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シロンで「自身のプライドをかけ」417km/hでアウトバーンを走った男が禁錮2年の判決を受け、その代償として数年間の自由を奪われる可能性。なおブガッティは「本件とは距離を置く」

シロンで「自身のプライドをかけ」417km/hでアウトバーンを走った男が禁錮2年の判決を受け、その代償として数年間の自由を奪われる可能性。なおブガッティは「本件とは距離を置く」

| 可能な限りの安全策を講じての走行だったと主張するが、「一歩間違えば」事故に至っていた可能性も否定できない |

ただし、ボクとしては彼を責めることはとうていできない

さて、先般より問題となっている、「アウトバーンの速度無制限区間にて、ブガッティ・シロンのオーナーが最高速チャレンジを行った件」の続報。

これはシロンを所有するオーナー(チェコの不動産王、ラディム・パッサー氏)がドイツのアウトバーンにて時速417キロという記録を達成し、その動画をアップしたことに端を発していますが、その後警察はこれを問題視しているという報道がなされ、そして今回、ドイツ・ザクセン=アンハルト州の警察が「ラディム・パッサー氏を書類送検した」と発表しています。

ブガッティ・シロンにて「合法に」アウトバーンでの最高速挑戦を行い414km/hで走行した男性にドイツ運輸省が苦言!「出せるからといって、どれだけスピードを出していいわけではない」
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最長で2年の禁固刑の可能性も

報道によると、同警察は「違法レースの可能性」を調査しているといい、というのもいかにアウトバーンの速度無制限区間といえども、「運転者は、いかなる他人もその状況下で避けられない以上の危害、危険、妨害、不便を被ることのないように行動しなければならない」「運転者は、車両が常に制御できる程度のスピードしか出してはならない」という、危険な運転を禁止する法律があり、これに抵触していると見ているもよう。

ただ、ラディム・パッサー氏は今回のチャレンジにおいて、事前に綿密な調査を行い、天候含む「安全が確保された環境において」行ったと述べており、考えうる限りの安全策を講じた、とも。

なお、同氏は過去(2015年)にもブガッティ・ヴェイロンを使用して(同じくアウトバーンにて)402.5km/hという記録を達成していますが、この際には下調べを含めて4年を要したそうで、こういった慎重さを見るに、同氏が「危険を冒してまで」「他車に危険をおよぼすような」行為を行ったとは考えづらい、とも認識しています。

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運輸省もラディム・パッサー氏を非難

なお、ドイツ運輸省も「速度制限が設けられていないということは、すなわちドライバーが好き勝手なことをしていいという意味ではない」と強く同氏を批判する姿勢を見せていますが、これについては「真似する人」が出ないようにという牽制を行っている、という見方も可能。

加えて、現在アウトバーンには(環境保護の観点から)速度制限を設けるべきという議論が活発化しており、そのような状況の中で今回の行為をそのままにしておくと、「政治家や警察が非難される」ことになりかねないために同氏をスケープゴートに仕立てているのかもしれません。※この動画はすでに800万回以上も再生されている

ちなみに同氏は「クルマが最も少ない曜日と時間を選び、陸橋の上に監視員を置いて危険を察知できるようにし、直前に同じルートを走り、シカなど野生動物が道路に入らないよう、柵が設置してある区間を選んでいる」とその安全策についてコメントしています。

動画】一般人がブガッティ・シロンでアウトバーンを走り414km/hを記録!このオーナーは2015年にもヴェイロンで402km/hを達成し公道最速記録を打ち立てる
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ただし動画を見るに、他の車を一瞬で追い抜く様子も収録されており、もしほかのクルマが進路を変更しようものならば大惨事になった可能性があるのもまた事実(安全に走行できたのは、他車が”たまたま”車線変更をしなかったからだとも言える。誰もが自分が走る速度の3倍の速度で後ろからクルマが来るとは思わない)。

ブガッティ・シロンは時速400キロからは「490メートルで」停止できるほどのブレーキを持っていますが、危険を察知してからブレーキペダルを踏んだ場合だと実際に制動距離はもっと長くなるものと思われ、この観点からすると、「運転者は、車両が常に制御できる程度のスピードしか出してはならない」という決まりに抵触するのかもしれません。

実際の状況については知るよしもありませんが、同氏の「無罪放免」を願ってやまない今日このごろです。

アウトバーンにて時速417キロを達成した際の動画はこちら

「アウトバーンでシロンの最高速を試した」ことに対するブガッティの反応は?

なお、ブガッティは「通常の環境ではとうてい出すことができない速度が出る」クルマを販売することでそのブランド価値を高めてきた企業ですが、気になるのは本件に対するその姿勢。

ブガッティとしてもこれを無視するわけにもゆかず、さすがに公式声明を出しており、その内容は下記の通りです。

我々ブガッティは、ドイツの高速道路(アウトバーン)にて、ブガッティ・シロンが高速で走行する動画を認識しています。しかしながら、今後この走行が捜査の対象となる可能性があるため、当社としては事件に関するコメントができず、今後についても予想はしません。

私たち企業にとって、顧客、株主、従業員、社会に対する責任ある行動を取ること、そして何よりも法律とブガッティ社内のコンプライアンス・ガイドラインに適合することは最優先事項です。私たちの考えるところでは、公共の道路を走行する場合、常に責任ある行動を取らなければなりません。企業として、道路利用者を具体的な危険にさらすような道路上の行為については拒否し、もしくは距離を置くことを明確にしたいと思います。

加えて、ブガッティは、シロンで最高速(420km/h)を出そうとするならば、一旦クルマを停止させて「第二のキー」であるスピードキーを使用して”最高速モード”へと設定を変更せねばならず、さらには道路がカーブしていることを検知すると自動的に最高速モードが解除されて最高速が380km/hに制限されることについても言及し、「我々のシロンほど、高い速度域で、しかも安全に走行できるクルマはほかにありません」とも。

つまりブガッティはラディム・パッサー氏を擁護しないということになり(これは仕方ない)、この対応によってブガッティは少なくとも一人の顧客を失うかもしれません(ぼくがこの状況を経験していれば、二度とブガッティを選ばない)。

現在、一人のチェコの男が、自身のクルマの性能を証明しようとしたために「数年間の自由を失おうと」しているという状況ですが、世の中はどんどん締め付けが厳しくなり、速度監視装置によって制限速度を物理的に超えることができなくなったり、唯一速度制限が(欧州で)無いアウトバーンにも速度制限が導入されることになったり、さらには「自分でクルマを運転する自由すら取り上げられる可能性がある」状況において、いろいろと考えさせられる一件だと思います。

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参照:Radim Passer, The Sun

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