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どうやらEVはほとんど売れてないらしい。「あと10年、20年経っても80%以上はガソリン車」という見方が大勢を占めるように

2020/03/30

| やはりエレクトリックカーの未来は暗いようだ |

ダイヤモンド・オンラインによると、「世界的に、電気自動車は想定したほど売れていない」とのこと。
数年前から自動車業界は猫も杓子も「エレクトリック」ですが、記事中にて示される欧州自動車工業会発表の数値だと、ECV(=エレクトリカル・チャージャブル・ビークル。BEVとPHEVが含まれると思われる)について、EU内では前年比53%増しの465,026台が売れており、ここにアイスランド、ノルウェー、スイスを加えると45%増(564,225台)となるものの、自動車全体(乗用車)に占める販売比率に換算すると、EUではわずか3.03%にとどまっていると報じられています。

世界のエレクトリック車販売状況はこうなっている

EU圏内でもっともECVの販売が多かったのはドイツの108,839台ですが、販売比率としては3.02%。
一方ノルウェーではECV販売台数が79,640台にとどまるものの、販売比率では56%にも達しているようですね。

ちなみにノルウェーでの販売比率の高さには理由があるようで、個人でECVを購入した場合は輸入税免除、付加価値税25%減税、有料道路/フェリー料金の無料化、ラッシュ時のバスレーン走行権などを恩恵として受けることができる、とも報じられています。

ちなみにアメリカでは約275,000台のBEVが売れたそうで、これはやはりテスラの需要が強いためかもしれません(ここからテスラを抜くと、かなり厳しい数字となりそう)。

そして現在自動車販売第一位の中国においては、BEVとPHEVが、そして燃料電池車を足した販売数が1,206,000台と相当に多く、しかしこれでも全自動車販売の4.68%にとどまり、かつ補助金が減った関係で前年比4%減という数字となっている模様。

ちなみに日本において、2019年にBEVは2万台しか売れておらず、自動車の販売全体に占める比率はわずか1%だとも報じています。

これらを見るに、ECVが売れるかどうかについてはまず「政府がどれだけバックアップするか」にかかっているかと捉えることができそうですね(アメリカの”テスラブーム”は特殊な例として置いといて)。

EVは消費者の支持を得られない

そしてダイヤモンド・オンラインでは、BEVを消費者が”買わない”理由としては「ガソリン車に比較して割高」「一回の満充電あたり走行可能距離が短い」「公共充電設備が少ない」「充電に時間がかかる」ということを調査結果として示しており、これは欧州であっても中国であっても同じ、とのこと。

なお、こういった状況はすぐに改善できるものではなく、価格を下げるのも無理、補助金にてガソリン車同等の価格にするのも財政的に無理、走行距離を伸ばすのも技術的に無理、充電設備を増やすのも国/企業ともに対応が難しく、充電にかかる時間も短くするのは根本的に不可能。

つまり電気自動車はどう考えても販売が急激に伸びる要素はないということになりそうですが、行政としては「EV化待ったなし」の方針を掲げていて、日米中/EUにおいてはCO2平均排出量を定めるCAFE規制(企業別平均燃費)が導入されており、ダイヤモンド・オンラインいわく、2018年の販売データをベースに試算するとフォルクスワーゲンは1兆1028億円、メルセデス・ベンツ(ダイムラー)は3612億円、トヨタは660円という巨額の罰金を支払う必要がある模様(実際は2020年の販売実績をもとに計算されるので、これよりも少なくなると思われる)。

よって各自動車メーカーとも、「エレクトリック化された車両を作らないわけにはゆかない(でないと罰金がどんどん高額になる)」のが実情であり、しかし消費者はBEVやECVに興味を感じないというのが”理想と現実とのギャップ”なのかもしれません。

参考までに、マツダは欧州において「2リッターのロードスターの販売台数を制限する」と発表していますが、これもやはり平均排出量を下げるための方策でもありますね(燃費のいい車の比率を上げる)。

欧州にてマツダ・ロードスター存続の危機!2リッターモデルが廃止され「販売は20%ダウンするだろう」。いったいなぜ?

現時点では調査会社、自動車メーカーによって様々な見方がありますが、もっともアグレッシブなのはフォルクスワーゲンで、2030年にはグループ会社のクルマをすべてエレクトリック化すると公言しており、その販売比率を50%まで引き上げる、とも。

BMWがEV普及に際し悲観的な意見。「2030年でも、ガソリンエンジンで走るクルマは85%」→一方VWは2030年には100%エレクトリック化の予定

一方で弱気なのはBMW。
こちらは2030年であってもガソリン車の比率が85%程度だという予測を出していますが、これが「現実」だとする向きも多いようですね。

BMW「2025年のエレクトリックカー販売比率は20%がいいところだろう」。以前の想定に反し悲観的になるもVWは「2025年に50%」の予測。将来は方向性によって明暗が分かれそう

ちなみにアメリカの調査会社でも「EVは売れない」という調査結果を出しており、「EVを売りたい行政」「EVを売らねばならない自動車メーカー」「EVに魅力を感じない消費者」という、相容れない関係が足かせとなっているのかもしれません。

米調査「2030年にEVの在庫は1400万台になる。自動車メーカーが思っているほどEVは売れないだろう。彼らは需要を見誤っている」

VIA:DIAMOND ONLINE

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