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ケーニグセグが「実際にレースを走ることができなかった」GT1マシンへのオマージュ「CCGT1」を発表、70台の限定台数はもちろん一瞬で完売

ケーニグセグの限定ハイパーカー、「CCGT1」(ホワイトカーボン)〜フロント

Image:Koenigsegg

| 「大人の事情」によって走る機会を奪われたレーシングカーを現代に蘇らせる |

規約変更に泣いた「幻のCCGT」と20年越しの復権

スウェーデンのハイパーカーメーカーであるケーニグセグ。

今回モントレー・カーウィークにて注目の最新作「CCGT1」を世界初公開し、ベースとなっているのは創業20周年を記念して発表された「CC850」ですが、この「CCGT1」は一度もレースの舞台に立つことができなかった不運のGT1レーシングカー「CCGT」の魂を受け継いでサーキット志向を極限まで高めた生産70台のみの超限定モデルです。

なぜケーニグセグは、実戦を経験していないレーシングカーのオマージュ車を今この時代に作り上げたのか?その裏には、技術者の情熱と驚異的な最新テクノロジーとの融合があり、ここでその詳細を見てみましょう。

ケーニグセグの限定ハイパーカー、「CCGT1」(ホワイトカーボン)〜フロントサイド

Image:Koenigsegg

この記事の要約

  • 【1,600馬力の怪物】 E85バイオ燃料使用時に最高出力1,600馬力を叩き出す5.0L V8ツインターボエンジンを搭載。
  • 【一度も実戦を走れなかった“幻のマシン”をオマージュ】 2007年に規定変更の影響でお蔵入りとなったレースカー「CCGT」へのリスペクトから誕生。
  • 【ペダル付きの革新的なシーケンシャルシフト】 発進時にのみクラッチペダルを使用し、走行中は本格レーサーのように変速する新システム「KSS」を搭載。
  • 【限定70台が発表前に完売】 世界限定70台の生産枠は、パブリックお披露目の時点で既にすべて割り当て済み。
ケーニグセグの限定ハイパーカー、「CCGT1」(ホワイトカーボン)〜リヤ

Image:Koenigsegg

ケーニグセグ CCGT1:車種概要

オリジナルの「ケーニグセグ CCGT」は2007年にル・マン24時間レースなどを展開するGT1カテゴリーへ参戦するために作られたレーシングカーで、自然吸気5.0L V8エンジンを搭載し、車重はわずか1,000kg程度、一方で600kg以上の強力なダウンフォースを発生させ、テスト走行ではライバルを凌駕する圧巻の速さを見せています。

しかし、シェイクダウン開始からわずか2か月後にFIAがGT1の参戦規約を変更してしまい、「年間生産台数の大幅引き上げ」が求められたことで、当時の少量生産メーカーであったケーニグセグはレース参戦の権利を突如失うことに。

一度も公式戦を走ることなくお蔵入りとなったCCGTは「結果的に」世界でたった1台のみが存在する伝説のマシンとなってしまったものの、近年このオリジナルマシンがレストアを経てヒストリックレースで復帰することが決定し、これを祝して創業者クリスチャン・フォン・ケーニグセグが現代の最新技術を投じて公道も走れる最高のトラックマシンとして復活させたのがこの「CCGT1」というわけですね。

ケーニグセグの限定ハイパーカー、「CCGT1」(ホワイトカーボン)〜サイド

Image:Koenigsegg

1. 1,600馬力を受け止める「エアロダイナミクス」と新素材「Ghost Fibre」

ベースとなったCC850から、ドアと脱着式ルーフ以外のほぼすべてのボディパネルが専用設計へと変更されています。

  • 強大なダウンフォース: 巨大なアクティブリアウイングと専用アンダーフロアにより、250km/h走行時に最大800kg(1,764 lbs)ものダウンフォースを発生。ウイングは走行状況に応じて自動で30度調整され、エアブレーキ機能も備える
  • 新素材「Ghost Fibre(ゴースト・ファイバー)」: ケーニグセグが新たに採用したホワイトカーボンファイバー素材。従来のカーボンよりも軽量で剛性が高く、防音性にも優れている

2. 「クラッチペダル」と「シーケンシャル」の融合:KSS

トランスミッションには、革新的な9速「Light Speed Transmission(LST)」をベースとした新たな変速インターフェース「ケーニグセグ・シーケンシャル・シフト(KSS)」が導入されることに。

発進時のみ足元のクラッチペダルを操作し、走行中の変速はクラッチレスで点火カットを伴うシーケンシャル操作(レーシングカーと同様のシフトフィール)を行うという、走る楽しさを追求した仕組みです。

また、CC850同様にマニュアルモードとATモードを切り替える設定も可能となっている、とのこと。

ケーニグセグの限定ハイパーカー、「CCGT1」(ホワイトカーボン)〜リヤサイド

Image:Koenigsegg

ケーニグセグが最新ハイパーカー「CC850」の生産を開始。1台の製造には2週間を要し、2027年後半までをかけ予定台数の70台を作りきることに
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3. 「ケーニグセグ CCGT1」主要スペック一覧

項目スペック・仕様
エンジン5.0リッター V型8気筒ツインターボ
最高出力(ガソリン)1,280 hp (954 kW)
最高出力(E85バイオ燃料)1,600 hp (1,193 kW)
トランスミッション9速 KSS(ケーニグセグ・シーケンシャル・シフト)/ 6速Hパターン選択可
最大ダウンフォース800 kg @ 250 km/h
エクステリア素材新開発ホワイトカーボン「Ghost Fibre」採用
コックピット第3世代「Chronocluster」(アナログ式Gメーター・ブースト計完備)
生産台数世界限定 70台(完売御礼)

※サーキット走行を極限まで楽しみたいオーナー向けとしてフルカーボン製ロールケージ、エアジャッキ、スリックタイヤ、レース用エキゾーストなどがセットになった初のメーカー純正「トラックパッケージ」も用意されている

ケーニグセグの限定ハイパーカー、「CCGT1」(ホワイトカーボン)〜フロント(ドアオープン)

Image:Koenigsegg

結論

ケーニグセグ CCGT1は「高価格でハイパワーなだけのハイパーカー(メガカー)」ではなく、規約変更という大人の事情によってサーキットを奪われた20年前のマシンの無念を晴らし、アナログな操作感(クラッチペダルやシーケンシャルシフト)と現代の究極的な空力・エンジン技術を融合させた、ロマンに溢れた1台です。

全70台が初公開を待たずに売切れとなったこともこのストーリーと技術に対するコレクターたちの熱烈な支持を物語っており、またひとつここに「伝説」が誕生したというわけですね。

【補足・関連知識】

  • E85燃料とは?:エタノール85%とガソリン15%を混合したバイオ燃料のこと。ケーニグセグのエンジンはオクタン価が高いE85を使用することでノッキングを防ぎ、ターボチャージャーのブースト圧を極限まで高めて1,600馬力という驚異的なパワーを引き出すようセッティングされています。
  • アナログ式Gメーター(クロノクラスター):デジタル液晶が主流となった現代において、ケーニグセグは腕時計の精密機械のような「アナログ文字盤」に強いこだわりを持っており、CCGT1のダッシュボード中央に配されたGメーターは、G(加速度)の物理的な力を利用して機械針が動くという美しい工芸品のような仕上がりになっています。

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