ボクはこういった未来派コンセプトカーが大好きだ！リンカーンが2040年モデル、そして「クルマよりもストーリー」を重視した「アニバーサリー」を発表

｜　自動車が完全に電動化へと移行すると「キャラクター」が薄くなり、各メーカーはそれを補うための方法を模索中　｜

2040年の自動車がどういった人に、どういった基準で選ばれるのか想像もつかない

さて、キャデラックと並びアメリカを代表する高級自動車メーカー「リンカーン」。

その社名の由来そのものが「リンカーン大統領」であることからもわかるとおり比類ない高級さを持っていますが、近年のリンカーンはそこに「先進性」「高いデザイン性」をもプラスしており、独特のポジションを築いています。※日本だと高級SUV、”ナビゲーター”が有名

そして今回リンカーンはアートセンター・カレッジ・オブ・デザインとのコラボレーションにて単に「アニバーサリー」とだけ命名されたクルマを発表することに。

リンカーンはクルマそのものよりも「物語」を重視

なお、このリンカーン・アニバーサリーはリンカーンと南カリフォルニアにあるアートセンター・カレッジ・オブ・デザインとの間で行われたデザイン・チャレンジによって誕生したコンセプトカーで、リンカーンの内製によるものではありませんが、リンカーンのグローバル・ストラテジック・デザイン・スペシャリストそしてアートセンターのアシスタント・プロフェッサーを務めるジョーダン・メドウズ氏によると「アートセンターは優れた車両デザインで知られており、しかもハリウッドの中心地にあります。「私たちが求めていたのは、車そのものよりも、優れた物語の展開、豊かなストーリーテリングでした。コンセプトカーが生きる未来のエコシステムを理解することは、とても重要なことなのです」。

なお、上述のジョーダン・メドウズ氏の長い肩書からも推察できるとおり、リンカーンとアートセンター・カレッジ・オブ・デザインとは密接な関係にあり、今回トランスポーテーション（輸送・運送用車両）デザインを学ぶ学生4チームに、2040年以降の未来のリンカーン車を想像するという課題が与えられることに。

そこでこの課題に沿って、アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン映画学科の学生、イラストレーター、エンターテイメントデザイナー、アニメーターと融合し、車を超えて進化し、車が活躍する未来の世界を描く総合的なストーリーを作成したというのがこのクルマが誕生した背景だと紹介されています。

今回、この「アニバーサリー」に関するストーリーは「結婚30周年を迎えた未来の夫婦が使う特別な車として描かれています。過去の思い出の場所へと車を走らせると、車内のスクリーンには二人の思い出の写真が映し出される」というもの。※この結婚記念日＝アニバーサリーというネーミングの由来ということになりそう

内装については公開されておらず、しかしそのコンセプトからするとインテリアには巨大なスクリーンが用意されているものと考えてよく、かつ完全自動運転を備えているものと捉えてよいのかも。

将来的に自動車の電動化が進み、ガソリンエンジンの持つキャラクターが薄れてゆく中で「クルマそのもの」よりも「ストーリー」が重視されることは想像に難くなく、そのストーリーが今後の自動車メーカーそしてブランドにおける差別化ポイントになってくるのは間違いない、と思います。

この「アニバーサリー」はレンダリングの枠に留まらず、モックアップが作成されてモンタレー・カーウィークに展示されているそうですが、「2024年モデル」というところからするに、これがすぐに発売されることはないのかもしれません。

ただ、多くの自動車メーカーのコンセプトカーがそうであるように、その考えかたやディティールなどが「部分的に」今後の市販モデルへと採用されることになるのかもしれません。

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