
| トランプ政権の関税政策が直撃 |
アストンマーティン、2025年第1四半期は厳しい出だし
さて、アストンマーティンが「アメリカ向けの輸出を当面の間制限する」と発表。
その理由は(ほかメーカーと同じく)2025年に発効されたアメリカ政府の25%輸入関税の影響で、つまりは「25%の関税を反映させた価格設定を行うと、米国内ではとうてい売れない価格になってしまい、そもそも輸入する意味がないから」ということに。
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現在のアストンマーティンの状況まとめ
- 米国への新車輸出を一時的に停止
→ 少なくとも6月初旬まで新規在庫の供給なし - 売上:前年同期比 -13%(約3億5,600万ドル → 約3億1,100万ドル)
- 粗利益率:28%減(約8,650万ドル)
- “スペシャルモデル”の販売:69%減少
→ ヴァラー(Valour)やヴァリアント(Valiant)など、前年45台 → 今年14台
【アストンマーティンCEOのコメント】「状況を慎重に見守る」
そして現状につき、アストンマーティンCEO、エイドリアン・ホールマーク氏は次のようにコメントしていますが、アストンマーティンは英国外で生産を行っておらず、かつ米国は世界最大の市場のひとつ(2025年第1四半期だと販売の1/3超を米国が占める)でもあるため、この影響は甚大であると見られています。
「アメリカの関税政策とマクロ経済の不確実性を慎重に監視している。市場環境に応じて柔軟に対応していく」
アストンマーティンの在庫、そして値上げは?
現在の状況だと「6月初旬までは米国に在庫があり、販売の継続は可能である」とされていますが、この関税が今後も継続されたとなると「値上げは避けられず」、そうなるとそのコストは「アストンマーティンと顧客との間」で分担することとなるもよう(その比率は未公表)。
つなりは25%のうちいくばくかをアストンマーティンが負担し、残りを顧客が負担することになりますが、これによってアストンマーティンの利益が圧迫されるとともに、ある程度の顧客がアストンマーティンから離れてゆくことが予想され、「利益と販売」両方の面から同社が苦しめられることも考えられます。
ただしその一方で明るい材料もあるといい、これらによって2025年後半〜2026年には利益率の回復を見込むとしており、業績の落ち込みをある程度はカバーできるのかもしれませんね。
- ヴァンテージやDB12などのスポーツ&GTモデルの販売は12%増加
- パーソナライズ(カスタム)サービスの需要増加による1台あたりの利益増加
- 2025年夏には新型ハイパーカー、ヴァルハラ(Valhalla)発売
- 新型ヴァンキッシュ(Vanquish)など新バリエーションも柄リバリー開始予定
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