NYにて「スピード違反常習者のクルマには、強制的に制限速度以上で走れないようにする装置」の装着が義務付けられる可能性。NYには3％の常習犯が存在

｜　NYはじめアメリカでは日本とは比較にならないほど速度違反起因の死亡事故が起きている　｜

「常習犯」は罰金をもってしてもその行動を改めさせることはできないようだ

さて、ニューヨークにて「スピード違反を繰り返すドライバーのクルマには、制限速度以上で走行できないようにする”強制リミッター”を装着するという法案が可決される可能性がある、との報道。

なんでもニューヨークには「3％の」いっこうに自身の行動を改めない速度違反常習者がいるといい、今年4月には制限速度を超過して走行していたクルマに31歳の女性がはねられて死亡したという事件が発生しています。

こういった状況を受けてアンドリュー・グナーデス上院議員とエミリー・ギャラガー下院議員が上述の法案を提出したわけですが、これはかなりアグレッシブな行動でもあり、現地でも大きな反響を呼んでいるもよう。

すでに飲酒運転常習者のクルマには「飲酒時にエンジンを始動できない」装置が装着済み

この法案では、スピード違反監視カメラや信号無視監視カメラに捉えられ1年間に6枚以上の違反切符を切られたり、18ヶ月の間に免許証に11点の点数をつけられたりした場合、裁判所命令により、自分の車に速度制限装置を取り付けなければならくなるもよう。

実際にこれを取り付けて作動させるのは容易ではなさそうですが（けっこうクルマの深い部分まで干渉しなくてはならない）、クルマが走行できる最高速度を時速30マイル（約48キロ）または市の制限速度を時速5マイル（約8キロ）超過する範囲にまで下げることになり（一応多少の超過は許されるようだ）、この機構はすでにニューヨーク州が飲酒運転を繰り返すドライバーのクルマに装着を義務付けている”点火インターロック装置”にヒントを得たものだと報じられています。

ニューヨークの違反に対する罰則は日本とはやや異なる

なお、ニューヨークに設置されているカメラは（プライバシーの関係か）クルマのナンバーを特定することはできるものの、人物を特定することはできない仕様だといい、これを悪用すれば「何度カメラに速度違反を捉えられようとも、そのクルマの所有車として罰金さえ払えば運転免許に傷はつかない」のだそう（ただ、現行犯であればドライバーが特定されるので違反点数が加算される）。

こういった理由もあって違反を繰り返すドライバーが後を絶たないのが現状だそうですが、このあたりは日本とはやや事情が異なるところでもありますね。

今回の法案提出について、アンドリュー・グナーデス上院議員が語ったのは以下の通り。

もしあなたが、私たちの街の路上でスピード違反をしたり、無謀な運転をしたりした過去があるのなら、私たちは文字通り、あなたにスピードを落とすよう強制します。この新しいルールは、ニューヨーク市のドライバーのうち最悪の3パーセントと評される人々の行動を是正するためのものです。スピード違反の切符を5枚、6枚、7枚、10枚、15枚、20枚と切られ、何の影響も受けずに無謀な運転をしているドライバーの集団が根強く存在する。このようなドライバーは、路上で最も危険なドライバーなのです。

州議会がこの法案を可決するかどうかは不明ではあるものの（州議会は過去にも同様の措置に抵抗を見せている）、ニューヨーク市は交通事故死者数の増加の真っただ中にあり、統計によると、2023年にはすでに131人が交通事故によって死亡していますが、その数は2018年以降も増加中だといい、この傾向に歯止めをかけるためにどこかでこういった法案が認められることになりそうです。※アメリカでは交通事故の原因、そして死亡事故の原因としてスピード違反が多くを占め、数年前のデータでは速度違反による年間の死者数が11,200人、それに対して日本は210人程度である

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参照：amNY, etc.