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BMW「M2の顧客の半数がMTを選択している。MTは技術的観点では残す意味はないが、それでもMTを愛する顧客のため、可能な限りMTを残したい」

BMW「M2の顧客の半数がMTを選択している。MTは技術的観点では残す意味はないが、それでもMTを愛する顧客のため、可能な限りMTを残したい」

| BMWはポルシェとともに、最後の最後までマニュアル・トランスミッションを残す自動車メーカーとなりそうだ |

BMWの顧客がMTを選ぶ理由にも納得できる

さて、BMW M部門のボス、フランク・ファン・ミール氏がカーメディアに対し「できるだけ長くマニュアル・トランスミッションを残したい」とコメント。

今年後半に発表される新型M2にはマニュアル・トランスミッションが搭載されることがすでに明かされており、しかしそれと同時に「M2が最後のガソリンエンジンオンリーのMモデルになる」ということにも言及がなされています。

そうなると、M2以降に発売されるMモデルはすべからく「ハイブリッドもしくはピュアエレクトリック」ということになりますが、そうなると(ハイブリッドはMTと組み合わせることが困難であり、EVではその意味もないので)単純に「新型M2をもってMTが消滅」ということになり、この「できるだけ長く」というのは「M2のモデルライフ通じ、できるだけ最後まで」と置き換えることができるのかもしれません。

BMW M2の顧客の半数がマニュアル・トランスミッションを選択

フランク・ファン・ミール氏によれば「(従来型)M2の顧客の半数がマニュアル・トランスミッションを選択している」と前置きし、「技術的な観点からすると、マニュアル・トランスミッションを残す意味はほとんどない」とも。

その理由としては「重く、遅く、燃費も悪い」と語っていますが、BMWは現在使用しているZF製の8速オートマチック・トランスミッションを「これ以上のものはない」とも称賛しており、その理由は「軽くコンパクトで変速は速く、高トルクにも耐え、さらに段飛びシフトができるから」。

同様の理由でこのトランスミッションがデュアルクラッチよりも優れると断じていて、そのためM3やM4ではDCTではなくこの8速ATを使用しているわけですね。

そういった状況において、なぜBMWが「MTを残したい」とい考えるのかについては非常に興味深い回答が返ってきており、それは「50%の顧客がマニュアル・トランスミッションを選んでいる」という事実が反映しているとおり、「しかしそれでも、我々の顧客はマニュアル・トランスミッションを好むのです。もはや愛していると言ってもいい。私達はただ、それを支持したいのです」。

なぜBMW M2の顧客はマニュアル・トランスミッションを好むのか?

そこで気になるのが「なぜBMW M2の顧客はマニュアル・トランスミッションを好むのか」。

これについてはBMWがいくつか解をもっていて、ひとつは「高性能車のドライバーは、自分の所有する”獣”を扱うことを証明したがっており、その手段がマニュアル・トランスミッションである」ということ。

そしてもうひとつが「M2の多くがセカンドカーとして購入されていること」。

これはけっこう重要な要素であり、というのも「1台めのほかのクルマ」「別に移動手段としての安楽なクルマ」がある人にとってM2とは「高価な遊び道具」であり、その遊び道具は「面白いほうがいい」という観点からMTを選んでいるというわけですね。

ちなみにBMWはM3やM4に「ポルシェや、フェラーリ、ランボルギーニの純正色」をオプション設定していますが、その理由が「そういったスーパーカーを所有している人は、そのスーパーカーと同じボディカラーのセカンドカー、サードカーを購入する傾向がある」から。

これはちょっと理解できるような気もしていて、というのもスーパーカーはそうそう日常的に乗ることもできず(乗る人もいますが)、よってその代わりになるなるクルマが欲しいと考えたりすることがあるためです(スーパーカーを所有していても乗れないというフラストレーションを、別のクルマにて解消することになる)。

そうなるとM2のマニュアル・トランスミッションに人気が集中するのも納得でき、BMWがMTを残そうと考えることも理解ができますね。

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ちなみにですが、ぼくの知る範囲だと、スーパーカーを好む人の多くはセカンドカー、サードカー、それ以降の車について「対極にある」安楽なクルマではなく、スーパーカーとよく似た性格を持つ、キビキビと走るクルマを選ぶことが多いもよう(もちろん家族構成やその他の事情にて、多くの人がSUVやミニバン、セダン、コンパクトカーなどを同時に所有している)。

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参照:Autocar

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