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生産わずか14台、ベクターM-12が競売に。当時ランボルギーニと同じグループに属していたためディアブロの車体とエンジンを流用して作られたスーパーカー

2024/04/11

| このベクターM-12は14台のうちの「4番目」、数々のカーメディアに登場したことも |

希少さも手伝って入札価格はぐんぐん上昇

さて、「アメリカ初のスーパーカーメーカー」と評されるベクター。

いかにもぼくが大好きなウエッジシェイプを持つスーパーカーばかりを発売している会社ですが、1971年に空力デザインを行う設計会社としてゼラルド・ウィーゲル氏によって設立され、1978年には「W2スーパーカーコンセプト」を発表し、翌1988年には「W8」を発表しています。

このW8はその外観のアグレッシブさに加え、戦闘機のようなインテリアが話題となっており(今回オークションに出品されているM-12のインテリアは普通の部類)、しかしあまりに高価であったことから生産はわずか17台にとどまったと言われていますね。

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ただしベクターは以降も精力的に活動を続ける

その後ベクターは「WX3」なるコンセプトカーを発表するもこれは市販に至らず、1992年には(当時ランボルギーニを所有していた)インドネシアのメガテックによって買収されることに。

そしてこの時代に発売されたのが今回売りに出されているM12というわけですが、メガテック時代に開発されたためにランボルギーニと車体の一部、そしてエンジン(ディアブロに積まれていた5.7リッターV12)を共有するという構造的特徴を持っています。

このベクターM-12のパフォーマンスはディアブロの「ちょっと下」に設定されていて、そのぶん価格も低めに設定されていたそうで(0-100km/h加速は4.5秒)、しかし知名度が足りなかったのかこちらも14台しか販売されなかたっという記録が残ります(そのうちの1台もしくは数台はブルネイ王室が購入している)。

なお、経営者が変わったといえど、極端なウエッジシェイプに5角型のドアというベクターのDNAは失われておらず、さらには全面フロントガラスはW8との密接なつながりを感じさせ、加えてユニークな(ADVAN ONIのような)3本スポークホイールといった特徴も。

この個体はそんなM-12の中でも際立って興味深い生涯を送っており、カーメディア「ホイール」誌の表紙を飾り、1990年代半ばはトップ ギアの撮影にて他ならぬジェレミー・クラークソンが運転したこともあるそうです。

見たところ非常にコンディションも良く、走行距離は4,400マイル(約7,080km)、機関も良好とのこと。

Bring a Trailer

世界に14台という希少性、そしてベクターの持つドラマ製、さらにはこの個体特有のバックボーンも手伝って現在の入札価格は225,000ドル(現在の為替レートにて約3450万円)にまで上昇しており、かつ終了までには12日を残しているため、まだまだ価格が上がるのは間違いないかと思われます。

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参照:Bring a Trailer

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