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BMWが「これまでのシートとは、素材、構造、デザインが異なる」画期的な軽量シート構造を考案。まだまだ実験段階ではあるものの実用化に期待したい【動画】

BMWが「これまでのシートとは、素材、構造、デザインが異なる」画期的な軽量シート構造を考案。まだまだ実験段階ではあるものの実用化に期待したい【動画】

Image:BMW

| 現在の自動車のシートはあまりに重くなっており、この構造を採用することができれば大幅な軽量化を達成できそう |

BMWはボクの考える「もっとも格好良いスポーツシートを作る自動車メーカー」のひとつである

さて、BMWが「ヴィジョナリー・マテリアル・シート」なる画期的なシートを考案したと発表。

自動車に使用されるシート含め、ソファやオフィスチェアなどは長年基本構造が進化していないものの、今回BMWが紹介するシートは素材や構造、勿論デザインも既存のシートとは全く異なるものとなっており、ここでその内容を見てみましょう。

BMW ヴィジョナリー・マテリアル・シートでは快適性が最優先される

BMWによれば、このヴィジョナリー・マテリアル・シートを設計するに際して優先されたのは「快適性」。

そして達成すべき目標は軽量構造と(製造過程における)二酸化炭素排出量の削減であり、BMWが追求する持続可能性に焦点を当てた製品を設計することだといいます(BMWは投網のリサイクル、アルミのリサイクル、レザー不使用など様々な関連から持続可能性を追求している)。

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実際のところBMWは持続可能性が業界の将来にとって不可欠だと見ており、このシートはその可能性を探求する方法のひとつだとされ、リサイクル性を高めるために植物由来の材料と二次原材料が含まれているのだそう(さらには天然繊維、繊維複合材、皮革代替品、さらには藻類由来のポリマーも使用されている)。

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BMW

基本構造としては、従来のシートのように「スチール製のシェルにクッションを貼ってゆく」「カーボンファイバー製のシェルにクッションを貼り付ける」というものではなく、「超軽量の繊維複合シート サポート構造」を採用しており、簡単にいえばカーボンファイバー製の糸を強い張力をもって張り巡らしたもので、これがフレームやクッションの代わりを果たすことで「よりシンプルに、より軽量に、より少ない素材で」シートを形作ることが可能となっているわけですね。※ただし製造コストが高く、1脚あたりの製造時間が長そうでもある

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BMW

ただし残念ながらこのシートはいますぐに実用化できるわけではなく、BNWによると「BMWの将来の設計目標のひとつ例であり、設計チームに教育を提供するもので、実験と将来の可能性の探求を可能にする、実践による学習アプローチ」。

つまりはまだまだ多くの実証やテストを経ないと車両にできないという状態となるものの、BMWグループの車両ライフサイクル開発責任者であるロベルト・ロセッティ氏は「得られたデータは、今日のマイナス要因と将来のプロセス設計の両方の点で新たな洞察をもたらします。この経験は、持続可能性を継続的に改善し、先進的なモビリティのための革新的なソリューションを開発するための強固な基盤となります」と説明しており、いずれは機が熟せば車両に採用され、そして「革命」を起こすことになるのかもしれません。

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BMW

参考までに、ぼくはBMWを「もっとも格好良いスポーツシートを作る自動車メーカーの一つ(そのほかだとアストンマーティン)」だとも捉えており、よって今回のヴィジョナリー・マテリアル・シートの実用化には非常に高い期待を寄せています。

BMWが「ヴィジョナリー・マテリアル・シート」を紹介する動画はこちら

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