
| モデルY刷新でも売上回復せず ― フランス・デンマークでも50%以上減少 |
状況は想像していたよりも「深刻」である
かねてより不振が報じられるテスラですが、ヨーロッパにおいては「さらに」深刻な販売不振に陥っており、頼みの綱であった新型モデルYも販売にはほとんど寄与していないとの報道。
これによると、2025年4月のウェーデンでは前年同月比で80.7%の販売減少を記録したほか、フランスでは59.4%減、デンマークでは67.2%減となっており、
4カ月連続の欧州販売減少が明らかとなっています。
-
-
テスラが世界中で販売を失う中、VWグループのEVが代わりに選ばれることで59%も急成長。世の中、何が起きるかわからないものである
| ただし、幸運は準備をしておいたものだけに訪れる | こういった形でテスラが販売を失うとは、誰も予期し得なかったであろう さて、フォルクスワーゲングループが2025年第1四半期の販売状況を公開してい ...
続きを見る
【テスラの欧州における販売台数の推移(一部抜粋)】
国名 | 2024年4月 | 2025年4月 | 減少率 |
---|---|---|---|
スウェーデン | 1,052台 | 208台 | -80.7% |
フランス | 不明 | 863台 | -59.4% |
デンマーク | 不明 | 180台 | -67.2% |
ノルウェー | シェア18% → 11%へ | - |
【なぜ、これほどまでにテスラの販売が落ち込んだのか?】
テスラ側は2025年第1四半期の不調を「モデルYのリフレッシュに伴う生産切替の影響(新型に切り替わるまでの間、工場での生産を一時停止する必要があったため)」と説明してきましたが、2025年4月の段階だとすでに新型モデルが投入済みであり、つまりテスラが行っていた説明では「納得できないレベルの」大幅な減少が続いています。
【テスラの販売の落ち込みにつき、考えられる要因】
- 中華系EVメーカーの台頭
→ ノルウェーでは中国メーカーのシェアが12%に上昇 - 価格競争に敗れる
→ 中国EVの方が安価で高性能な選択肢として人気 - イーロン・マスク氏の発言がブランドイメージに影響
→ 特に欧州では政治的立場が購買層と乖離しつつある - 販売戦略の停滞と経営陣の不安定さ
→ CEO交代の噂や明確な次の一手が見えない状況
今後のテスラの展開における注目点
- テスラは今後この販売減をどう説明・対応するのか?
- モデルYのリフレッシュ版は販売回復の起爆剤にならなかった
- 「新CEOを探している」という公式発言の行方は?
- 値下げか?新モデルか?それとも戦略転換か?
【まとめ】
テスラは今、ヨーロッパでかつてない販売危機に直面しており、一時的な減少ではなく構造的な競争力低下が始まっている可能性すらあり、今後同社がどう舵を切るのか、そしてモデル3刷新や次期コンパクトEVの行方が欧州市場の復活を左右するカギとなりそうです。
合わせて読みたい、テスラ関連投稿
-
-
ついにVWが悲願達成。単月ながらも欧州市場手にEV販売でテスラを超え、電気自動車販売で初のトップに輝く
| テスラは販売を失い続け、3位のBMWにも迫られる状況に | ここからのテスラの巻き返しに期待がかかる さて、2025年3月の欧州市場でフォルクスワーゲン(VW)がついにテスラを抜いてBEV(バッテ ...
続きを見る
-
-
テスラ、カリフォルニアでの販売とシェアが急落。ただしテスラの販売が減ったぶん全てがほかのEVへと流れたわけではなく、これはEV市場全体への警鐘となりうるか?
| つまるところ、いまだに「テスラに代わる選択肢」が一部の人々にとっては存在しない | ただし直近では「駆け込み需要」「いくつかのブランドの在庫処分」もあり、実態を表しているとは考えにくい さて、20 ...
続きを見る
-
-
テスラの2025年第1四半期の販売は「予想を遥かに下回り、2022年第4四半期以来最悪」の水準に。さらに状況を悪くしているのは「今後改善の見込みが低いこと」である
| いったん定着してしまったイーロン・マスク氏への「悪評」は簡単に消えそうにない | もちろん、テスラの販売低迷はその「悪評」のみによるものではないが さて、テスラが「予想よりも遥かに悪い」2025年 ...
続きを見る