ポルシェが「718ケイマンGT4 RSにMRキットを装着し、ニュル（20.8km）を7分3秒121で走ったと発表。20.6kmだと6分58秒092、アヴェンタドールSVよりも速いタイム【動画】

｜　このタイムはニュル総合だと15位くらいに位置しており、10年前だとトップを狙えるレベル　｜

エンジン出力はノーマルのまま、変更は足回りとブレーキ、そしてエアロパッケージ

さて、ポルシェが「GT3/GT4向け」に発売しているMRキット。

これはニュルブルクリンクの走行に特化したパッケージオプションであり、ポルシェの子会社であるマンタイ・レーシングによって開発されたもの。

欧州や米国、その他一部の国や地域でのみ提供される純正オプションですが、主にはエアロダイナミクスとシャシーコンポーネントに一連の改良を加え、追加料金でブレーキのアップグレードも可能になる、といった内容を持っています。

ポルシェ718ケイマンGT4RSはマンタイ・キットの装着によってニュル走行タイムを７秒も短縮

そして今回、ポルシェはこのMRキットを装着した718ケイマンGT4RSをニュルブルクリンクで走らせ、20.8kmのレイアウトを7分03秒121で周回した、と発表。

ちなみに20.6kmレイアウトだと6分58秒092秒なので、ポルシェ918スパイダーが記録した6分58秒と大差ないタイムということになり、改めて718ケイマンGT4RSのポテンシャルの高さが証明されたと言えるかもしれません。

このポルシェ718ケイマンGT4RS向けのMRキットの内容を見てみると、フロントにはCFRP製ホイールアーチベント、ホイールアーチガーニーフラップとアップグレードされたエアカーテン、ディフューザー付きの新しいカーボン製アンダーボディが装着済み。

リアだと標準のものより約7.5センチ広い新しいリアウイング（サイドブレードも大きくなっている）が装着され、リアホイールのエアロディスクはカーボンファイバー強化プラスチック（CFRP）。

もちろんこのリアウイングは角度の調整が可能であり、「パフォーマンスポジション」へと変更することで、標準の718ケイマンGT4RSに比較して約2倍のダウンフォースを獲得することが可能だと説明されています。

ポルシェ718ケイマンGT4RS用MRキットは「フロントリフトシステム」にも対応

さらにこの718ケイマンGT4 RS向けのMRキットには、アップグレードされたコイルオーバーサスペンションが含まれ、これには4つのポジションを持つスプリングストラット、工具なしで伸側と縮側を調整できるシステム（911 GT3 RS用と同じ）を備えています。

なお、フロントだとスプリングレートが20％アップしているそうですが、興味深いのはフロントアクスルリフトアップシステムにも対応していることで、ポルシェらしく利便性も考慮されている、ということになりますね。

そのほかだと”理想的なブレーキ性能を保証するため”のスチール製ブレーキラインが付属し、オプションではレーシングブレーキパッドも用意され、インテリアだとマンタイのロゴをあしらったイルミネーテッド・ドアシル・ガードという「視覚的アップグレード」も。

このポルシェ718ケイマンGT4 RS用MRキットの価格は後日公開されるそうですが、指定されたポルシェディーラーにて装着が可能であり、これを装着してもそのまま保証が継続されるのが（純正オプションならではの）嬉しいところです。

今回の記録達成については、昨年に911 GT3 RSを駆り自然吸気市販車の記録を樹立したポルシェのブランドアンバサダー、ヨルグ・ベルクマイスターのドライブによるもので、ラップタイムは現地公証人により認定され、使用されたタイヤGT4 RSはミシュラン・パイロットスポーツカップ2 R。

20.6kmのタイムで比較すると、かつてニュル最速を誇ったランボルギーニ・アヴェンタドールSVの6分59秒73、そしてフェラーリ488ピスタの7分00よりも速く、総合では15位くらいに位置します（これだけのタイムを出しても15位にとどまるというところが、近年のニュルブルクリンクにおける競争の厳しさを表している）。

ポルシェ718ケイマンGT4 RS MRがニュルブルクリンクを走る動画はこちら

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参照：Manthey-Racing