| ドア開閉方法やそのフォルム、ディティールともに「21世紀のイセッタ」 |
ただしBMWとなんらかの調整を行ったのかどうかはわからない
さて、ミュンヘン・モーターショー(IAA)にてエレクトリック・シティカー「マイクロリーノ2.0(Microlino2.0)」が発表。
見ての通りBMWイセッタにインスパイアされたボディ形状や構造を持ちますが、「Urban」、「Dolce」、「Competizion」eの3つのバージョンが選べるといい、3種類のバッテリー容量が用意されています。
なお、最初にこのマイクロリーノが発表されたのは2016年で、当初は2018年に市場に投入する予定だったものの市場投入はかなわず、しかしその後、2020年に大幅に改良されたマイクロリーノ2.0が登場。
今回発表されたのはその「最終形態」つまり市販モデルだとアナウンスされています。
| オリジナルのイセッタとは異なり「高級仕様」
このマイクロリーノ2.0を発売するのは1999年にスイスで起業したマイクロ社。
創業者のウィム・ウボテール氏は「数年間の開発期間と想像以上のチャレンジを経て、マイクロリーノの最終バージョンをお見せできることを大変誇りに思います」とコメント。
生産バージョンとなるマイクロリーノ2.0のデザインは初期のプロトタイプが持っていた特徴をすべて維持してており、イセッタの成功したレシピを現代風にアレンジしつつ、LEDバー、サイドミラーに取り付けられた丸いヘッドライトやコンパクトなボディ等を持っています。
イセッタの流れを汲む特徴的なフロントドアにはハンドルがなく、ボタンを押すことでドアを開けることができるうえ、ソフトクローズ機能も備える模様。
車体構造はユニボディシャーシ(イセッタではチューブラーフレームだった)が採用され、エントリーレベルのUrbanには、サントリーニホワイトとアムステルダムオレンジの2色が用意されて光沢のあるブラックルーフが組み合わせられることに。
ミッドレンジのDolceでは、エクステリアにクロームのディテールが加わり、ボディカラーはパリミント、ミラノレッド、チューリヒブルーが追加され、こちらはホワイトルーフとのコンビネーションが採用され、インテリアにはファブリックまたはヴィーガンレザーのシートを用いているようですね。
マイクロリーノのフラッグシップモデルであるコンペティツィオーネ(画像)は、ゴッサムアンスラサイト、ロンドングリーン、トリノアルミニウムの3色のマットなボディカラーが選択でき、光沢のあるブラックルーフとのコントラストを強調しています。
マイクロリーノ2.0では、ユニボディ構造にて安全性と走行性能を大幅に向上させたほか、サスペンションでは従来のプッシュロッド/リジッドアクスル式から、フロントとリアにマクファーソンストラット式を採用する完全独立型へ。
電気式パワートレインは、最高出力17ps(12.5kW/17PS)、最大トルク118Nmを発揮し、ピーク時には最高出力25ps(19kW/26PS)を発揮します。
バッテリーを除いた車重はわずか435kgと軽量で、0~50km/h加速は5秒、最高速度は90km/hというスペック。
バッテリー容量は6kWh、10.5kWh、14kWhを用意し、航続距離はそれぞれ95km、175km、230kmだとアナウンスされており、0-80%の充電には4時間(6kWh、14kWh)または3時間(10.5kWh)を要します。
マイクロリーノ2.0のインテリアはこうなっている
そしてこちらはマイクロリーノ2.0のインテリア。
室内には2人分のスペースと230リットルのカーゴスペースがあり、(イセッタのようにドアに接続されているのではなく)車体側に固定されたステアリング・コラム、人間工学に基づいてデザインされたシート、デジタル・インストルメント・クラスター、そしてセンターには車両の主要機能を制御するためのタッチスクリーンを備えたダッシュボードつき。
嬉しいことに、マイクロ社は(開発・生産コストが上昇したにもかかわらず)、12,500ユーロ(14,824ドル)という当初予定していた価格を維持しており、今年中にトリノの自社工場でシティカーを生産する計画を持っています。
当初の年間生産台数は約7,500台の予定ですが、将来的にはさらに増やす可能性もあるようですね。
マイクロ社によると、すでにマイクロリーノ2.0の予約は24,000件を超えており、最初の納車はスイス、続いてドイツで行われ、その後ヨーロッパでの販売が始まる予定。
さらに同社は電動三輪バイク「マイクロレッタ」、加えて3輪の電動スクーター「グラディエーター」を発売する計画も公表しているため、ニッチながらもその市場で勢力を伸ばすことになりそうです。
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