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フォード「これからは過去の名車のリバイバルに注力するかも」。中国車や韓国車が競争力をつける中、その歴史を武器にして「ストーリー」を重視したブランディングへ

2021/09/25

フォード・ブロンコ

| フォードだけではなく、スーパーカー/ハイパーカー市場もまた、新興勢力の脅威にさらされている |

エレクトリック時代になると、さらに中国のメーカーがそのポジションを上げてきそうだ

フォードによると、「過去に発売していたクルマの名を復活させる可能性がある」。

しかしその反面、ルノーやホンダ、日産のように、レトロなデザインを行うことはない、ともコメントしています。

なお、この「かつての名称を復活」については現実味があり、というのも直近だと「ブロンコ」、その前だとクーガ、プーマを復活させているため。

そして今後は「カプリ」「プローブ」のリバイバルも検討している、と報じられています。

なぜフォードは過去のリバイバルを?

フォードによると、過去のクルマや名称を復活させる理由としては「自分たちをどのように位置づけるか」を考えた結果だと語っており、「現在、中国の自動車メーカーは非常に競争力の高い製品を発売しており、韓国車は美しいデザインと強力な技術力を持ち、我々をおびやかしている」とも。

そして「これから」を考えると、そういった競争はますまず厳しくなり、よってフォードとしては「過去の人気モデルという固有の資産があり、それを活用して製品をエモーショナルにし、他のブランドにはないストーリーを語ることができると思います」と考えたようですね。

つまり、フォードはデザインや技術、もちろん価格においても中国車や韓国車と張り合うことが難しいと考え、かわりの対抗手段として「歴史」を持ち出してきたということになりそうです。

実際のところ、フォードはフォード・マスタング・マッハEの例を挙げ、象徴的な名前を新型車に適用することで、「他の方法では存在しなかったかもしれない重厚感を製品に与えることができる」と述べており、たしかにマッハEにマスタングの名がついておらず、まったくのブランニューモデルであれば、現在のように成功することはなかったのかもしれません(けっこう売れているらしい)。

マスタング・マッハE

同じ問題はフォードだけにとどまらない

なお、こういった「新しいライバルの出現」によって自身の再ブランディングを迫られるケースはフォードのみではなく、たとえばフェラーリやランボルギーニといったスーパーカーメーカーであっても同様だと思われます。

近年では多数の新興スーパーカーやハイパーカーが登場しており、中には思い切ったデザイン、ずば抜けた性能を持つクルマも。

そういった「むしろ老舗にはできない大胆なチャレンジ」を行うメーカーに対して「新しいこと」で挑むのは得策ではなく、そこでそれぞれの歴史を強調することで新興勢力との差異をアピールすることになり、それがフェラーリだと「ICONA」シリーズであったり、ランボルギーニだと「カウンタックLPI800-4」なのかもしれません。

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ブガッティも(登場時にはそれを売り物にしていた)最高速争いについては今後「行わない」と公言し、かわりに芸術性を追求する方向性を示していますが、「なにか他のものと比較されるようでは、それはブガッティだとは言えない」ともコメントしていて、いずれのメーカーも「比較されることがない、独自の価値」を探し求めており、フォードの場合はそれが「豊かな歴史の中で培われた過去の名車」であるということになりそうです。

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参照:Autocar

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