
| 近年のウブロは「コラボモデル」において完全に専用の設計を与える機会が増えてきた |
そのぶん、コラボモデルの価値が「より高まっている」と考えられる
スイスの高級腕時計メーカー「ウブロ(HUBLOT)」と現代アート界の巨匠「ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)」とによる情熱的なコラボレーションが(予告の後)実現し、今回のパートナーシップで誕生した第一弾が「クラシック・フュージョン バルーン ドッグ by ジェフ・クーンズ」。
これは単に文字盤へとグラフィックをプリントしたり素材のカラーを変えたりという既存のコラボレーションとは一線を画すもので、ジェフ・クーンズの代表作である「バルーン ドッグ(Balloon Dog)」の世界観を表現するため、ケースや風防、文字盤に至るすべてのパーツ構造をゼロから再設計し、時計全体が空気で膨らんでいるかのような圧倒的な躍動感と存在感を放つもの。
高級機械式腕時計の伝統的な精密構造、そしてポップアートのユニークな美学が見事に融合した今作の魅力や技術的スペック、市場での注目度についてここで触れてみたいと思います。

この記事の要約
- ウブロが世界的ポップアーティストであるジェフ・クーンズとの初コラボレーションモデルを発表。
- 代表作「バルーン ドッグ」に着想を得て、ケースや文字盤を空気に膨らんだような立体フォルム(ぷっくりとした3D形状)に一から再構築。
- 鏡面仕上げのステンレススチール、鮮やかなレッドおよびブルーのアノダイズド(アルマイト加工)アルミニウムの3色展開で各世界限定200本。
ウブロ×ジェフ・クーンズ「クラシック・フュージョン バルーン ドッグ」の概要
「フュージョン(融合)」をブランドコンセプトに掲げるウブロ、そしてポップカルチャーのアイコンを精密かつ巨大な立体作品へと昇華させるジェフ・クーンズ。
両者の美学が結実した本コレクションは、定番の「クラシック・フュージョン」をベースとしながらも全く新しい造形美を追求するもので、展開されるカラーバリエーションは彫刻作品のような質感を誇る「鏡面仕上げステンレススチール」、そして鮮やかな色合いが際立つ「レッドアノダイズドアルミニウム」「ブルーアノダイズドアルミニウム」の全3タイプ。

いずれも世界限定200本のみという希少価値の高いリミテッドエディションとなっており、さらに各モデルには時計のカラーリングとリンクした「バルーン ドッグ」のミニチュアクロームフィギュア型専用ボックスが付属するなど、アートコレクターの所有欲を刺激する豪華な仕様も魅力です。
膨らみを表現した立体デザインと精密なスペック
本モデル最大のハイライトは、5軸CNCフライス加工によって実現した「ぷっくりとした立体的なフォルム」。
空気圧で内側から押し出されているかのような有機的なフォルムを形作るため、ケースやサファイアクリスタル製の風防、文字盤のアプライドインデックス、ベゼルのビス、巻き上げローターに至るまで、あらゆるラインに丸み(丸型の曲面加工)が施されています。
そして驚かされるのは「ケースバック」に至るまでもが「ぷっくり」ということで、文字通り「何から何までもが」専用品。

ディテールにもクーンズらしい遊び心が散りばめられており、リューズは風船の空気注入口(バルブ)を模したラバー成型デザインを採用。10時30分位置にはしなやかな「犬のしっぽ」のモチーフがあしらわれ、秒針のカウンターウェイトには繊細な「バルーン ドッグ」のシルエットが配されています。
そして驚くべきは、搭載されている自社製造の自動巻きキャリバー「HUB1710」にも手が入り、シースルーバックから覗くローター(タングステン製)が丸みを帯びた特別形状へとカスタムされており、内部機構にまで「膨らみ」のテーマが徹底されている、ということ。
| 項目 | 詳細スペック |
| モデル名 | クラシック・フュージョン バルーン ドッグ by ジェフ・クーンズ |
| ケースサイズ / 厚さ | 42mm / 11mm |
| ケース素材 | ポリッシュド・ステンレススチール、またはポリッシュド・レッド/ブルー・アノダイズドアルミニウム |
| 防水性 | 5気圧(50m防水) |
| ムーブメント | キャリバー HUB1710(自動巻き) |
| パワーリザーブ | 約50時間 |
| 振動数 | 28,800回/時(4Hz) |
| ストラップ | 同系色のデボス加工レザー/ポリマーインサート付き統合ラバーストラップ |
| 限定本数 | 各カラー世界限定200本 |
| 国内定価 | 3,366,000円(税込) |

ラグジュアリーアートウォッチ市場における競合比較と位置付け
ウブロはこれまでも村上隆氏やリチャード・オーリンスキー氏など、世界的な現代アーティストとのコラボレーションを成功させてきましたが、今回のジェフ・クーンズとのタッグは、その「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」をさらに高次元へと引き上げる出来事とも言えるもの。
リチャード・オーリンスキーモデルが鋭利なファセット(切削面)と幾何学的な直線美をテーマにしていたのに対し、ジェフ・クーンズモデルは曲面・丸み・空気感という真逆のベクトルで素材の限界に挑んでいるのは面白い対比といえるかもしれません。
| 比較項目 | ジェフ・クーンズ コラボ(新作) | リチャード・オーリンスキー コラボ |
| デザインの方向性 | 曲面・立体感・エアインフレート(膨らみ) | 直線的・多面体・ファセットカット |
| 造形モチーフ | バルーン ドッグ(風船の動物) | ファセット(切削面)による幾何学造形 |
| 世界観 | ポップ、遊び心、有機的な柔らかさ | シャープ、モダン、鉱物的なエッジ |
| 希少性 | 各色世界限定200本 | 限定および定番バリエーション |
そして今回のクラシック・フュージョン バルーン ドッグにつき、アートピースとしての希少価値と時計としての高い完成度をハイレベルで両立させている点において、ハイエンドなアートコレクターや時計愛好家から極めて高い評価を獲得しているというのが現状で、「もう手に入れることは難しい」段階にあるのではと思います。
同時発表「MP-14 オリジン」に見るウブロの技術革新
今回のコラボレーションでは、「クラシック・フュージョン バルーン ドッグ」と同時に、しかしさらにアヴァンギャルドな超ハイエンドモデル「MP-14 オリジン by ジェフ・クーンズ サファイアチタニウム」も発表されており、世界限定30本、その価格はなんと65,494,000円。
そしてこの「MP-14 オリジン」は宇宙の誕生や時間の起源を表現したコンセプチュアルなタイムピースで・・・。
- ウブロ初の自動巻きセンタートゥールビヨン:サファイア製ドームの真中央にトゥールビヨンを配置
- 534時間以上の切削加工:44mmの八角形フルサファイアクリスタルケースを採用
- 独創的な時刻表示:回転するリングと、浮遊するように配置されたレッドおよびグレーの立方体インジケーターで時間を表示
「バルーン ドッグ」が日常的なアイコンを精密な時計へ変容させた作品であるのに対し、「MP-14 オリジン」は時計の複雑機構そのものを抽象的なアートへと高めたアプローチであり、ウブロの圧倒的な技術力を知る上で見逃せないトピックです。
結論
「クラシック・フュージョン バルーン ドッグ by ジェフ・クーンズ」は、現代アートの巨匠が持つユニークな世界観とウブロが長年培ってきたマニュファクチュールの技術革新が見事に融合した傑作です。
単なるキャラクターウォッチの枠を超え、ケースから文字盤、ムーブメントの細部に至るまで「膨らむバルーンの張り感」を再現した構造は、高級時計の表現領域を大きく押し広げたもので、世界限定200本という高い希少性も含め、アートとウォッチメイキングが交差する歴史的なタイムピースとして、今後さらに注目の的となることは間違いないものと思われます。※ほかの腕時計ブランドも、今後のコラボのあり方について再考せねばならないのかもしれない
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参照:HUBLOT











