
| 「AI設計」「3Dプリンタで製造」された現代のハイパーカーが記録に挑む |
すでにシンガー21Cは数々のサーキットにて記録を連発中
アメリカ・カリフォルニア発の新興ハイパーカーメーカー「ジンガー(Czinger)」21Cがドイツのニュルブルクリンク(ノルドシュライフェ)にてテスト走行を行う姿が目撃されて話題に。
独自のAI設計に3Dプリント技術、そして驚異的なパワーウェイトレシオを誇ることでも知られ、現在数々のサーキットにおいて記録を更新しているうえ、創業者が「ニュルに挑戦する」と公言したこともあって記録更新には大きな期待がかかります。
果たしてメルセデスAMG OneやフォードGT MkIVが持つ伝説的な記録を塗り替えることができるのか、その可能性について考えてみましょう。
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この記事の要約
- ジンガー21Cがニュルブルクリンクを走行する姿がスパイ動画に収められ、タイムアタックの準備段階にあると見られる
- 2.88L V8ツインターボ+ハイブリッドにより、最高出力1,250馬力を発揮
- 目標は「市販車最速」のメルセデスAMG One、あるいは「内燃機関最速」のフォードGT MkIVか
- 3Dプリント技術を駆使した超軽量構造が、過酷なグリーンヘルでどう機能するかが焦点
ニュルに突如現れた「黄色い怪物」ジンガー21C
YouTubeチャンネル「CarSpyMedia」によって公開された映像には、ニュルブルクリンクの難所を猛烈な勢いで駆け抜けるイエローのジンガー21Cが収められていますが、ジンガーはこれまでにも、アメリカのラグナ・セカやサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)、さらにはイギリスのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードなどで次々とコースレコードを塗り替えてきた存在。
今回のニュル進出は同社が「世界最高の走行性能」を証明するための最終段階に入ったことを示唆しています。
ジンガー21Cの驚異的なスペックと特徴
ジンガー21Cは「パワー自慢の新興ハイパーカー」ではなく、AIが設計し、3Dプリンターで製造されたコンポーネントを多用した「次世代の製造プロセス」によって生み出された1台です。
そしてシンガーCEO、ケビン・ジンガー氏はこの「AIと3D」プリント技術」を核とした別会社「ダイバージェント・テクノロジーズ」を設立しており、同社が提供する技術はマクラーレンW1、ブガッティ・トゥールビヨン、フェラーリF80といった次世代ハイパーカーにも採用されていることが知られていて、そのためシンガーの技術は現在「世界トップクラスにあり、他社を大きく引き離している」と考えることが可能です。
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主要スペック表
| 項目 | 詳細 |
| エンジン | 2.88リッター V8 ツインターボ |
| ハイブリッドシステム | フロント2モーター+リア1モーター |
| 最高出力 | 1,250 hp(オプションで1,350 hpまで向上可) |
| 最高回転数 | 11,000 rpm |
| 車重 | 1,240 kg以下 |
| 0-100km/h加速 | 1.9秒 |
| 最高速度 | 432 km/h(Vmaxモデル) |
| 駆動方式 | 全輪駆動(AWD) |
ターゲットは「市販車最速」か、それとも「内燃機関最速」か?
現在、ニュルブルクリンクにおける主要な記録は以下の通りで、ジンガーがどの「冠」を狙っているのかに注目が集まっているという状況。
- 公道走行可能な市販車最速記録:メルセデスAMG Oneが記録した「6分29秒090」。F1直系のパワートレインを持つこの王者を超えるのは並大抵のことではないが、シンガー21Cであれば十分に挑戦者としての資格がある
- 内燃機関(ICE)車最速記録:フォードGT MkIV(サーキット専用車)が記録した「6分15秒977」。これは(公道走行の可不可に関係なく)全カテゴリーを通じても歴代3位という驚異的なタイム
21Cは強力なダウンフォースを生む空力パッケージを備えており、映像を見る限りでは路面に吸い付くような安定感を見せていて、ハイブリッドの瞬発力と軽量ボディを活かすことができるならば、AMG Oneの記録を脅かす可能性も十分に考えられます。
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3DプリントとAIが変えるスーパーカーの未来
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マクラーレンW1、ブガッティ・トゥールビヨン、フェラーリF80ではこの「3Dプリンター製パーツ」の使用がフロントサスペンションに限定されるものの、ジンガー21Cでは「全身」に及び、そのためこの21Cの挑戦は「単なるタイム計測の範疇を超え、最新テクノロジーが伝統的なレーシングカーの設計技術を打ち破れるか」という重要な意味を持つわけですね。
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結論
ジンガー21Cがニュルブルクリンクに姿を現したことは「ハイパーカー界に新たな激震が走る前触れ」だとも考えてよく、これまでに全米の主要サーキットを制覇してきた「実力」がいよいよ欧州の聖地でも問われます。
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公式なタイムアタックの結果発表が待たれるものの、もしAMG Oneの記録を更新すればジンガーの名は一躍世界中を駆け巡り、そして自動車史に刻まれることとなるのは間違いなく、カリフォルニアが生んだ「AI設計の怪物」がニュルブルクリンクにてどのような伝説を作るのか、続報に期待したいところでもありますね。
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