>テスラ(TESLA)

イーロン・マスクCEO「私が推測するならば、おそらく中国のどこかの会社がテスラに次ぐ存在になる可能性が最も高い」。やはり脅威は中国からやってくる

2023/01/29

テスラ

| その「どこか」とはBYD以外には考えられず、さすがにテスラといえどBYDの価格には対抗できないだろう |

そしてBYDにはほかの中国の自動車メーカーも対抗できない

さて、テスラがEVを発売して以来、アメリカはもちろんのこと世界各国で「打倒テスラ」を掲げた自動車メーカーが設立されたり、既存自動車メーカーもテスラに対抗すべくプロジェクトを立ち上げていますが、テスラCEO、イーロン・マスク氏によると、テスラに対抗できる自動車メーカーがあるとすれば、それは中国から出るだろう、とコメントしています。

なお、同様の発言は以前にもなされていますが、今回だとテスラの2022年四半期決算説明会においてライバルについて質問された際、イーロン・マスクCEOが「中国の自動車メーカーが "最も懸命に働き、最も賢く働いている "」とコメントしたもよう。

テスラは様々な観点から中国を高く評価

イーロン・マスクCEOは他社だけではなく自社の中国人スタッフも高く評価していて、「中国人社員は会社から帰ろうとしないが、アメリカ人はすぐに家に帰りたがる」と語ったことも。

そして実際にはカリフォルニアやテキサスのギガファクトリーの生産性を向上させるために中国からスタッフを呼び寄せており、その勤勉性のみならず、労働の「質」においても高く評価しているという事実もわかります。

テスラ
テスラがテキサス工場の稼働率を工場させるために中国の管理者を招聘。いつの間にアメリカ人は中国人に教えを請わなくてはならなくなったのか

| いつの間にか中国人は勤勉で知られ、高い品質の製品を生産するように | まさかアメリカ人が中国人に色々と教わる時代が来ようとは さて、先日「テスラ上海工場のスタッフが、同じくテスラのカリフォルニアに ...

続きを見る

さらにイーロン・マスクCEOは「私が推測するならば、おそらく中国のどこかの会社がテスラに次ぐ存在になる可能性が最も高い」とも述べていて、中国にて生産を行い、中国において多くのEVの販売を行っているからこそ、中国の自動車メーカーの脅威を身を以て体感しているのかもしれません。

今のところ驚異となるのはBYD

なお、今回イーロン・マスクCEOは「中国のどこかの会社」とだけコメントしており、具体的な社名については言及していないものの、今の時点でもっともテスラを脅かす存在となる可能性が高いのはやはりBYD。

中国にはNIOやシャオペンなどいくつかの有力メーカー、そして雨後のタケノコのように無数のEVメーカーが存在しますが(400社くらいあるらしい)、現在利益をあげているのはBYDのみだといい、そして2022年におけるEV販売台数においてBYDはなんと184%という驚異的な伸びを見せています。

中国BYDがさらに伸び、中国におけるEV販売でテスラを抜く勢い。さらに来年には2つのブランドを立ち上げてテスラを引き離しにかかる。なぜここまで伸びたのか?
中国BYDがさらに伸び、中国におけるEV販売でテスラを抜く勢い。さらに来年には2つのブランドを立ち上げてテスラを引き離しにかかる。なぜここまで伸びたのか?

| BYDは現在、ガソリン車の販売を終了させてEVのみの販売に特化している | 中国の数ある自動車メーカーの中でも、BYDはひときわ異彩を放っている さて、中国BYDは現在「中国のEVメーカーの中で唯 ...

続きを見る

そして驚くべきは「伸び率」がテスラの40%増を大きく超えただけではなく、販売台数においてもテスラの1,313,851台に追いつかんばかりの911,410台を販売しており、この勢いだと2023年にはテスラを超える可能性が非常に高いと考えていいのかも。※PHEVを含めると1,868,543台を販売している

中国の自動車メーカー、BYDの利益が「前年比2.62倍」に

そこで気になるのが「なぜBYDはそこまで販売を伸ばすことができたのか」ですが、その理由は価格帯にあり、BYDのEVの価格帯はおおよそ200万円〜350万円に収まっており、テスラはもちろん、他の中国の新興EVメーカーに比較するとかなり安くなっています。

そして安く販売できる理由は「自社でバッテリーを生産しているから」だとされ、これによって安価に車両を製造できるだけではなく、安定した供給も可能となっているわけですね。

そして他の中国EVメーカーはこれに対抗できずに利益を失い続けているとされ、このままではBYDが中国市場を制覇し、ほかのEVメーカーを淘汰してしまうかもしれません。

中国
好調ばかりが報じられる中国のEVメーカーだが、実は1社を除いて軒並み巨額の赤字を記録していた!そのうち倒産ラッシュとなる気配

| 中国では「後先考えず」とにかく売りまくるというビジネススタイルも珍しくはない | 商品力よりも、その経営戦略が業績を大きく左右 さて、現在中国では様々な優遇政策に引っ張られる形で電気自動車の販売が ...

続きを見る

ちなみに中国では(どこの市場でもそうではありますが)価格に対して消費者がかなりシビアであり、それはテスラが中国で値下げをしたとたん「飛ぶように売れた」ことでもわかります。

テスラ
やはり値下げの効果は大きかった?中国にてテスラの販売が急増、そして米国では新規投入した廉価グレードが一瞬で完売。これからEVは仁義なき価格競争に突入か

| テスラはこの状況を見越して「値下げ競争下でも生き残ることができる」ようにコスト管理を行ってきたようだ | おそらくは「ついてこれない」新興EVメーカーが大量に倒産することになるのかも さて、テスラ ...

続きを見る

そう考えると、テスラがBYDに対抗する唯一の方法は「2万5000ドルの」EVを投入するしかないのかもしれず、イーロン・マスクCEOはそれをわかっているからこそ、廉価版EVの投入を急いでいる可能性がありそうです。

テスラ
テスラが新型EVについて言及!「生産コストはモデル3 / モデルYの半分となり、販売台数は現在の全テスラを凌ぐものとなるだろう」。これによって利益の大幅増・株価高も期待

| テスラが新型EVについて触れるのはかなり久しぶりのことでもある | これまでにもテスラはひたすら生産効率を追求してきた さて、テスラCEO、イーロン・マスク氏が「次世代EVプラットフォームの製造コ ...

続きを見る

合わせて読みたい、関連投稿

テスラ
テスラ中国のNO.2がテスラ本社のNo.2に昇進し「イーロン・マスクの次に偉い人」に!寝食を忘れて上海工場の立ち上げに従事、世界第一の工場に成長させた人物

| たしかにイーロン・マスクCEOは「アメリカ人に比べて中国人はよく働く」とコメントしていた | できればツイッター、スペースX、ボーリングカンパニーでも経営に関われる人物を探し出してほしいものだ さ ...

続きを見る

トヨタの中国におけるパートナー、BYDがエレクトリックハイパーカー「仰望 U9」を発表!0-100km/h加速2秒という驚愕の加速を誇り、お値段1800万円
トヨタの中国におけるパートナー、BYDがエレクトリックハイパーカー「仰望 U9」を発表!0-100km/h加速2秒という驚愕の加速を誇り、お値段1800万円

| 中国の多くの自動車メーカーは「ディヘドラルドアを持つハイパーカー」に強い憧れがあるようだ | すでにいくつか同様の仕様を持つエレクトリックハイパーカーが発表済み さて、日本にも進出し、もっとも利益 ...

続きを見る

中国BYDが高級ブランド「仰望」を立ち上げ、第一弾となるU8を発表。1,115馬力、0-100km/h加速3秒のハイパーオフローダー。価格性能比だと日米欧のメーカーは対抗できない
中国BYDが高級ブランド「仰望」を立ち上げ、第一弾となるU8を発表。1,115馬力、0-100km/h加速3秒のハイパーオフローダー。価格性能比だと日米欧のメーカーは対抗できない

| もしかすると日米欧の自動車メーカーは中国市場を諦めないといけない時代が来るのかも | 今後の中国市場は今までのようには物事が運ばないだろう さて、今年に2つの新しいブランドを発表するとコメントして ...

続きを見る

参照:Bloomberg

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->テスラ(TESLA)
-, , , ,