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メルセデスAMG Oneがニュルを6分35秒183で走り圧倒的王座に君臨!さすがのポルシェでもこのタイムを破ることは難しいだろう

メルセデスAMG Oneがニュルを6分35秒183で走り圧倒的王座に君臨!さすがのポルシェでもこのタイムを破ることは難しいだろう

| 今後、ニュルブルクリンクのトップタイムはハイパーカーのみで競われることになるのかもしれない |

直近でこのタイムを更新できそうなのはアストンマーティン・ヴァルキリーのみだと思われる

さて、予告していたとおりにメルセデス・ベンツがAMG Oneにてニュルブルクリンクの最速ラップタイム(市販車)を書き換えたと発表。

DTMドライバー、マロ・エンゲル選手のドライブによって20.832kmの(長い方)レイアウトにて6分35秒183というタイムを記録し、これまで王座に就いていたポルシェ911GT2RS MRの持つ6分43秒3という数字を大きく短縮することに成功しています。

このメルセデスAMG Oneは、F1マシンに搭載される1.6リッターターボエンジンに4つのモーターを組み合わせ、合計1,049馬力を発生するというハイパーカーであり、その価格も3億円以上という「一般的な市販車」とは大きくかけ離れたものではありますが、それを考慮に入れたとしても、ポルシェ911GT2RS MRのタイムから8秒、メルセデスAMG GTブラックシリーズから13秒も短縮していることは驚くよりほかありません。

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メルセデスAMG Oneの発売までは紆余曲折があったが

なお、このメルセデスAMG Oneの発売までには5年の歳月を要しており、これは文字通りの予定外。

MAG Oneは2017年にAMG設立50周年記念モデルとして「発表」され、2019年までには納車が行われる予定であったものの、F1用エンジンを「公道で乗ることができるよう」チューニングしたり、ハイブリッドシステムのセッテイングを行うことに手間取ってしまい、結果的に納車が完了したのは2022年の「メルセデスAMG設立55周年」になってしまったわけですね。

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この遅れはメルセデス・ベンツにとっても相当な痛手であったといいますが、メルセデス・ベンツのCEO、オラ・ケレニウス氏は当時を振り返って「なぜAMG Oneの開発にGoサインを出したのか、我々としても理解に苦しむ。きっと役員全員、酔っ払っていたのだろう」と当時の自分たちを叱り飛ばしたいというジョークを飛ばしたことも。

そして影響を受けたのはもちろんオーナーも同じことで、「重量1100kg、200km/hまでの加速は5.5秒」という規格外のスペックに惹かれ注文したものの、市販モデルのAMG Oneは「車体重量1750kg、200km/hまでの加速は7秒」という、(一見して)目を引くものではなくなってしまい、「結果的に、価格に見合わない買い物になってしまった」という声も。

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メルセデスAMG Oneを注文したオーナー「重量1100kgと聞いていたのに実際は1750kg。200km/hまでの加速も5.5秒のはずが7秒。価格に見合わないクルマを買わされた」
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ただしメルセデス・ベンツは「いい買い物であった」ことをニュルブルクリンクにて証明

そして今回、メルセデス・ベンツはニュルブルクリンクにこのAMG Oneを持ち込み、これまでの常識を大きく超えるタイムを記録し「価格に見合った価値がある」ことを証明したわけですが、メルセデス・ベンツによると、「天候は晴れではあったが、コースはまだ湿っており、部分的に汚れているところもあって、経験豊富なレーシングドライバーにとっても厳しい状況だった」とのことなので、もう少し晴れていて、もう少し気温が高ければ、もっと速いタイムを出せたのかもしれません。

今回のチャレンジを担当し、DTMドライバーでメルセデスAMGのアンバサダーを務めるマロ・エンゲル選手は、「本当に忘れられない経験でした。このコースコンディションで、これほどのラップタイムを記録できるとは思ってもいませんでした。コースのいくつかの重要なエリアでは、まだ完全に乾いていなかったので、トリッキーだった。これは特別なチャレンジでした」と語り、「AMG Oneはノルドシュライフェ(ニュルブルクリンク)よりもグランプリ・サーキットに適している」とも。

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メルセデスAMG One
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今回の記録挑戦にあたっては、「レースプラス」ドライブモードを選択し、これによってアダプティブ・サスペンションをさらに下げ、それに応じてアクティブ・エアロダイナミクスも変化(おそらくは強ダウンフォース)させることとなっていますが、レコードラップ中、デッティンガーヘーエのストレートでは338km/hを記録しており、これはAMG Oneの公称最高速度である350km/hに近いもの。

このタイムを破ることができるクルマはそうそう存在せず、可能性があるとすればアストンマーティン・ヴァルキリーくらいだと考えるものの、アストンマーティンがニュルブルクリンクに挑戦するかどうかはわからず、よって当面はAMG Oneが王座を保持するのかもしれません。

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もちろんポルシェも黙ってはいられないはずで、しかし先日発表されたばかりのポルシェ911GT3 RSでは6分49秒328(現在ニュルでは4番手)にとどまっており、これは「NAの限界」である可能性かもしれず、となるとおそらく今後登場するであろう911GT2 RSにてチャレンジを行う可能性も考えられます。

ただ、もはやAMG Oneと競うことは「量産車ベース」のクルマでは難しく、最初からハイパーカーとして設計されていなければ難しいのもまた現実なのかもしれません。

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予想通りにポルシェ911GT3 RSがニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにアタックを行い、20.8kmの「長いほう」のコースを6分49秒328というタイムにて走行したと発表(もちろんヴァイザッハパッケージ装着)。
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メルセデスAMG Oneがニュルブルクリンクを走り記録を達成する動画はこちら

参照:Mercedes-AMG

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