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最新レストア事情。ポルシェ356のレストアついでに「あえて」58年を過ごした風の褪色カスタムを

2019/03/25

なにもピカピカの新車に戻すだけがレストアじゃない

ちょっと新しい、いや古い「レストア」を施したポルシェ356B(1961年製)が登場。
レストアというとすべてのパーツを新品状態に戻し、ピカピカの新車状態へと組み上げる作業を想像しますが、この356Bは修復すべきところは修復しながらも、「当時から今までそのまま時を経ていたらどうなっていたか」という想定のもと、あえて「古く」レストアしたもの。

なお、こういったレストアはちゃんとした一つのジャンルとして存在するようで、「Patina Restoration(パティーナ・レストレーション)」と呼ばれるようです。※Patinaは”風格””古色”というような意味がある

電装系に加え駆動系やブレーキ、サスペンションは現代仕様へアップグレード

レストアを手がけたのはポルシェとフォルクスワーゲンのファンである二人組、ステファン・ロールダー氏とクリスチャン・ヴィルム氏とが経営するショップ「Das Triebwerk」が手がけたもの。

ボディカラーはアイボリー、そしてボディにはブルーとオレンジのストライプ(微妙に線を歪ませているところがナイス)、製造年を表す「61」の文字が入りますが、もちろんこれは最初からボディにペイントされていたわけではなく、レストア時にその「くすんだ」風合いを再現したボディカラーともども褪色風加工が施されたもの。

フロントフードのロックにはブラウンのレザーベルトが使用され、そしてインテリアにも同色のブラウンレザーが使用されるなど、内外装に「年代」を感じさせる演出も見られます。

インテリア、アンダーボディ、足回りのブッシュ、エンジンルーム内も完全にリフレッシュされ、トランスミッション、1600ccのフラット4エンジンもオーバーホール。

加えて電装系は12Vへアップグレードされた上でケーブル類も入れ替えられ、ブレーキは4輪ディスク、サスペンション(ダンパー)はビルシュタイン製に変更されているようですね。

近年クラシックカーのレストアにおいては「最新パーツ」を組み込み、日常的にドライブできるようにカスタムする例も多く見られますが、オリジナルに忠実なレストアだけではなく、様々な楽しみ方が広がってきているように思います。

「褪色風」「サビ風」は現代のクルマでも人気

なお、これまでにもいくつか褪色風、サビ風ラッピングを行った車両も報告され、いずれもなかなか見ごたえのある仕上がりに。

こちらはダッジ・チャレンジャーを「アリタリア」カラー+褪色風に。

ポルシェ911GT3RSをブルー+オレンジの褪色風ガルフカラーに。

「サビ」風ラッピングも近年増加しつつあるカスタム。

こちらは内装まで「年季の入った」仕様へとカスタムしたジープ・ラングラー。

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