アメリカの中古車市場において、価格下落が続くとの見通し。
今年は6%、来年は5%下落する、とみられているようですね。
なお、この原因は二つあり、一つは「リースアップ車両が大量に市場に出てくる」こと、もう一つは「SUV人気が年々高くなっていること」。
リースアップにおいては以前に日産の販売方法について指摘しており、リースは法人が大量に注文するため、販売側としては「台数を稼ぎたい」時に非常に有効。
特に現在日産は台数を追求しており「世界一」を狙おうとしているため、数年前からこの「リース」に大きく頼っている、と言われます。
そのために大口に対して大きく値引いて販売する傾向がある、と指摘されていますね。
これによって通常販売に比べて利益単価が下がることが一つの問題で、そしてリースが終了すればメーカーがまたこの車両を買い戻して中古市場へと送り出すことになり、中古市場に台数が「ダブつく」のもまた問題。
※アメリカのリース形態は日本とは少し違う模様
そして在庫がダブつくと中古相場が下がりますが、リース車両は通常セダンばかりなのでSUV人気の高い現在ではなかなか「売れず」、ここでまた相場が下がることに。
正確に表現すると「中古車が売れない」というよりは「SUV以外が売れない」ということになり、アメリカにおけるこの極端な人気の差はなんなのか、と考えたりします。
なお、SUV人気には「ガソリン価格」も関係しているとされ、2104年には1ガロン当り3.44ドルだったガソリン亜価格が今では2.28ドルに下がった、とのこと。
ガソリンが高かった頃はアメリカでもハイブリッドやEVが非常に重要視されたようですが、ガソリン価格が下がると「ちょっとくらい燃費が悪くてもSUVの方がいい」と考える人が多く出てきた、ということですね。
アメリカでは日本より一足先に「カムリ」が登場していますが、これについてもこれまでほどの販売は期待できないだろうとされており、とにかくアメリカでは「SUV偏重」。
アメリカは現在世界第二位の自動車市場ですが、各メーカーともアメリカ重視のために「SUVに注力」しながらも現在世界第一の自動車市場となる中国の将来のために「EV重視」という二つの”一見矛盾しているような”方向性を採用せざるを得ないのはなんとも奇妙な現実だと思います。