| さらには激安タイヤの中でも結構性能差がある |
ナンカンはコストパフォーマンスが高く、ダブルコインは安全性の観点から「買ってはいけない」
さて、どんなに高性能なクルマであってもタイヤの性能を超えて走ることができないというのは「覆すことができない現実」です。
それはF1にて「タイヤをワンメイク化することで」一定のイコールコンディションを作り出している(同時にコンパウンドの選択や、タイヤの性能を引き出す方法が重要になる=タイヤ性能の限界ギリギリで走る)ことからも理解できるかとは思いますが、幸いなことに市販車ではいくつかの選択を行うことが可能であり、しかし選択肢が複数存在するからこそ「タイヤの選択」が非常に重い意味を持つわけですね。
プレミアムタイヤと激安タイヤはどれほど性能が異なるのか
そこで今回タイヤレビュワーが動画にて公開したのが「プレミアムタイヤと激安タイヤではどれくらい性能が異なるのか」。
これはなかなか試そうと思っても試すことができず、しかし非常に興味があるトピックであるのは間違いないと思います。
そこでユーチューバーであるタイヤレビュワーが「同じ環境、同じクルマ、しかし異なるタイヤ」を用いたテストをYoutube上に公開しており、その「驚くべき結果」を見てみましょう。
まず、今回のベンチマークとして登場するのはベンチマークとしてのコンチネンタル・プレミアム・コンタクト7。
価格としてはコンチネンタル・プレミアム・コンタクト7が86.19ユーロ、しかしそのほかは40~50ユーロ代という価格帯で、銘柄としては「Nankang(ナンカン) Econex NA1」、「Davanti DX390」、「Winrun R330」、「Tomket Sport Series 1」、「King Meiler Sport 1 KM」、「Triangle SporteX TH201」、「Maxtrek MAXIMUS M1」、「Double Coin(ダブルコイン)DC99」の8つです。
そこでまずはウェットブレーキングのテスト(時速80キロからの制動)につき、その結果はこんな感じ。
もちろん最も短い距離で停止したのはコンチネンタル・プレミアム・コンタクト7(31.58メートル)ですが、最も制動距離が長かったダブルコインDC99は停止までに15メートルほども長い46.04メートルを要しています。
テストを行ったのはこういった「濡れた路面を意図的に作り出した状況」で・・・。
障害物(人形)を設置したテストも行っていますが・・・。
制動距離が長いと障害物にヒット。
いかに制動距離が長いことがドライバーにとっての恐怖、そして歩行者にとっての危険であるかがわかります。
そのほか、プレミアムタイヤと激安タイヤではこうも性能が異なる
そして次はドライブレーキング(時速100キロからの制動)ですが、ドライだとそこまで大きな差異はなく、しかし冷静に考えると最短と最長では10%ほども差異があるわけですね。
その後テストはさらに続き・・・。
全長1.3kmのサーキットを走ってみるとこれだけのタイム差が生じます。
こちらはノイズ。
意外や激安タイヤのノイズが低くなっていますが、上位の激安タイヤはブレーキングやハンドリングの性能が低いものばかりなので、トレッドパターンが「詰まって」いるのかもしれません(ブロックとブロックの間隔=溝が狭い)。
転がり抵抗についても同様で、激安タイヤが上位に来ているものの、これは単に「グリップが低い」可能性も考えられます。
ただ、コンチネンタル・プレミアムコンタクト7が「グリップに優れる」ことが立証されているので、これに関しては「(グリップが低いのではなく)精度が高い」ということになりそうですね。
ただしコンチネンタル・プレミアムコンタクト7とて万能ではなく、プレミアムタイヤである割には転がり抵抗やノイズ、水はけなどが「平均にとどまる(悪いわけではない)」という評価も。
ポジティブな面としてはドライ/ウエット時のハンドリングや制動性能であり、安全性にかかわる部分は非常に優れていると考えて良いかと思います。
タイヤレビュワーとしては「プレミアムタイヤと最高の安物タイヤの差は、最高の安物タイヤと最悪の安物タイヤの差よりも小さい」としており、トータルで見て「ナンカンタイヤはお値打ち」「ダブルコインは買ってはいけない」。
とくにダブルコインは盛大なアンダーステアとオーバーステア両方が派生する「最悪のタイヤ」だと評しており、「タイヤ選びは安全性の観点から行うべきである」と結論付けており、プレミアムタイヤには「プレミアムなだけの」価値があると述べています。
加えてですが、F1だと「タイヤの性能を以下に引き出すか」が一つの競争力を左右するポイントであり、ここから類推するに、スーパーカーは「車体と一緒に設計されたタイヤとのコンビネーションにて最大のパフォーマンスを発揮する」ように作られていると考えてよく、これが「指定タイヤを選ぶべき」理由だと考えていいのかもしれません。
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参照:Tyre Reviews