イタリアはムゼオ・フェラーリ・マラネッロにて。
入り口から現代フェラーリの展示コーナーを抜けると「スペチアーレ」のコーナーに。
ラ・フェラーリ、458スペチアーレAの奥には過去のスペチアーレが並べられています。
まずは288GTO。
1984-1986年の生産で272台のみがグループBのホモロゲーション取得のために生産されています。
V8/2.9リッターツインターボ、400馬力。
元祖「フェラーリのスペチアーレ」とも言えますが、他のスペチアーレと異なるのは、「記念モデルではない」というところですね。
実車を見るのは初めてですが、フロントタイヤがはみ出しそうな勢いです。
F40。
フェラーリ創業40周年を記念して1987年に発表。
エンツォ・フェラーリの手がけた最後のスペチアーレで、最高時速324キロは当時としては世界最速のスペックとなっています。
V8/3リッターツインターボ、478馬力。
ウワサによると凄い「ドッカンターボ」とのこと。
1311台、とかなり多めの生産台数です(そのため、他のスペチアーレに比べると割安)。
F50。
エンツォの息子やニキ・ラウダが開発に参加し、F1のエンジンやパーツを流用して作られた車で、フェラーリ創立50周年を記念して1995年に発表され、4.7リッターV12エンジン(520馬力)を搭載。
349台のみの生産とされており、この頃からフェラーリは生産台数を絞っているようですね。
あまりの振動や騒音の大きさ(だってF1だもの)が当時問題となっていますが、今はそのスパルタンさが逆に再評価されている模様。
エンツォフェラーリ。
フェラーリ創業55周年記念車で399台のみの生産(当初の予定ではF50と同じ349台)で、6リッターV12、600馬力という強力なスペックを誇ります。
5大スペチアーレ中、もっとも取引価格が高い車でもありますね。
フェラーリ458スペチアーレの世界的需要の高まりによる問題も生じている様子。
Magnitude Financeによると、フェラーリのディラー(情報元がフランスのメディアのようなので、フランスのフェラーリディラー?)は申込金として2万ポンドを申し受けるものの、これを支払ったとしても確実に車両を受け取ることができるとは限らないようです。
これは「よりオプションを多く注文した」顧客のオーダーを先に処理しているためで(これが本社の意向なのかディーラーの意向なのかは不明)、より多くオプションを注文しないと優先的に納車を受けることができない、ということを意味します。
458スペチアーレは最後のNAエンジン搭載モデルということもあって非常に人気が高くなっているのではと言われますが、そうだとすると今後中古車市場においても自然吸気フェラーリは高値を付ける可能性もありますね(もしくはターボエンジン搭載フェラーリの出来が「良すぎて」相場を逆に下げる可能性も)。
ただ、フェラーリも先般から報じられるようにターボに関して、そして「人間の感覚とそれに忠実な反応」を研究し続けていることを考えると、ターボモデルも相当に高い完成度、そしてドライバビリティを持つものが登場してくることは容易に想像ができます。