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アウディ新型Q9に世界初の「3D曲面デジタルOLED」が搭載。なぜアウディはそこまで「ライティングにこだわる」のか

アウディQ9に採用されるOLEDテールランプ
Audi

次世代ライティング技術の革新とスペックを徹底解説

正直、この「こだわり」が消費者にどの程度理解されているのかはわからない

「アウディにとってライトとは、何よりもまず安全であり、『見ること、そして見られること』を意味する」——。

1926年の創業期から続くライティング技術への執念とイノベーションを胸に、アウディ(AUDI AG)が自動車照明の歴史に新たな金字塔を打ち立てたというのが今回のニュース。

2016年の「TT RS」へのOLED初搭載から10年が経過し、アウディはフラッグシップSUV「新型Q9」において、自動車業界で世界初となる「3D曲面デジタルOLEDパネル」の量産化に成功したと発表しています。

単なる美しい照明にとどまらず、自車の意図を周囲のドライバーや歩行者へ伝える「知的なコミュニケーションツール」へと進化したアウディの最新ライティングテクノロジーについて見てみましょう。

Audi OLED lighting technology

Image:Audi

この記事の要約

  • アウディがフラッグシップモデル「新型Q9」にて、自動車業界で世界初となる「3D曲面デジタルOLEDパネル」を量産車として初採用
  • 厚さわずか0.1ミリ(髪の毛と同等)の超薄型キャリアガラスを採用することで曲げ半径最大200ミリを実現し、車体デザインと完璧に調和した広角の視認性と安全性を高めている
  • 第3世代デジタルOLED(計512セグメント)や最新のデジタルMatrix LEDヘッドライト(25,600個のマイクロLED)を搭載し、車両周囲へ路面照射や警告マークを表示する高度なコミュニケーション機能を備えている

アウディ新型Q9「曲面デジタルOLED」の概要

アウディ新型Q9に搭載されたテクノロジーの最大のハイライトは、立体的に湾曲した「3D曲面デジタルOLED(有機EL)パネル」。

従来のOLEDパネルは平面形状に限定されていたものの、アウディは髪の毛の太さに匹敵するわずか0.1ミリの超薄型キャリアガラス(基板ガラス)技術を開発し、これによって最大200ミリの曲げ半径(ベンディング)が可能となり、車体リアセクションの複雑な曲面ラインに完璧に沿うライトユニットが完成することに。

Audi OLED lighting technology

Image:Audi

さらにはリアライトの側面にまで回り込むように曲面OLEDを配置することで、真後ろだけでなく斜め後方(横方向)からの視認性が劇的に向上し、事故防止や路上トラブルの早期発見に直結する機能美を実現した、とも説明されています。

項目アウディ新型Q9 ライティングテクノロジー要約
世界初の技術量産車初「3D曲面デジタルOLEDパネル」
ガラス基板厚み / 曲げ半径厚さ 0.1 mm(超薄型ガラス)/ 曲げ半径 最大 200 mm
OLEDセグメント数第3世代デジタルOLED(6パネル / 合計512セグメント)
最大OLEDパネル99セグメント(アウディ史上最大の湾曲外側パネル)
ヘッドライト技術デジタルMatrix LED(25,600個のMicro-LED搭載)
コミュニケーション機能コミュニケーションライト(警告アイコン表示)、先進ターンシグナル(路面投影)
Audi OLED lighting technology

Image:Audi

特徴・スペック・デザイン

アウディの「第3世代デジタルOLED」および「デジタルMatrix LEDヘッドライト」には先進のスペックと安全機能が凝縮されていて・・・。

  • 第3世代デジタルOLEDと立体的なグラフィック:リアライト全体で6つのパネル、合計512個の独立制御セグメントにて構成される。最も大きい外側の曲面パネルには99セグメントが配置され、発光面そのものが光源となるOLEDの特性を活かし、均一でハイコントラストな3D効果を持つライトサインを描き出す
  • パーソナライズと「セミアクティブ」ライトサイン:前後ライトのシグネチャー(デザイン)は、最大8種類から好みに応じてカスタマイズ可能。従来の静的(スタティック)・動的(アクティブ)表示に加え、半動的(セミアクティブ)なシグネチャー表現が新たに追加される
  • 路面照射型「先進ターンシグナル」と「コミュニケーションライト」: ウインカー作動時や車線変更時、夜間の路面上にダイナミックなウインカーアイコンを直接投影する「先進ターンシグナル」を搭載。また、後続車に対して事故や故障、急ブレーキなどの危険をリアライト内の警告シンボルでいち早く知らせる「コミュニケーションライト」や、停車中に後続車が近づくと全セグメントを点灯させて注意を促す接近表示機能も備えている
  • 25,600個の「Micro-LED」ヘッドライ: フロントには約13ミリの幅に25,600個もの極小マイクロLED(1個あたり約40マイクロメートル)を凝縮したモジュールを採用。夜間の自車走行レーンを正確に照らし出す「レーンライティング」や、工事区間などの狭い道路で車両幅のガイドラインを路面に投影するガイド機能を可能にしている
Audi OLED lighting technology

Image:Audi

競合比較・市場での位置付け ラグジュアリーEV・SUV市場において、ライティング技術はブランドの個性と先進性を象徴する最重要要素となっていて・・・。

  • ディスプレイ技術とは異なる「自動車用OLED」の優位性:スマートフォン等に使われるOLEDディスプレイは画素数(ピクセル)が多い反面、法規制で定められたテールランプやブレーキランプに必要な輝度(明るさ)を出すことができず、しかしアウディの自動車用OLEDは、薄さ1ミリの薄型素子でありながら、極めて高い輝度・耐久性・均一性を高次元で両立している
  • 他社(LEDドット照射)に対するアウディの独自性:メルセデス・ベンツやBMW、ポルシェなどもLEDを用いたライティングの高度化を進めているものの、アウディは「OLED(有機EL)」の表面発光とバスシステムによる制御に10年間こだわり続け、ついに「3D曲面化」まで到達することに。面発光ならではの滑らかな三次元表現と高い視認性において、他社の追随を許さない独走状態を維持している
Audi OLED lighting technology

Image:Audi

アウディOLED進化の10年史

アウディが歩んできたOLEDテクノロジーの歴史を知ることで、今回の新型Q9が持つ技術的意義がより深く理解できるようにも思われ・・・。

  • 2016年(TT RS):世界で初めて量産車のリアライトにOLEDを初搭載。面発光による新しいデザインの幕開け
  • 2020年(Q5 / A8):第1世代デジタルOLEDが登場。セグメントの個別制御が可能になり、ライトデザインの個性的選択が実現
  • 2024年(Q6 e-tron / A5 / A6等):第2世代デジタルOLEDへ進化。制御セグメント数が10倍に急増し、警告マークを表示する「コミュニケーションライト」を実用化
  • 2026年(Q9 / Q7モデルライン):第3世代デジタルOLED&3D曲面デザイン。超薄型ガラス(0.1mm)による曲面化と、512セグメントによる立体的・多彩なコミュニケーション表現を実現
新型アウディA6のテールランプ
Life in the FAST LANE.

結論

「3D曲面デジタルOLED」という自動車業界初のイノベーションを引っ提げて登場したアウディのフラッグシップ「新型Q9」。

10年間にわたり積み重ねられたOLED技術の研鑽は単なる美しさの追求にとどまらず、暗闇での視認性向上や周囲とのインテリジェントな意思疎通(安全性の向上)という確かな実効性を結実させることとなり、今回のQ9は”自動車のライトが「照明」から「対話するメディア」へと進化を遂げた”ことを示す、象徴的な一台と言えるのかもしれません。

ただ、その代償としての「コスト」は消して小さいものではないとも認識しており、このOLEDテールランプがそのコストに見合うかどうかについては「ちょっとした」疑問も残ります。

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