| サイドウインドウを下ろすと空気の流れが変わり、予想外の圧力がリアウインドウに |
さすがに「サイドウインドウを下ろしての」風洞実験は行っていないものを思われる
さて、マクラーレンが「765LTに一部問題があり、リコールが必要である」と発表。
届け出られた内容を見ると、「特定の条件下で後部ウィンドウが車両から外れ、道路上に飛んでゆく可能性がある」とのことで、リコール対象となるのは2021年モデルの765LT、かつハードトップ仕様の車両のみとなっています。
マクラーレン765LTのリアウインドウを何が問題であったのか
そしてこの問題の原因につき、マクラーレンによると「通常、後部のポリカーボネート製ウィンドウは接着剤で固定されているが、特定の車両では接着が不十分であった」。
アメリカ合衆国運輸省(NHTSA)が公開したリコール書類によると、複数のオーナーがキャビン後方から異音がするとの保証請求を申請しており、調査の結果、その音はウィンドウがフレームから部分的に外れたことによるものだと判明したそうですが、いくつかのケースではウィンドウが完全に車両から外れたとの報告もあるもよう。
マクラーレンは通常のテストでは接着剤の不良を再現できなかったものの、後に「非公式な証拠」を得て、高速走行が原因となり接着面が剥がれる可能性があることがわかっています。
具体的には、サイドウィンドウを下げた状態で高速走行をすると、後部ウィンドウに想定外の力が加わり、結果としてリアウインドウの固定力が緩む原因となる可能性があるとされ、いくつかのサーキットでは安全上の理由からサイドウィンドウを下げる必要があり、マクラーレンはそういったケースにおいて「後部ウィンドウが外れる」可能性があることを確認しています。
ただ、これは通常の公道走行での速度域ではなく、主にサーキットでの高速走行時において達する速度のみで発生する問題で、しかしマクラーレンはこの問題を解決するためにウィンドウをカーボンフレームに物理的なファスナーで固定する方法を取る予定であることにも言及済み。
それまでの間、765LTオーナーにはウィンドウを下げた状態で時速96マイル(154 km/h)を超えての走行を行わないようにというアナウンスを行っており、もしサーキット走行を延期できない場合、ディーラーはウィンドウのコーナーに追加の接着剤を塗布することがという一時的な対策を行うそうですが、まさにこれは「想定外の事態」なのかもしれません。
しかし「リアウインドウが飛んでゆく」という問題は意外と少なくはなく、ポルシェそしてフェラーリも同様の問題にてリコールを届け出たことがありますね。
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