボクの経験上では、EV用タイヤは一般にグリップが低く、ウェット性能では不安を感じる場合も | もちろんタイヤメーカーは最大限の「バランス」を実現しようと努力している さて、ちょっと前に話題となった ...
続きを見る
参照:Cybertruck Owners Club