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| 電動化でもブレない「サーキット生まれ、ストリート育ち」の哲学 |
正直、これはなかなかにカッコいい
「100%電気自動車(BEV)時代になっても「M」ならではの官能的な走りと興奮は生き残るのか?――多くのエンスージアストが抱くこの疑問に対し、BMW Mが出した「究極の回答」がル・マン24時間レースのパドックでベールを脱ぐことに。
今回世界初公開された「BMW M コンセプト・ノイエ・クラッセ」は未来志向のショーカーにとどまらず、BMWが次の100年を見据えて開発した新世代プラットフォーム、「ノイエ・クラッセ」の可能性を極限まで引き上げ、そして未来のM3やM4の姿を具現化した”極めて市販版に近い”コンセプトモデルです。
ここではその先鋭的なデザイン、そしてレーシングカー直系の最新テクノロジーを見てみましょう。

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記事の要点(Discover向けサマリー)
- 伝統の聖地でワールドプレミア: BMW M GmbHは、フランスで開催中の「ル・マン24時間レース」にて、次世代の全電動ハイパフォーマンスカーを予感させる「BMW M コンセプト・ノイエ・クラッセ(BMW M Concept Neue Klasse)」を世界初公開
- GTレーシングカー直系の「Mイエローライト」: 往年のレーシングカーや現代の耐久レーサー「BMW M Hybrid V8」をオマージュした、鮮烈なイエローのライトアイコンをフロントに採用。今後の電動Mモデルの新たなアイコンへ
- 「Heart of Joy」による4モーター異次元制御: 次世代の「BMW M eDrive」テクノロジーを搭載。4つの電動モーターを高性能コンピューター「Heart of Joy(ハート・オブ・ジョイ)」で統合制御し、4輪独立のトルクベクタリングと究極のダイナミクスを実現
- サーキットのDNAとサステナブルの融合: フロントスプリッターやディフューザーには、純粋なカーボンではなく「天然繊維(ナチュラルファイバー)」を採用。モータースポーツ直系の空力性能と次世代の環境性能を両立

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モータースポーツの血統を証明するエクステリアと、ドライバー中心のコクピット
このコンセプトカーはBMW MのコアDNAである「Form follows function(形態は機能に従う)」を文字通り体現したもので、ひと目で圧倒的なパフォーマンスを予感させる筋肉質なプロポーションを纏っています。
シンプルかつクリーンなデザインを基本としつつ、Mモデルならではの獰猛さをも表現しており、あらためてBMWのデザインレベルの高さを思い知らされるクルマに仕上がっています。
■ レーシングカーの空力とディテールをストリートへ
フロントマスクには、前方に傾斜した伝統の「シャークノーズ」をEV時代にふさわしくモダンに再解釈。
ヘッドライトとキドニーグリルをひとつのユニットとして統合した先進的なフェイスですが、最も目を引くのは「Mイエローライト」の採用で、これは耐久レースを戦うGTレーシングカーやル・マンの最高峰クラスに参戦するプロトタイプカー「BMW M Hybrid V8」へのオマージュであり、これからの電動Mモデルの象徴的なデザイン機能となるのだそう。※ただ、市場によってはイエローのライトは使用できない

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また、フロントエプロンは高速セーリングボートの形状からインスピレーションを得た「トリマラン(3胴船)スタイル」を採用。この3分割デザインは視覚的なワイド感を強調するだけでなく、フロントスプリッターを構造的に支える空力的な役割も果たしている、と説明されています。

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なお、ボンネットのV字型エアアウトレット、フロントスプリッター、そしてリアの大型ディフューザーには環境に配慮した「天然繊維(ナチュラルファイバー)素材」を使用しており、さらにルーフには、この天然繊維に”洗練された加工”を施したMブランディンググラフィックが初採用され・・・。

新しいデザインが与えられた(レーシングカーっぽい)ドアミラーにもMカラー。
なお、何らかの方法で「格納」ができなければ市販モデルにこれを採用することはできず、その構造には注目が集まるところです。

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足元にはモータースポーツとの繋がりを強調する(左右で)レッドとブルーに色分けされたセンターロックホイール(洗いにくそうだがカッコいい)。

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そして前後バンパーには(これも新しい)ドット形状を持つランプ。
フロントはデイタイムランニングランプ、リアはフォグランプとして機能するのかもしれません。

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テールランプは先に発表されたi3に近いデザインを持つものの車体デザインにあわせてリファインされ、トランクリッド後端は「ダックテール」。

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なおボディカラーは新開発の「モンツァ・レッド・メタリック」。※トランクリッドの下の方にあるホワイトの「M」レターが斬新

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次世代のドライビングプレジャーを約束する内装
インテリアは極限まで無駄を削ぎ落として純粋なドライビング体験に集中できるように設計されており、新開発の「4席」バケットシートは激しいスポーツ走行時でもドライバーの身体を強固にホールドすることが可能です。
シート素材には「バサースト・ブルー」と「ベリー・レッド」の2トーンに彩られたメリノレザーを使用し、レッドの5点式シートベルトがレーシーな雰囲気を引き締めているかのようですね。

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また、ステアリングホイールやドアパネル、ロールバーには、BMW Mとして初めて高品質な「ブラックヌバックレザー」を採用し、ダッシュボードは質感の高いブラックのニット素材で覆われ、M固有のヘキサゴン(六角形)バックライトが未来的なコクピットを演出します。

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M コンセプト・ノイエ・クラッセ:車種概要
「BMW M コンセプト・ノイエ・クラッセ」主要スペック
| 項目 | 次世代電動Mコンセプト(BMW M Concept Neue Klasse) |
| パワートレイン | クアッドモーター(4輪独立モーター)駆動システム |
| シャシー制御 | ハイパフォーマンス・コンピューター「Heart of Joy(ハート・オブ・ジョイ)」 |
| ダイナミクスシステム | BMW M ダイナミック・パフォーマンス・コントロールによる4輪統合制御 |
| バッテリー技術 | 次世代「Gen6(第6世代)」テクノロジー採用円筒形セル(800Vシステム) |
| バッテリー容量 | 100 kWh 以上 |
| エクステリアの特徴 | Mイエローライト、トリマラン・フロントエプロン、ダックテールスポイラー、空力Mミラー |
| サステナブル素材 | フロントスプリッター、ボンネットアウトレット、ディフューザー等に天然繊維を採用 |
| インテリア仕様 | 4座独立バケットシート、ブラックヌバックレザー、M gear selector(赤アクセント) |

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市場でのポジショニング:ポルシェやテスラを超える「曲がる楽しさ」への宣戦布告
このコンセプトカーが示唆する市販モデル(つまりM3)は、ポルシェ・タイカンやテスラ・モデルSプラッドといった、既存のハイパフォーマンスEVセダンに対するBMWからの決定打そして「回答」でもあり、多くのライバルが「直線での加速力」のスペック競争に終始する中、BMW Mが狙うのは「アジリティ(俊敏性)と精密なハンドリング」の頂点です。
第6世代(Gen6)のバッテリー技術をベースにした800Vシステムは、100kWh以上の大容量を持ちながらも高電圧バッテリーのケース自体をフロントおよびリアのアクスル(車軸)と構造的に一体化。
これにより車体剛性を飛躍的に高め、EV特有の重量を感じさせない、極めてダイレクトなロードインフォメーションを実現している、とアナウンスされています。

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なぜBMWは超高性能コンピューター「Heart of Joy」を開発したのか?
BMW Mが今回発表した「Heart of Joy」というセントラルコントロールソフトウェアには、電気自動車の未来を支配する重要な鍵が隠されており・・・。
「馬力競争」から「統合制御の緻密さ」へのシフト
ガソリンエンジン時代に比較すると、電気自動車の世界ではモーターの出力を上げて「1,000馬力」を達成することが比較的容易となっていて、そのため、これからのエレクトリックハイパフォーマンスカーの価値は「馬力の大きさ」ではなく、「その強大なパワーをいかに破綻させずにコントロールするか」に移行しつつあります。
そして従来のクルマでは、ブレーキ、サスペンション、各モーターがそれぞれ個別のコンピューターで計算していたため、どうしてもミリ秒単位の通信遅延(タイムラグ)が発生するという宿命があり、しかしBMWが新しく導入する「Heart of Joy」では、駆動システムとブレーキシステム、シャシー制御のすべてを一括して1つの超高速コンピューターで処理するというロジックが与えられ、これによってタイヤが滑り出す前に先回りして駆動力を最適化するといった、人間の感覚に近い(あるいはそれを超える)超低遅延ハンドリングが可能になるというわけですね。

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「Mイエローライト」が持つブランディングの魔力
なぜBMWは、未来のEVにわざわざ「黄色いヘッドライト」を採用したのか?ここには今の時代だからこそ響く強力な「視覚的ヘリテージ(遺産)」戦略があり、というのもかつてのル・マンをはじめとする耐久レースでは、夜間や悪天候時の視認性を高めるため、また他クラスの車両と識別するために黄色いレンズのヘッドライトが広く使われていたことも。
そして最新のハイパーカー「BMW M Hybrid V8」にもこの黄色いライトシグネチャーが受け継がれていて、このモータースポーツ最高峰の「戦うアイコン」を市販EVに移植することにより、BMWは「このEVは、音が静かになっても本物のレーシング血統である」という強いメッセージを世界中のファンへと瞬時に刷り込もうとしている、ということに(さすがライティングにこだわるBMWである)。

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結論:伝統の「M」は、電気の力でさらにピュアになる
「全電動の新しい時代になっても、モータースポーツからの技術革新と象徴的なデザイン特徴を、そのまま市販車へと移植するMの伝統は変わりません」
BMW M GmbHのボス、フランシスカス・ヴァン・ミール氏が力強く語るように、「BMW M コンセプト・ノイエ・クラッセ」は、電動化が決してファンへの裏切りではなく、むしろ「Mの走りをさらに純化させるための究極のアップグレード」であることを証明してみせた1台です。

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これまでのガソリン車では、どれだけメカニズムを突き詰めてもエンジンの回転やシャフトの伝達による物理的な遅延をゼロにすることはできず、しかし4つのエレクトリックモーターと「Heart of Joy」が組み合わさることで、ドライバーの脳と4つのタイヤの動きが完全にシンクロする、新次元の「駆けぬける歓び」が完成するというわけですね。
ル・マンのパドックを鮮やかに彩ったモンツァ・レッドのボディと、未来を鋭く睨みつけるMイエローライト。このコンセプトカーが、そう遠くない未来に市販車として日本の道を、そしてサーキットを駆け抜ける日が今から待ち遠しくてならず、「Mの未来」はこれまで以上にエキサイティングに照らされるであろうことは間違いないものと思われます。

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なお、このMコンセプト ノイエクラッセを見るに、BMWの伝統、モータースポーツのヘリテージ、「EVだからこそできること」、なによりBMWからのメッセージが非常に明確に伝わってくるように思われ、しかしその一方、(クラスは異なれど)つい先ごろ発表されたメルセデスAMG 4ドアクーペ(EV)はそのあたりが「曖昧」であり、よって明暗が大きく分かれることになるのかも。
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そしてBMWがこのMコンセプト ノイエクラッセの市販モデル、つまりM3 EVをもって、「ハイパフォーマンスEVは売れない」という常識を打ち破ってくれることにも期待したいと思います。
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