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フォルクスワーゲングループが「自社のPHEV合計で10万台以上を世界中でリコール」と発表。ヒューズに不具合、最悪の場合は火災に至る

2022/04/10

フォルクスワーゲン

| やはりまだまだバッテリー技術は発展途中、さらには消防側の対応も追いついていない |

現段階ではEVはガソリン車の2倍も燃える可能性が高い

さて、フォルクスワーゲングループが「アウディ、セアト、シュコダ、フォルクスワーゲン各ブランドのモデルを含む、10万台以上のプラグインハイブリッド車のリコールを世界中で実施する」と発表。※今回ポルシェは含まれていないので、ポルシェはこれらと別のシステムを持っているのかも

ドイツ現地のカーメディアは、ドイツ連邦自動車局(KBA)の発表を引用する形で「この問題は、プラグインハイブリッド車(内燃エンジンに加えてケーブル充電式バッテリーを搭載したハイブリッド車)の駆動システムのヒューズに不具合があることが原因である」と報じており、これが原因でヒューズが過電圧がかかった際に不具合を生じさせ、その結果として高電圧バッテリーが発火する可能性があるとのこと。

現時点では全容は不透明

なお、今のところは正式にリコールを出す前の段階のようで、フォルクスワーゲンブランドからは、パサート、ゴルフ、ティグアン、アルテオンの4万2,300台がリコールの対象となること、アウディでは24,400台がリコール対象となることがわかっているものの、セアトとシュコダだとまだ正確な台数がアナウンスされていないもよう。

参考までに、2021年2月、プラグインハイブリッドシステムを搭載するフォルクスワーゲン・ゴルフGTEが、オーナーの運転中に爆発する事件が発生しており、これは納車からわずか2日、走行距離にして300km未満であり、ドライバーによると「何の兆候もなく、いきなり真っ青な閃光とともに発火した」とのことで、まさに青天の霹靂と言った感じですね。

VW-Golf-GTE

さらにはバッテリーが原因で何度も再発火したため、消防隊員は消火のため、車両を特殊なコンテナに入れて密閉することを試みたそうですが、結果的にはコンテナを使わずになんとか消火することができたとも報じられています(ただ、この事故によってもちろんクルマは全焼し、4万5000ユーロもの物的損害が発生している)。

VWは2021年のこの事件に対し「お客様の安全が私たちの最優先事項です。私たちの車両に設定した高い基準を保証できるようにするため、現在、報道によるとゴルフ8で爆発があったとされる事件の状況と技術的背景を分析しているところです。調査結果に基づき、必要に応じて適切な措置を講じる予定です」とコメントしており、今回のリコールがその事故および調査に対する回答なのかもしれませんね。

なお、ドイツではプラグインハイブリッド車の高電圧バッテリーの絶縁が不十分であることに起因する火災が16件報告されているそうです。

やはり成熟していない技術を強制的に普及させるのは危ない

そしてこういった事例を見て思うのは、まだ登場したばかりの技術を、これまで南周年もかけて熟成されてきた技術と短期間で置き換えるのは非常に危ない、ということ。

現在は法規によってガソリンエンジンを締め付けて追い出し、それに変わってエレクトリックモーターとバッテリーをその主役に据えようという動きが世界中で見られていて、しかしこれは消費者だけではなく自動車メーカーにも大きな負担をかける可能性があり、つまり研究開発費の負担、今回のようなリコールそして事故の際の費用負担などそうとうなコストが生じることになり、場合によっては(これだけではなく、産業的構造が変化することで)多くの雇用が失われるのかもしれません。

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実際のところEVの火災発生率はガソリン車の2倍もあるといい、さらには2021年のゴルフGTEのように「一旦発火すると消火が困難」という特性も持っていて、バッテリー発火に対する消防側のノウハウや経験も不足しているという指摘もあり、様々な問題が今後噴出してくることになりそうです。

ポルシェ・タイカンのメーター
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ちなみにランボルギーニやベントレー、ポルシェ、アウディなどが海中に没した「フェリシティ・エース」号の火災についても、EVもしくはPHEV車に積まれるバッテリーが原因ではないかとも言われており(現在調査中)、こういった事例が続くと、企業が加入する保険についても(保険会社が)加入を拒否したり、個人の場合でも任意保険の金額が非常に高額になってしまうのかもしれません。

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参照:Bild 

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