ポルシェ・タイカンは「中古市場での値下がり王」。”下がる”と言われたテスラの15％よりも大きい26％の年間下落率を見せて圧倒的トップに

｜　ポルシェ・タイカンの場合、もともと「高価」であった値付けも災いしているようだ　｜

さらには「セダン」というボディ形状も大きく響き、中古EV市場においてはSUVのほうが「下がりにくい」もよう

さて、テスラ車の中古価格が大幅に下落しているというニュースが世界を駆け巡っていますが、これはおよそすべてのEVにも通じるものであり、実際に統計を取るとポルシェ・タイカンがもっとも「値下がりするEV」ということが明らかに。

米中古車ポータルサイト、iSeeCarsによって発表された調査によると、中古EVの価格は昨年と比較して15.1％下落しており、 テスラだと13.6％も急落して平均価格は32,198ドルへ（つまり下落率は平均値よりも小さい）。

一方、「モデル別」の価格下落率を見てみると、ポルシェ・タイカンが26.5％もの価値を失い、値下がり率トップとなっていることも判明しています。

中古EVの平均価格は「ガソリン車と同じレベル」に

そのほか特筆すべき数値としては「中古EV全般の価格が（ガソリン車を超える速度にて）大きく下がっている」ということで、これはある意味で「EVを購入するチャンス」。

上述の通り、最新（登録から1～5年を超えたという分類）の中古電気自動車の価格は昨年と比較して15.1％も下落しており、その平均中古価格は32,198ドルとなり、昨年から5,709ドル安く、ガソリン車の平均中古価格31,281ドルとほぼ同じという数字。

つまり新車のEVはガソリン車に比較して高価であるものの、中古だとガソリン車と同じ価格で購入できるということを意味しますが、EVは維持費が安価なため、使用環境によっては「中古EV」が非常にお得という場合も考えられます。

ただ、気をつけないとならないのは「EVは売却時に大きく価値が下がる」ということで、たとえ安く購入できたとしても「売るときはさらに安い」可能性もあるわけですね（よって、乗り潰す覚悟でないと場合は中古EVという選択肢有用ではないのかも）。

こんなブランド、そしてこんなEVの価値が下がる

そこでざっと「（EVの）値下がりが大きいブランド」「大きく値下がりするEVブランド」を見てみると以下の通りで、しかしまだテスラ以外のブランドにとってはEVラインアップが安定しておらず、発売間もないものも多いため、この数字についてはまだまだ現状を反映していないと考えることも可能です。

参考までに、iSeeCarsは、テスラの中古相場急落の原因を、「新車価格の低下、古くなった製品ラインアップ、新車および中古EVの需要の停滞」などの要因によるものだと判断しており、つまり昨今報じられるようにイーロン・マスクの政治的な変化が一部の顧客を遠ざけ、オーナーに対する批判を招き、テスラの魅力を制限したことが影響している、と述べています。

そしてこちらが「もっとも中古相場が下がったモデル」のランキングですが、このリストにはガソリン車も含まれていて、しかしそれでもタイカンの価格が大きく値下がりしていることがわかりますね（意外なことに、メルセデス・ベンツEQSやEQEは入っていない）。

これらを見ると「買ってはいけない」クルマがわかるように思いますが、とにかくEVの中古価格については下落のスピードが早く、しかし逆の方面から見ると「価格が下がりきった中古EVを買うことができれば、（買うときは）ガソリン車よりもお得、あるいは上のランクのクルマを買えるかもしれない」ということもわかりますね。

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参照：iSeecars