| なにより見た目が斬新 |
ロシアのチューニングショップ、ガレージ54が「ホイールのディスク面が透明な」ホイールを製作し、その様子を動画で公開。
ありそうでなかったホイールではあるものの、なかなかに面白い外観に仕上がっています。
これを見た中国のホイール製造メーカー、チューナーがすぐにコピーして中にLEDを仕込んだりするんじゃないかとも考えていますが(現地では、透明のLED内蔵リアウイングが流行ったこともある)、まずはその製造方法を見てみましょう。
DIYでできないこともなさそうだ
まず改造に使用するのはこのホイール。
いわゆる3ピースタイプですが、この「3ピース」というのがキモ。
次に3ピースホイールを分解してゆきます。
ホイールには「1ピース」「2ピース」「3ピース」とがあり、1ピースはごく一般的な「一体成型」で、純正ホイールはたいていこの構造。
「2ピース」は、ホイールの外周(リム)と中央(ディスク)とが分かれているもので、メリットとしてはデザイン的自由度が高くなること(一体成型では再現できないリムの薄さ、奥行きを実現できる)。
なお、リムとディスクとは「溶接」、もしくは「ボルト留め」とがあります。
そして「3ピース」は「2ピースホイール」のリムが”アウター””インナー”とに分かれているもので、構造上オフセットの変更が容易。
もちろん2ピース同様にデザイン性の高さを持つことも利点ですが、ACシュニッツァーやブラバスといったチューナー系が採用することが多いようです。
そしてこの3ピースホイールは「最高級ホイール」と評されることが多いのですが、おそらくその理由としては上述のように「高価格帯の車両を扱うチューナー」が採用したことが大きく影響しているんじゃないかと考えています。
つまりは高価格帯のクルマ対象なので数量がさほど出ず、それでもラインアップ数を増やせる3ピースホイールを採用したということにはじまり、当然製法や販売数量、対象車種のこともあってホイールが高額になったこと、メルセデス・ベンツやBMWのチューンドカーに多く採用されたことが「高級」イメージを作り上げたんじゃないかということですね。
参考までに、3ピースホイールの製造過程はホイールメーカー、SSRのサイトにも記載があります(こちらはインナーとアウターリムとを溶接している)。
そしてディスクを外した状態がこちら。
外したディスクを計測して・・・
ポリカーボネイトでディスクを作ったのがこちら(養生シートが貼ってあるので青く見えるが、実際は透明)。
ホイールに取り付けてみてサイズ感をチェック。
その後、ピアスボルトを通す穴をドリルでひとつづつ開けてゆきます(気が遠くなりそう)。
そしてピアスボルトをひとつひとつ通します。
なお、このピアスボルトは一旦外したものは「再利用」できず、都度新品を使用する必要があります。
組み上げたホイールにエア注入。
車両に装着。
ポリカーボネート自体は水族館の水槽や、防弾シールドに用いられるほどの頑丈さを持っているので、まず「割れる」心配はないのかも。
ただしボルトを通してあるところから「削れたり」、走行していると「左右方向に捻れたり」ということはあるのかも。
なお、ホイールハウスの内側が見えるのはなかなかに面白く、アルマイト加工が施されたハウジングを持つ2ピースブレーキキャリパーにビッグローター、KWのような見た目の美しいサスペンションキットを装着している場合は大きな訴求力を持つことになりそうですね(ショー用のクルマには向いている)。
一方で、普通の車に取り付けただけだと汚れが目立ったり、雨の日に走行すると汚れた水が付着し、しかしホイールの裏側はかんたんには製造できず、逆に見栄えが悪くなる懸念も。
ちなみに、このホイールを見たときにふと思い出したのがカルティエの腕時計、「ミステリーウォッチ」。
文字板が透けていて「向こう側が見える」のに加え、何にも支えがないのに時針と分針とが浮いているように見える、というものです。
こちがらその「透明ホイール」を製作する動画。
こちらは透明ホイールとは別に、スチールホイールをアルミホイール風に改造してしまう動画(これは強度的にヤバそうだ)。
VIA: Garage 54