| 彼女はその後、当然の報いを受け、罪を贖うことに |
さて、日本では何かとあおり運転が話題ですが、中国にてこれまたすごいインパクトを持つ動画が登場。
簡単に言うと、中国は重慶にて、赤いポルシェ・ケイマンに乗った女性が、路上にてUターンをしようとしたところ、SUVが邪魔でUターンができず、そのSUVのドライバーに往復ビンタをかます、というもの。
ただ、物語はそこで終わらず、後日譚を含めて紹介したいと思います。
事の起こりは7月30日、重慶にて。
赤いポルシェ・ケイマンがUターンをしようとするものの、対向車線に奇瑞(Cherry)汽車製のSUVが止まっていて転回できず。※いくつかの報道を見ると、この場所での転回は違法で、SUVも邪魔をしようとしたわけではなく、たまたまそこに停まっていただけ
そこでこのポルシェ・ケイマンに乗っていた女性ドライバーが腹を立ててクルマから降りてくるわけですね。
これがアメリカ人だったら「You!」といわんばかりの勢いで相手ドライバーを指差します。※ここだけ見ると、マイケル・ジャクソンみたいでカッコイイ
そしてツカツカとドライバーに歩み寄る女性。
ファッション誌からそのまま出てきたような、すんごいフレアパンツに大きな帽子を被っていますが、かなり踵の高いピンヒールを履いており、パンツの裾を踏んづけてしまいそうになりながらもまっすぐSUVドライバー(男性)のほうへ。
そして男性に向かってその服装を「貧しい身なり」、クルマを指して「物乞いの乗るクルマ」と罵り(ひどいなオイ・・・ぼくだったら立ち直れない)、なんとその男性に対して往復ビンタ。
なお、中国人女性はけっこう男性に対してビンタを食らわすことがあり、以前にぼくも現地にて、カップルのほうの男性が、チラリと他の女性を見るやいなや、女性の方が「他の女を見るなーー!」と叫んで男性にビンタを食らわした場面に遭遇しています。
ただ、男性もこういったシーンに慣れているのか、往復ビンタの「復」が返ってくる瞬間に女性にビンタ(グーパンのようにも見える)。
そして女性がよろめいてポルシェに手をつく、という流れとなっています。
なお、男性がこの女性を殴った際、女性の帽子があまりにも華麗に飛んでいったため、中国では「ポルシェの女オーナー(保时捷女车主)」「帽子の姉御(帽子姐)」として一躍有名に。
一時の感情は身を滅ぼすことに
なお、この女性がネット上で話題になったために警察が捜査に乗り出し、身元を突き止めたところなんとその夫は警察署長。
自身もSNSにて権力を誇示するような書き込み(違反があってももみ消してくれる)を行っていることから正論が激しく反発し、8月12日にその夫は解雇されるという事態に発展しています。
中国は華やかな一面が報じられる一方、先が見えない暗闇から抜け出せない人々が数多く存在し、こういった「不正」を見つけると一斉に叩く傾向があって、今回もこの女性の名(李月)や学歴、職業、居住地、家の広さまでもが次々暴露されることに。※重慶警察も批判をかわすためか、この女性の詳細を発表している
さらにはポルシェ他高級車や不動産の所有が報じられ、どう考えても警察署長の所得、本人の仕事による給与では購入できないものばかりであることから、現在夫妻は警察による捜査を受けている、とのこと。
この女性はひとまず転回禁止場所で転回を行ったこと、運転に適さない服装での運転を行ったカドで罰金刑を言い渡されていますが、この流れだと「これで済みそうにない」という印象ですね。
「怒り」では何も解決しない
ほんの「些細な」出来事や感情の高ぶりによって人生が一瞬にして逆転し始めたことになりますが、とにかく「怒り」は何も解決しない、とぼくは考えています。
怒りに身を任せて行動すれば今回のような結果を招きますし、一時的に怒りや暴力によって相手の優位に立ったにせよ、その後でやってくるのは「後悔の念」。
逆に怒りで人を押さえつけても後悔しないような人はそれはそれで問題ですし、とにかく怒りに支配されないようにしないといけない、と思うわけですね。
なお、ここで思い出すのはアラブの古いことわざ。
人生において、戻せないものは4つある。 発せられた言葉、放たれた矢、過ぎ去った生活、失われた機会。
現代では「昔」以上に発せられた言葉の責任が(SNS等の普及で)重くなっており、日々自重せねばなるまい、と思い知らされる事件です。
https://youtu.be/S8HwVCQxUmIVIA:Courier Japon, 胖虎视界 , 多維新聞