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英国にて「このままEVが増えると、一部の古い立体駐車場はその重さに耐えることができず倒壊の危機がある」ことが表面化。駐車場の構造設計が見直されるという事態に

2023/04/15

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| 急激なEVの普及はおそらく想像だにしなかった問題を引き起こすことになるのかも |

ただし新型バッテリーの普及次第では「むしろガソリン車よりも軽いEV」が作られる可能性も

さて、EVはそのバッテリーに起因して車体が重いというのが一般的な認識ですが、今回英国で「EVの重さがインフラの一部を危険にさらしている可能性があり、古い立体駐車場がEVの重量のために倒壊する危険性がある」という報道がなされてちょっとした話題に。

なお、電気自動車は「環境問題」という大義名分を盾として「無理やり」と言ってもいいほど普及が促進”されている”状態ですが、インフラが整わないままに登録が進んでいる状態なので、「その重量が道路に与える影響」、そして今回のように「建物に与える影響」がなんどか指摘されており、さらには一部リフトもしくはエレベーター式駐車場がEVの重量に対応できないといった問題もあって、いろいろなところに(急速に普及しているがための)歪みが生じているわけですね。※「なりゆき」に任せながら普及するのであれば、こういった問題は起きにくい

駐車場倒壊は現実の問題となりつつある

上述の通りEVは重く、フォードF-150ライトニングだと3,126kgで、これはガソリンエンジン搭載版のF-150ラプターに比較して450kgくらい重く、ハマーEVだとその重量は4,103–4,282kgにも達しています。

これらはやや極端な例であり英国へと入る可能性は高くないかもしれませんが、英国で”普通”に走る可能性が高いメルセデス・ベンツEQSで2,530kg、EQS SUVでは2,810kgもあり、現地専門家によれば「あまり心配したくはないが、状態の悪い初期の駐車場の一部が崩壊する可能性は間違いなくある」。

【動画】メルセデス・ベンツがEQシリーズのフラッグシップ「EQS SUV」を発表!意外と普通な外観に対し、やはり内装はスゴかった

これは駐車場コンサルタントで構造エンジニアのクリス・ワップル氏が現地メディアに対して語ったもので、インフラの老朽化により一部の駐車場が座屈の危険にさらされている」とも述べており、もしこれが実現してしまうと(そうなってほしくはありませんが)目も当てられない状態となりそうです。

そしてこういった問題は机上の空論ではなく目前に迫った危機だとされ、イギリスでは2030年に「ガソリンエンジンを搭載した新車の販売禁止」を推進しているということもあり、現在英国駐車場協会では駐車場構造に関する新しい指針を作成している最中だとされ、これは現在1平方メートルあたり2.5キロニュートンに定められるコンクリート製駐車場の床の荷重制限を1平方メートルあたり3キロニュートンに引き上げるという内容を含んでいます。

実際に建て替えが進むかどうかはわからない

ただしEVが普及しはじめているからといって、その重さにあわせて駐車場を「建て替える」というのは建物のオーナーにとってはあまりに負担が大きく、そのためオーナーによっては「重量の重い大型EVは駐車不可」として当面の場をしのぐ可能性も。

そしてこの問題はイギリスのみではなく、アメリカの立体駐車場であっても「多くの駐車場がEVの重量増加に対応できていない」という統計があるそうで、さらにアメリカの場合は上述のフォードF-150ライトニングやハマーEVのように「スーパーヘビー級」EVも珍しくはないため、さらに問題が大きくクローズアップされることになるのかもしれません。

ちなみにですが、ガソリン車を対象とした環境活動家の抗議運動は珍しくはないものの、先日は「ガソリンエンジン搭載であろうがEVであろうが、SUVを標的とした」抗議活動が行われており、これはもちろんSUVは大きく重いので、そのぶん危険性が大きくインフラや人々に与えるインパクトが大きいから。

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この抗議活動はやや極端に思えるものの、実際に駐車場倒壊が発生すると、EVであっても「重い」クルマが悪者扱いされる日がやってくるのかもしれません。※アメリカでは、EVはインフラに悪影響を与えるにもかかわらず税制的な優遇を受けており、それが不公平だという動きが活発化している

テスラ
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参照:Telegraph

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