｜ イズデラのクルマは近年の再評価によって価値が向上中、高額落札となっても不思議はない ｜
2011年にイズデラによってカスタムがなされており、そのパフォーマンスが高められている
さて、ぼくの大好きなドイツの自動車メーカー「イズデラ」。
過去には108iや112iといったクルマを発売していますが、今回はわずか14台のみしか製造されなかったという超レアカー「イズデラ・スパイダー036i」がRMサザビーズ主催のオークションへと登場の予定です。
このイズデラ（ISDERA）は「Ingenieurburo fur Styling, DEsign und Racing（エンジニアリング、スタイリング、デザイン、レーシング）」の略で、メルセデス・ベンツのエンジニアであるエーベルハルト・シュルツ氏が（1984年くらいに）設立した会社です。
設立の目的としては、当時メルセデス・ベンツにてエーベルハルト・シュルツ氏が中心となって開発した「CW311」が（メルセデス・ベンツによって）市販されないと決定されてしまい「それでは自分で販売するから権利をくれ」とメルセデス・ベンツに頼み、許可を得てこれを発売するためだったといい、つまりは相当にそのクルマに惚れ込んでいたということになりそうですね。
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イズデラ・スパイダー036iはこんなクルマ
そこでこのイズデラ・スパイダー036iですが、見た目としては「108iのオープンモデル」といった雰囲気。
ただし108iが20〜30台製造されたのに対し、この036iが14台しか製造されなかったのは「1台あたり12ヶ月という、あまりに長い製造期間」に起因しているといい、それはもちろん「完全に手づくりだったから」。
今見ても古さを感じさせず、まるでコンセプトカーのような雰囲気もありますね。
フロントにはイズデラの「鳥」エンブレム。
テールランプはおそらく当時のメルセデス・ベンツからの流用だと思われ、イズデラ設立者であるエーベルハルト・シュルツ氏はメルセデス・ベンツのほか、ポルシェにおいてもエンジニアとして働いており、両者と良好な関係を築いていたと考えてよく、イズデラ設立後にも両社から多数のパーツ供給を受けています。
ホイールハウスはマルチェロ・ガンディーニっぽい形状。
ちなみにこの個体はイズデラ自身の手によってカスタムされており、オーバーフェンダー、大径ホイールが装着されているそうですが、これらのカスタムは2011年にイズデラ本社にて行われた、と紹介されています（意外なことに、今でもイズデラは存続している）。
搭載されるのはAMG製の3.6リッター、出力は276馬力。
こちらも1989年に発表された時の3リッターから3.6リッターへと換装されているのだそう。
イズデラ・スパイダー036iのインテリアはこうなっている
そしてこちらはイズデラ・スパイダー036iのコクピット。
かなり独特な造形を持っていますね。
ステアリングホイールの奥にあるのはタコメーター、そしてダッシュボード上部の黒いボックスに内蔵されるのはスピードメーターに油温計と油圧計、そして水温計。
スピードメーターは300キロスケール、そして走行距離は59,000キロ（この手のクルマにしてはけっこう走っている）、メーターフードの下にはSONY製のカーステレオ。
ドアは上方に開く「ディヘドラルドア」。
スピーカーはサイドシルにウーファー、そしてドアにはミッドレンジとツイーターが装着されていますが、ツイーターにはちゃんと角度がつけられていて、オーディオにはけっこう注意が払われているようですね。
左右シートの間隔、そしてその横のスペースを見るに、けっこうコンパクトなクルマであるもよう。
ルームミラーはダッシュボード上にあり、左右シートの間のガラスを通して後方を確認できる構造です。
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参照：RM Sotheby's