| アウディは拡大傾向にある電気自動車市場で「一人負け」を喫する |
一方、フォードやヒョンデといった既存自動車メーカーの販売が伸びる
さて、現在自動車市場としては第二位のアメリカにおける2022年上半期の販売台数が発表され、これによるとテスラが高級車セグメントにおけるナンバーワンの座をさらに確実にしたことが明らかに。
統計を見てみると、今年1月から6月にかけてテスラは228,989台を販売し、これは2021年上半期の142,543台からの大幅増加となっていますが、2位のBMWは157,838台を販売したものの、この数字は2021年上半期の登録台数180,783台から13%減となっています。
つまりは1位のテスラは大きく伸び、2位のBMWは2桁減となっているわけですね。
3位は僅差でレクサスが制する
そして3位の座を確保したのは133,616台でレクサス(昨年は164,822台)、4位は133,520台のメルセデス・ベンツ(昨年は155,878台)、5位はアウディの83,471台(昨年124,403台)。
これを見るとBMWの落ち込み幅は「まだマシ」なほうで、レクサス、メルセデス・ベンツ、アウディはさらに大きく販売が減少していることもわかります。
もちろん上の数字は電気自動車だけではなくガソリン車も含む数値となっていますが、電気自動車だけに絞っても当然ながらテスラの販売はトップであり、なんとテスラが電気自動車市場の68%を占めるという驚きの結果に。
テスラはやはり圧倒的な強さを誇る
電気自動車市場のモデル別販売を見てみると、2022年1月〜6月でもっとも売れたEVはテスラ・モデルYの103,215台(モデルYだけで、アウディの全車種を足したよりも多くの台数を売っている・・・)、次いでモデル3の97,075台(これもアウディの全台数より多い)、3位は大きく差が開いてマスタング・マッハEの18,399台、4位はテスラ・モデルSの15,317台、5位はテスラ・モデルXで13,382台、6位にはヒョンデ・アイオニック5が13,200台で食い込みます。
ちなみにですが、ブランド別だとフォードは昨年比で200%(2倍)、キアは600%、ヒョンデは150%、ポールスターは800%、アウディは16%という販売台数だそうですが、キア、ポールスターはこれだけ伸びたにもかかわらず実際の販売台数では6位までに顔を出しておらず、つまりは「もともとの台数がかなり少なかった」のでしょうね。
そしていかに「パーセンテージ」が大きくとも、台数ベースだとテスラのほうがよっぽど大きく伸びているということもわかりますが、驚くべきはアウディの16%という数字で、拡大著しい電気自動車市場において極端に販売を減らしており、ほかブランドにシェアを奪われてしまったと考えていいのかも(フォルクスワーゲングループはシビアな人事を行うので、おそらくはアウディの北米法人のトップの首が飛ぶだろう)。
ここでちょっと注目すべきは、リビアンやルシードと言った新興EVメーカーではなく、フォードやヒョンデといった「これまでの」既存自動車メーカーのEV販売が伸びていることであり、新興EVメーカーが牽引してきたEV市場を、既存自動車メーカーが「かっさらってゆく」ということなのかもしれません(ただしアウディはこれに乗り遅れた)。
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参照:Auto News