| 日本とドイツでは自動運転に対する責任の所在が真逆に |
損害保険ジャパン日本興亜の調査によれば、自動運転走行時による事故発生時の責任の所在の捉え方について、欧州と日本では大きな差がある、とのこと。
具体的には、日本人の場合、自動運転中に事故が発生した場合「運転者に責任がある」と考え、逆にドイツ人は「自動車メーカーに責任がある」と考えている模様。
日本では自動運転への理解が低い?
損害保険ジャパン日本興亜の見解だと、「ドイツ人のほうが自動運転技術の認知や理解度が高く(どんなものかわかっている)」安心感を持っており、逆に日本では「自動運転がそもそもどういったものかに対する理解が進んでいない」ということが信頼感の低さに繋がっていて、ひいては責任も「ドライバーにある」という考え方にリンクしているのでは、ということ(日本での自動運転=ドライバーズアシスト、というくらいなのかも)。※日本の自動車メーカーがさほど自動運転に取り組んでいない、ということも関係していそう
なお損害保険ジャパン日本興亜がドイツとの比較を行ったのは、現在の日本の損保システム自体がドイツのそれを参考にしたものであるためだと述べていますが、今後自動運転が段階的に普及してゆくにあたっては損保各社も「どうしたものか」と考えあぐねているのでしょうね。
ちなみにドライバーズアシストが充実したクルマの普及によって自動車保険の料金は下がる傾向にありますが、自動運転が普及し、しかしそれ自体が「リスク」とみなされると、自動運転機能搭載車の保険料が高額になる可能性も。
というのも今回のテスラの(運転中)死亡事故やUBERの歩行者をはねて死亡させてしまった例を鑑みるに、自動運転車は「リスクの塊」。
しかも事故発生時の被害(金額)が甚大であり、正直損保各社としては「自動運転やめて」というのが正直なところかもしれませんね。
そうなると、仮に消費者が「自動運転は不要」と考えていても自動運転が「標準」でついてきて保険料が高くなったりという例も起きそうですが、当面自動運転は各自動車メーカーとも「オプション」扱いとする可能性が高く、このあたりもしばらくは混乱を招きそう。
自動運転の「レベル」は下記の通りで、これへの理解度も日本とドイツではかなり開きがある、という結果が出たようです。
ドライバーが運転に関する全ての操作を行う。レベル1
加速・操舵・制動のいずれかを車両側が行う(自動ブレーキ含む)。
レベル2
加速・操舵・制動のうち、複数を車両が行う。
アダプティブ・クルーズコントロールもこれに該当。
レベル3
加速・操舵・制動を全て車両が行うが、緊急時や自動運転システムの限界時にはドライバーが操作を行う。
なお事故時の責任はドライバー。
レベル4
完全自動運転を車両が行い、ドライバーは運転に関与しない、または存在しない。
レベル5(新設)
レベル4に加え、走行に関して限定条件がない「完全自動運転」。
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