ショパールより「世界で最も美しいレース」、ミッレミリアを記念する限定腕時計2モデルが発売。うち1本はスターリング・モスへのオマージュ

2025/06/25

Image：CHOPARD

｜　エンツォ・フェラーリはミッレミリアをして「もっとも美しいレース」を評したことも　｜

この記事のコンテンツ

さて、ショパールが2025年モデルの「ミッレミリア」を発表。

ショパール1988年からミッレミリアのオフィシャルパートナーを努めていますが、その流れにて毎年「ミッレミリア」の名を冠した腕時計を発売しているわけですね。

今年発表された新作は「2本」、そしてここでその内容を見てみましょう。

そこでまず1本目は「ミッレミリア GTS パワーコントロール - 2025 レーシングエディション（1,094,500円、限定250本）。

ケース径は44ミリ、素材はステンレススティール。

Image：CHOPARD

文字盤は美しいサンレイ仕上げのゴールド（インデックスやアラビア数字が力強い）、そしてケースバックはスケルトン（ムーブメントはCOSC認定、自社製の「01.02-M」）。

ケースバックにはこのレースの出発点であるブレシア（BRESCIA）、経由地であるローマ、そしてゴールであるブレシアという道順が刻まれ、ストラップの裏面はクラシックカーのタイヤトレッドを模した”滑り止め”も。

Image：CHOPARD

ストラップそのものにはパンチ加工が施されていますが、これは汗による滑り止め効果を狙ったもので、当時のスポーツウォッチの「定番仕様」です。

Image：CHOPARD

そしてもう一本は「ミッレミリアクラシッククロノグラフトリビュートトゥサー・スターリング・モス（1,551,000円、限定70本）」。

Image：CHOPARD

この「70本」というのは、伝説的ドライバーであるスターリング・モスが優勝した1955年からの70周年を表しており、この際の記録である「10時間7分48秒」は現在でも破られていない驚異的なタイムです。

ケース径は40.5ミリ、ケース素材はステンレススティール、文字盤はオパーリン仕上げ。

このミッレミリアとは、イタリアで行われる伝統的な自動車レースで、かつては以下の要項で開催されており、これは映画「フェラーリ」でも描かれたとおりの過酷なレース（しかしエンツォ・フェラーリはこのミッレミリアをして、もっとも美しいレースだと表現したことがある）。

歴史: 1927年から1957年の間にイタリアで開催された、公道を利用したスピードレース
名称の由来: イタリア北部のブレシアを出発し、ローマを折り返し地点としてブレシアに戻る約1000マイル（約1600km）の道のりを走ることから、イタリア語で「1000マイル」を意味する「ミッレミリア」と名付けられた
参加車両: アルファロメオ、フェラーリ、メルセデス・ベンツなど、当時の名だたる自動車メーカーが参戦し、伝説的なレースとして知らる
一時中止: 第二次世界大戦による中断や、事故の発生により1957年にスピードレースとして中止の判断が下される

そして現在では「クラシックレース」として復活しており、クラシックカーを駆るドライバーたちが参戦し、その勇姿をもって観客を楽しませています（ショパールの共同社長、カール‐フリードリッヒ・ショイフレも毎年参加している）。

復活: 1977年にクラシックカーレースとして復活し、現在も毎年開催されている
形式: タイムトライアル方式の競技で、スピードを競うというよりは、歴史的な価値を持つクラシックカーで定められたルートを走行し、正確なタイムや走行ペースを競う「レギュラリティラリー」の要素が強い
参加資格: 当時のレースに実際に参加した車両や、その同型車など、製造年代や車種に厳しい規定が存在する
「世界で最も美しいスポーツカーの祭典」: 美しいイタリアの風景の中を、貴重なクラシックカーが走行する姿は「世界で最も美しいスポーツカーの祭典」と呼ばれ、世界中から多くの参加者や観客が集まる
日本での開催: 日本でも「ラ・フェスタ・ミッレミリア」や「ラ・フェスタ・プリマベラ」といった公認イベントが開催されており、日本の美しい景色の中をクラシックカーが走る競技がある

こうやって見ると、ミッレミリアは、単なるレースというだけでなく、自動車文化と歴史を体現するイベントとして、今もなお多くの人々を魅了し続けていることがわかりますね。