| いずれも当たり前のことではあるが、トヨタほどの規模になると「それすらも難しくなってしまう」のだろう |
なお、是正命令に関する「問題が起こり得た原因」については「運用ルールが明確でなかった」「認証におけるリソースが不足」「法的理解の不足」を挙げている
さて、トヨタは今年6月に、ヤリスクロスやレクサスRXを含む7車種の認証試験において不正を行っていたことが発覚していますが、その後の国土交通省による立入検査ではさらに追加で7車種の不正が見つかり、国交省はこの結果を受けてトヨタに対し是正命令を出すという異例の事態となっています。
そして本日、トヨタが国土交通省に対し「再発防止報告書」を提出し、”「人づくり」「モノづくり」「基盤の強化」の3つを柱に正しい認証業務を実施できる環境づくりに取り組んでゆく”と発表。
なお、これに先駆け、この不正認証に関連し一時的に生産を停止した影響もあり、トヨタは2024年の世界生産台数の見通しを「1030万台から980万台に」引き下げることについても言及していて、この影響は「小さくない」のかもしれません。
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トヨタはこういった「再発防止策」を報告している
そこで今回トヨタが国土交通省に報告した再発防止策を見てみると、大きく分けて「1.会社全体の業務運営体制の再構築」「2.自動車開発・認証全体の業務管理手法の改善」「3.不正リスクに対応した法規・認証関連業務の実施体制の構築」の3つです。
ここでそれぞれを掘り下げてみると、「1.会社全体の業務運営体制の再構築」については以下のように細分化されており、簡単に言えば「経営陣がもっと現場を理解し、現場と深く接することで不正が起こらない状況を作ってゆく」ということになりそうです。
- 経営層による開発・認証業務の理解促進及び統治体制の強化
- 経営層による認証ルールの理解・遵法意識の向上
- 開発・認証業務に対する内部監査の充実
- 経営層に対して適正な情報が報告できる体制の確保
そして次の「2.自動車開発・認証全体の業務管理手法の改善」についてはきちんと工程を管理し要所要所で適切な承認を行い、かつ承認を行う者の責任の所在を明確にし、不適切な承認がなされないように体制を再構築する、と述べています。
- 開発から認証の全体統括管理及び各業務の責任の明確化
- 自動車開発・認証業務全体の適正なリソース配分及び管理
- 認証業務の適正な実施を前提とした日程管理方法の整備
- 認証での開発データ利用適正化のための社内規程の整備
「3.不正リスクに対応した法規・認証関連業務の実施体制の構築」については「法規をちゃんと理解してそれを守るようにしよう」という意識を高めるというマインド的な部分が多くを占めるようで、その内容は以下の通り。
- 認証業務に関する社内規程の適正化
- 試験指示及び申請準備における試験条件等の確認強化
- 認証試験のモニタリング・継続改善するための体制の構築
- 認証現場における遵法意識の向上
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参照:TOYOTA