| インテリアはライトグレー、なんとなく「イマ風」に |
美しくレストアされたメルセデス・ベンツ300SLが中古市場に登場。
メルセデス・ベンツ300SLは1954−1963年の間に製造され、「世界初のスーパーカー」、そして世界ではじめてガルウィングと直噴エンジンを採用したことでも知られます。
もともとはレーシングカーとして企画されたものですが、北米のメルセデス・ベンツディーラーが「これは売れる」と踏んでメルセデス・ベンツ本社とかけあって市販されたという珍しい経緯を持っています。
メルセデス・ベンツ300SLは「元祖」未亡人製造機?
メルセデス・ベンツ300SLはもともとがレーシングカーであっただけに性能は非常に高く、3リッター直6エンジンからは215馬力を発生。
なお最高速度は260km/hと非常に高く、1950−1960年代としては規格外であったと思われます。
そのために当時、この車を運転中に事故を起こして死亡するケースが相次ぎ、「ウィドウメーカー(未亡人製造機)と呼ばれることになりますが、この不名誉極まりないニックネームを頂戴するのはこの300SLが初めてかもしれません(のちにポルシェ911GT2が襲名)。
300SLクーペが1,400台、300SLロードスターが1,858台という非常に少ない生産台数であり、「もっともコレクターの欲するメルセデス・ベンツ」としても有名ですね。
現在のところ相場は300SLクーペ(ガルウイング)で1億7000万円ほど、300SLロードスターで1億4000万円ほどとなり、さらにはまだまだ上昇中。
生産台数が少ないこともあるかもしれませんが、やはり「ガルウイング」という特徴的なドアを持つクーペの人気が高いようですね(その割に売り物が多く、投機商品として扱われる傾向にある)。
今回販売されるのは1956年モデルで、この年に発売されたメルセデス・ベンツ300SLは308台のみ。
ボディカラーは「グラファイトグレー」、インテリアはライトグレー。
直6エンジンは今年のはじめに完全にリビルトされ、ラジエター、オイルクーラーも入れ替えられると同時にブレーキやトランスミッションもオーバーホールを受けている、とのこと。
なおインテリアは完全に張り替えられ、ドア内張り、ダッシュボード、ピラー内側やシート、センターコンソールはレザー張りに。
ルームミラーはダッシュマウント。
クロームパーツも美しく仕上げられていますね。
スイッチ類やメーターリングもクローム仕上げ。
なお、クロームは環境負荷が高いとされ、その加工が禁止されてゆく傾向にあり、新規のクロームパーツ製造はもちろん、レストアにおいても支障をきたす(復元できない)日が来るかもしれませんね。
ダッシュボードには「300SL」の文字。
ダッシュボードのパネルもボディカラー同色、そしてカーペットもグレー。
これらのカラーは当時のオリジナカラールなのか、レストア時に新しいカラーを選んだのかは不明です。
ステアリングホイールは純正オプションのMOMO製とのこと。
時速100マイルを超えて走行する際は、「1.ウインドウを閉じ、2.ドアをロックすること」の注意書き。
走行距離は32,192マイルと表示されています。
販売についてはオークション形式が取られ、開始価格は1億1000万円から。
見る限り素晴らしいコンディションを持っているように見え、もしかすると2億円に近い価格を記録するかもしれませんね。